ドラマ「信義」関連の記事を更新しています。「韓国には行ったことがありません」からブログタイトル変更しました。
お知らせ

   
   慈雨 ~ほぼ信義~ アメブロにて二次小説の記事を更新中です。  
 
   〇信義関連のインデックス一覧
      二次小説
      ドラマあらすじ
      登場人物一覧(作成中) 
      高麗末期の年表 
      50問50答  限定公開(パスワードが必要です)
      小説の翻訳記事 限定公開(パスワードが必要です)
      台本の翻訳記事 限定公開(パスワードが必要です)
            
【初めてのご訪問の方へ】
   一部の記事は、限定公開となっています。(パスワード認証が必要)
   パスワードをご希望の方は、お手数ですがパスワード希望のコメントをお送り願います
   コメントを入れる記事はこちらです(申請方法の記事にジャンプします)
     ↓
   こちら  この記事の右下にある「コメント」をクリックして申請願います
 
  


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「キスの場所で22のお題」テーマ  シンイで年越し企画2017 主催:りえさん

<髪 (思慕)>

※このお話の設定は、ヨンがウンスを連れて現代から高麗へと戻るときのことです。

あらゆる方向から吹き荒(すさ)ぶ風で、まともに目を開けていられない。
もっとも、チェ・ヨンは目を開けるつもりなどはじめからなかった。
天穴の光は、その入り口から漏れ出でる光だけで、辺りを昼間のように照らし出すほど眩しかったからだ。
『まともに見れば、目がつぶれる』
目を閉じていても、瞼越しにその眩しさは伝わってくる。目が慣れることは恐らくないだろう。

右手に持った天界の盾が、時折風を受けて身体から離れそうになる。チェ・ヨンは脇を締めて足を踏ん張った。天界の盾は琉璃(るり)で出来ており、手に持つと驚くほど軽く、鉄に等しいほど強固な造りだった。天界からの追っ手がくれば、出来得るかぎり傷つけぬよう、これで応じるつもだったが、その気配は感じられない。

と、左腕に抱いた女人の身体から力が抜けるのを感じたチェ・ヨンは、とっさに女人を胸の中に抱き寄せた。天穴を通るまでは、何かと抗っていた女人だったが、中に入った途端におとなしくなった。おとなしくなったというよりは、慄(おのの)いていると言った方が近い。
天穴を見て驚いていた様子からみて、下界になど下りたことのない御方なのだ。チェ・ヨンはそう考えた。
抱き寄せたりしたら、我に返って暴れ出し、己の腕から抜け出そうとするかもしれない。
攫(さら)った奴の腕から逃げ出す。至極当然のことだ。頭ではわかっているのに、心は無意識にそれを拒む。
女人を抱き寄せたあと、チェ・ヨンは女人の身動きを封じ込めるために左腕にぐっと力を込めた。

次の瞬間、チェ・ヨンの身体の緊張が緩む。
女人は、抗うどころかチェ・ヨンの胸の中にその身を埋めるようにして身体を預けてきたのだ。
驚いて目を開けたチェ・ヨンは、光の渦に目が眩む。
女人は己の胸の中深くにいた。
そのことだけを確かめると、チェ・ヨンは再びゆっくりと目を閉じた。
と、チェ・ヨンの唇に何かが触れた。
風に煽られた女人の柔らかい髪が、唇を撫でて過ぎ去ったのだ。
再び触れた髪は、今度は鼻をくすぐって過ぎる。
花の香りがした。

懐かしい。
その思いが胸に溢れる。
けれど、その花の香りをどこで嗅いだのか。
そのことは欠落していて思い出せなかった。
下を向いたチェ・ヨンは、不埒な衝動に掻き立てられるまま、女人の頭に頬を寄せる。

王命。
生きる名分。
それらは、今チェ・ヨンの中にはない。

あるのは女人と、その香りのみ。
満ち足りた笑みを浮かべていることにチェ・ヨンは気づかない。

吹き荒んでいた風の勢いが衰え始める。
下界が近いのかもしれない。
脳裏によぎったその思いが、左の腕に力を込めさせる。

『頼む』
心の中で呟く。

『何を頼むのか』
チェ・ヨンは、それを敢えて己に問うたりはしなかった。

<おわり>

どうぞよいお年を

皆様にとって素晴らしい年になりますように・・・
スポンサーサイト
こんばんは♪

これはお話でも、なんでもなく・・・
私のメモです!(キッパリ)

書いておかないと忘れる。
これ、鉄則ですが、その書いた紙を最近よく紛失するのです。笑い泣き
なもんで、思いたったときにアップしておこうと思った次第。
(いくらなんでもアップした記憶ぐらいは残っている・・はず)

<今後やりたいこと>
①紅楼夢番外を書き上げる。 
  ⇒年内に最後まで書き上げたいやと? ま、がんばれよ

②ムカデエトセトラを書き上げる。
  ⇒せやな。これホンマは最優先のはずやろ。
    な?
    (あ、逃げよったな。おりーぶの奴)

③やり残した分を書き上げる。
  ⇒なんやねん、このほわ~んとした書き方は。
   さぷらいずにしたい?
   ま、なんか知らんけど期待せんと待っとくわ。
   番外書き終わったら書くやて?
   はぁ~ いつになるこっちゃ

④50問50答の続きをアップする。
  ⇒はよ、やらんかい。
    年内にもうちょっと進めろよ。

⑤台本の翻訳をがんばる。
  ⇒出たで。「がんばる」
    どんくらいがんばるつもりなんや。
    無理のないペース?
    せやから、それはどんぐらいなんやて聞いてるんや。
    あ、また逃げよった。

⑥小説の翻訳を見直す。
  ⇒小説と読み比べながら自分の翻訳見直すやて?
    なんや、墓穴掘るつもりかいな。
    物好きやなぁ。
    ま、落ち込まん程度にな。

⑦ジャクギと麗の感想を書く。
  ⇒このドラマ、春ごろに見たやつやろ?
   今頃感想書くってか~
   ま、今年中に書けたらええほうやな。

⑧○○を翻訳してみる。
  ⇒ワォ! 出たで。「物好き」
   これ、誰が読むねん?
   一人だけ心当たりある?
   それに自分が知りたいって?
   さよか。
   ま、好きにしたらよろし。

以上、読み捨て御免!な記事でした~
この前何となくぼんやりと「マツコの知らない世界」を見ておりました。
(ホットケーキミックスの世界)
マツコさんはホットケーキが子供の頃の心象風景にあると言っていた(気がする)。

私の心象風景にも忘れられないホットケーキがある。

小学校の三年生か四年生ぐらいだったと思う。
学校から帰って遊ぶ近所の友達。
一人は隣の家の同級生の女の子で、もう一人は二軒隣の二つ年下のA子ちゃんという女の子。
母親はこのA子ちゃんと遊ぶのを嫌がった。
「年上の子と遊びなさい」と言われても、年上の子を遊びに誘うのはハードルが高い。
どうしてもこの三人で遊ぶ機会が多かった。

A子ちゃんの家はでかかった。
それもそのはず、その子の家は昔で言うところの庄屋だった。
でっかい母屋の裏端に倉、離れ、納屋などがL字型に建っていて、その中庭でよく遊んだ。
母がその女の子と遊んで欲しくない理由。
「こっちは小作人の家系なので、気軽に遊んで欲しくない。めっちゃ気ぃ使うやん。」
それが当時の母の心境だったようだ。
家の大きさの違いでそういう雰囲気を掴み取れない。
当時の私は察しがよくなかった(笑) 

その庄屋には井戸があった。
井戸は畑と台所で使うため、台所にほど近い建物の軒下にあった。

いつものように三人で中庭で遊んでいた。
追いかけっこをしていて、A子ちゃんが笹の枝を持って追いかけてきた。
私と同級生はその子にばかり注意をとられ、きゃあきゃあ言って後ずさった。
A子ちゃんが枝を前に突き出して、同級生がそれをよけようとして後ろに下がった。
同級生の後ろに立っていた私も後ろへ下がった。
でも、ふくらはぎが何かに当たってそれ以上下がれなかった。
友達が下がってきた勢いで上半身は後ろへのけぞり、そのまま後ろへこけた。

後ろへこけた。
そう思ったけど、地面に尻餅をつくこともなく、自分の両手はなんか縁を掴んでいた。
見れば両足首も縁に引っ掛かっている。
顔が引きつった。

私、今どうなってる?
・・・井戸の上に、仰向けで大の字になってるんや!
さっきふくらはぎに当たったのは井戸の枠だったということが、そのときになって
ようやくわかった。

自分が置かれている状況が判った途端に怖くなって、私は引きつった顔で友達を見た。
すぐにA子ちゃんが「おかあさん!」と叫んで家に入っていき、A子ちゃんのお母さんが
母屋から慌てて出てきて、手を引っ張って助けてくれた。

助けてもらってから井戸の中をチラッと覗いた。井戸の深さは相当なもので、釣瓶は
暗くてよく見えなかった。

動揺している私たちに、A子ちゃんのお母さんはホットケーキを焼いてくれた。
その家でおやつを出してもらったのはそのときだけだった。
怖い思いをしたから、きっといろいろ気を遣ってくれたのだと思う。

数日後、性懲りもなくまた家に遊びに行ったら、転落防止策として井戸の上に
すのこのような板が渡してあった。
何だか申し訳なさでいっぱいになり、それ以来庄屋さんの家からは足が遠のきました。

子供の頃ホットケーキは家でもよく作ってもらったし、自分で焼いたりもして食べていた。
数えきれないほどホットケーキを食べたはずなのに、「昔ホットケーキよく食べたなぁ」と
思い出すとき、A子ちゃんちで食べたホットケーキの思い出が必ず一番に記憶の引き出しから
転がり出てくる。
おいしかったという記憶ではなく、井戸に落ちかけた強烈な記憶がホットケーキとセットで
出てくる。

以上、ホットケーキにまつわる心象風景のつぶやきでした。
「ソルソン」
「はい」
「ケギョンでの暮らしは慣れましたか?」
「はい。お陰様で」
「そう。それは良かった」
イェリムは柔和な笑顔をソルソンに向けた。
「いろいろとお骨折り頂き、有り難うございます」
「いいえ。貴女がいてくれて良かったわ。熱心に呼んで頂けるのは喜ばしいことだけれど、
カマ(駕籠)に長い間乗ると、どうしても身体のあちこちに痛みが残って取れないのよ。
かといって、無下に断ると門が立つような方々も中にはいらっしゃることだし。貴女が
名代(みょうだい)で稽古に行ってくれるようになって、本当に助かっているのよ。身体の
節々の痛みも随分軽くなったわ」
イェリムは、ケギョンでは著名なカヤグムの奏者で、数年前までカンファドに住んでいた。
ソルソンは彼女を師匠としてその教えを受け、とりわけ熱心に学んだ愛弟子だった。
ソルソンが渦中に身を置いていたとき、イェリムは手を貸して欲しいと文を寄越してくれた。
当初、しばらくカンファドを離れることを決めたソルソンは、ミヨンの叔母の家に身を寄せる
つもりだったが、そちらで近々慶事があることを知って、二の足を踏んでいた。イェリムからの
文は、ソルソンにとっても渡りに舟だった。

朝から晩までカヤグムのことだけを考えて暮らす。そんな日々の中で、ソルソンには新しい
交流が生まれていた。
ユン・ヘジョン。
彼女の師匠はイェリムと肩を並べる著名なカヤグムの奏者で、ヘジョンはその一番弟子だった。
たまにしか会わない仲で、しかも性格は正反対なのに、二人は意気投合して互いの演奏を聴いて
は忌憚のない意見を交わして腕を磨いた。
ヘジョンは、ソルソンが時折見せる表情が気になっていた。それは決まってソンアク(松嶽)山を
眺めているときに見せる表情だった。ソルソンが夫を亡くしていることは、ヘジョンも知っていた。
それでヘジョンは、彼女が亡き夫君のことを思っているのだと当初は考えていた。
「亡くなったご主人のことを考えているの?」
そう尋ねたことがある。けれど、そのときのソルソンは、全く別の表情を見せた。哀切と懊悩。
喩えて言うならば、そんな色だった。ヘジョンが夫君のことを尋ねたのは、それきりになった。
けれど、ソンアク山を見つめているソルソンからは、少なくとも懊悩の色は感じられない。
「ソンアク山が好きなの?」
山並みを眺めるソルソンの横に立ち、ヘジョンが問うと、ソルソンは小さく微笑んだ。
「ええ」
「私には、見慣れた山だわ。どこが好きなの?」
ケギョンで生まれ育ったヘジョンにとって、それは当たり前の風景の一つだった。
「松の木々の姿が美しいわ。荒々しく厳しい岩だらけの地面に根を張り、風にその幹を曲げられ
ようとも真っ直ぐに立とうとするその姿に引きつけられるの」
山並みに視線を向けたまま、ソルソンはそう言った。ヘジョンは心が躍った。当たり前の風景だが、
ヘジョンが大事に思う故郷の風景を、友が美しいと言ってくれたことが嬉しかった。
「ソンアク山の山並みは、遠くから見ると身重の女性が横たわる姿に似ているとも言われているのよ」
「そんな風に見えるわ」
ソルソンは、その話を知っていたようだ。しばらく黙って眺めていたヘジョンがおもむろに尋ねる。
「お母様に会いたい?」
望郷、或いは人恋しさを、ヘジョンはソルソンの瞳から読み取った。
「・・・そうね」
「カンファドは遠いものね」
ソルソンを慮ったヘジョンの言葉に、ソルソンは曖昧な笑みを浮かべた。

母は私を身ごもったとき、どう思ったのだろう。

ケギョンの山並みを見つめるうちに、そんなことを考えている自分に気づいた。
間もなく、ソンド(松都 ケギョンの別名)で暮らし始めて三月を迎えるころのことだった。

<つづく>

「紅楼夢」で出たヨンスの母が登場。
(久しぶりすぎて、名前違っていたらごめんなさい)

≪このお話の主な登場人物≫
 ★マークは「信義」のドラマか小説に登場していたキャラ
 〇マークは私が設定したキャラ

○ソルソン(雪松)
「紅楼夢」では、妓楼ソガン亭の主メヒャン(梅香)として登場。
 カンファドの宿屋を営む夫婦の一人娘。
 八歳でサンホと婚姻した。

○サンホ
 ホンサム(紅参:高麗人参)を取り扱う問屋の長男。
 十二歳でソルソンを娶る。

○ミヨン
 ソルソンの母。

○タンジ
 ソルソンの父。
 カンファドで宿屋をいくつか営んでいる。

★マンボ
 表向きは「マンボの薬売り」。裏の顔は、ケギョンの情報を掌握しているという
 噂の手裏房(スリバン)の頭目。

★コンジャ(→名前は私が勝手につけています)
 マンボの妹。
 兄の右腕としてスリバンを支える。

★コサ(白い人)→名前だけは台本に載っていた。
 スリバンの一味。
 幼少の頃からスリバンに属していた(という私が考えた設定)

★ムン・チフ

○ヘジョン
 ソルソンの友。カヤグムの奏者。
 「紅楼夢」に登場するヨンスの母。
チフは、ソルソンがケギョンにいる経緯を聞いて言葉を失くした。

マンボは、毎年カンファドへ渡り、妹ソルソンの消息を知らせてくれていた。
数日前、一年振りにマンボがカンファドへ行くと、ソルソンの姿がなかった。急いで周辺に聞き込んだマン
ボは、ソルソンがケギョンに行ったことを突き止めると、すぐに碧瀾渡(ピョンナンド)行きの船に乗り込
んで、渡って来たばかりの海を再び取って返した。船が港に着くと今度は一目散にケギョンを目指し、訪ね
た先でようやくソルソンを探し当てた。

昨年の秋、ソルソンの夫サンホが落雷により非業の死を遂げた。衝撃を受けた姑は次第に心を病んでいった。
雷が落ちた場所には、サンホ以外にも何人か立っていたが、皆身体の痺れや軽い火傷などで済んでおり、
サンホだけが命を落とすこととなった。
なぜサンホだけが死んだのか。姑は、その理由を追い求め、執着した。
そんな折、姑は一人の女と出会う。姑が「先生」と呼んだその女は、貰い子のソルソンを娶ったが故にサンホは
天誅(てんちゅう)を下されたのだと告げた。喪失の淵に共に立ち、苦しみを分かち合っているソルソンこそが
根源だったと知った姑は激昂し、ソルソンとその両親であるタンジたちを一方的に責めたてて、騒ぎを起こした。
曰(いわ)くつきの女。
ソルソンを貶める噂は一気に広まり、耐えかねたソルソンはカンファドを離れ、知己を頼ってケギョンへと
出てきた。

話を聞き終えたチフはその場を後にした。
狭い路地を何度か曲がりながら歩を進める。その歩みは常よりも大きな歩幅で、身の内から荒ぶる気が、考
えるよりも先に、脚を前へと運ばせる。路地がもう少し広ければ、チフはとっくに走り出していただろう。
が、あと数歩で大通りへ出るという地点で、勢いに乗ったはずのチフの足が唐突に止まった。
そして、打って変わってゆっくりとした足取りで大通りまで出ると、左右に分かれた通りのうち、右手の通
りへと目をやった。その道を行けば、ソルソンが身を寄せているというカヤグムの指導者イェリムの家があった。
チフは俯いたまま、沓の先を左の方向に向けると、ようやっと一歩踏み出した。そうして歩き始めると、歩幅を
大きめに取りながら足を運ぶ。
だが、辻をいくらも行かぬうちに、その歩みは鈍くなった。

ソルソンのことを思わずにはいられなかった。夫との夫婦仲は大層睦まじいと聞いていただけに、その喪失
の大きさは、想像するに難(かた)くない。慣れぬ地で暮らすことになった経緯もまた憂うべきもので、此の地で
暮らすソルソンのことが気がかりだった。

だが・・・
「あの娘の幸せを願うなら、会わぬことだ」
亡き父のその言葉は、チフの脳裏に強く焼き付いていた。

父と己は、捨てられた妹を見つけた。
けれど、連れて帰ることはしなかった。
己もまた、父の言葉が正しいのだと、そのときに悟った。

その言葉は、長らくチフの重い足枷となり、カンファドへ足が向くことはなかった。
だが、今日だけはその足枷が、無いに等しい程軽く思えた。

「ヒョン」
マンボが呼ぶ声がすぐ傍で聞こえ、チフは物思いから覚める。師弟のほうに視線を向けると、気遣わしげな
目とぶつかる。
「どうした?」
一定の距離を保ちながらマンボ兄妹がついて来ていることはわかっていた。チフの問いかけに、マンボは声
を潜めてあごをしゃくる。
「ソルソンが、こっちへ歩いてくる」
反射的に前を見る。通りを歩いている女は数人。子供連れが一人、もう一人の若い女は夫婦だった。チフが
目を走らせたその先に、ソルソンと思しき若い女が歩いていた。
チフは身体が凍りついたように動けなくなった。
目が逸らせない。
すらりとした首筋、整った顔立ちに母の面影を探してみたが、妹と母がうまく重ならない。

ソルソンは凝視するチフに一瞥もくれることなく、その傍を通り過ぎた。

チフは振り返り、妹の後ろ姿を見つめた。
その姿が、雑踏の中に消えていくまで。

ソルソン。
チフと同じ日に生を受けた妹との、十数年振りの再会だった。

<つづく>

二か月以上ぶりに更新(-_-;)
設定忘れすぎて、思い出すのに四苦八苦でした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。