二次_紅楼夢番外

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タンジとミヨン。
二人には長らく子が出来なかった。

タンジは、「子はそのうちできるものだ」と楽天的に構えていたのだが、
ミヨンのほうは切実だった。子が出来ないことで悩むあまり、塞ぎがちに
なることもしばしばだった。
そんな折、ケギョンに住むミヨンの従兄弟から「母が会いたがっている」と、
文が届いた。叔母には息子しかおらず、姪のミヨンを殊の外可愛がってくれて
いたが、タンジと一緒になってカンファドに移り住んでからは縁遠くなっていた。
少し前に、季節の変わり目で体調を崩したことがあり、今はよくなっているのだが、
気弱になっているという。
夫婦そろって早速会いに出かけると、叔母は大層喜んでくれた。従兄弟の厚意に
甘えて数日滞在したあと、朝早くに叔母の家から出立した。
歩き出して間もなく、近くに寺があることに気づいたミヨンが、折角だから無事に
帰路に着けるようにお詣りしようと夫を誘うと、タンジは二つ返事で頷いた。
松の木が立ち並ぶ参道を歩いていき、寺の門をくぐったそのとき、ミヨンがはたと止まった。
「ねえ、何か聞こえなかった?」
問われてタンジが歩みを止める。何も聞こえない。頭を振ろうとしたそのとき、鳴き声が
聞こえた。しばらく顔を見合わせる。
「猫・・・だよな?」
赤ん坊の声に似た鳴き声に、タンジは妻に問うた。辺りを見回したが、人の気配はない。
「ねえ、あそこ・・・」
やがてミヨンが気づいて指し示す。門をくぐった際には気づかなかったが、柱の陰に籠が
一つ置かれており、その中から声がしていた。
覗き込んだ二人は声を失う。
籠の中には、白い布でくるまれた赤ん坊がいた。
『・・・なんて小さい』
ミヨンは何も考えずに膝をつくと、か細い声で泣く赤ん坊をおずおずと抱き上げて胸に抱いた。
「お、おい。捨て子なのか?」
タンジの慌てた声は、ミヨンの耳には入っていない。
『・・・軽い』
赤ん坊を抱くのは初めてではないが、この子はとても軽かった。生まれたばかりの子、或いは
月足らずで生まれてきたのかもしれない。
「あなた、お坊様に早く知らせてきて」
とにかく誰かに知らせないと。泣き声の弱さに不安を覚え、自分の声が上擦っていることにも
ミヨンは気づかない。
「待ってろ!」
答えるなり、タンジが本堂へ駆けていく。
その場に残されたミヨンは、赤ん坊をあやすようにそっと揺すぶってみる。けれども、一向に
泣き止む様子はなかった。夫がいなくなり、何だか心細くなってしまったミヨンは辺りを見回す。
誰かに見られているような気がして、きょろきょろと視線を巡らせる。
カサリ。
胸元で音がした。ミヨンは慎重な手つきで赤ん坊のおくるみに手を入れてみる。すると、二つ折り
にされた小さな紙があった。片手で紙を開くと、「雪松」という文字が目に入った。女性の筆による
字のようだが、それ以外は何も書いていない。
「ソル(雪)・・・ソン(松)」
呟いてから気づく。赤ん坊はいつの間にか泣きやんでいた。
「赤ちゃん。貴女はソルソンっていう名前なの?」
「ソルソン」
ミヨンが優しくその名を呼ぶと、応えるように赤ん坊が拳を振り回した。
「さあ、行きましょう」
ソルソンの愛らしい様子にいくらか落ち着きを取り戻したミヨンは、タンジが
駆けていったほうへとソルソンを抱いて歩き出した。

その日から、ソルソンはタンジとミヨンの子になった。

<つづく>


≪このお話の主な登場人物≫
 ★マークは「信義」のドラマか小説に登場していたキャラ
 〇マークは私が設定したキャラ

○ソルソン(雪松)
「紅楼夢」では、妓楼ソガン亭の主メヒャン(梅香)として登場。
 カンファドの宿屋を営む夫婦の一人娘。
 八歳でサンホと婚姻した。

○サンホ
 ホンサム(紅参:高麗人参)を取り扱う問屋の長男。
 十二歳でソルソンを娶る。

○ミヨン
 ソルソンの母。

○タンジ
 ソルソンの父。
 カンファドで宿屋をいくつか営んでいる。
目を覚ますと見慣れた景色が目に飛び込む。自室の寝台にいるのだとソルソンは
わかった。視線を巡らせると、心配そうな表情でこちらを覗き込む母の姿が視界に入った。
何か言おうとして、頭の痛みに気づく。どうして痛むのか・・・
『ああ、そうだ』
気を失って倒れたときに、恐らく頭を打ちつけたのだろう。
思い至ったと同時に、ソルソンは布団の縁をぎゅっと掴んだ。寝台に横たわっているのに、
身体は寒さで震えていた。暗くて深い淵にズルズルと引きずりこまれていく。
そんな感覚に囚われる。
「助けて」と声をあげようとしても、寒さで声が出ない。
と、布団を握りしめている手の上から、母がそっと手を重ねてくれた。
「・・・かあさま」
子供の頃、怖い夢を見たときのように母を呼んでみた。すると、母は、
「ソルソン。私の娘」
と、優しい声で名を呼んでくれた。母がもう片方の手で何度も髪を撫でてくれる。
その手から温もりが伝わり、次第に身体の感覚が戻ってくる。布団に包まれている
身体が、じんわりと温かい。
ソルソンは布団の縁から手を離すと、両手で母の手をぎゅっと掴んだ。

<つづく>
今回はちょっと短めになりました (^_^;)
続きを書いてきまーす。

≪このお話の主な登場人物≫
 ★マークは「信義」のドラマか小説に登場していたキャラ
 〇マークは私が設定したキャラ

○ソルソン(雪松)
「紅楼夢」では、妓楼ソガン亭の主メヒャン(梅香)として登場。
 カンファドの宿屋を営む夫婦の一人娘。
 八歳でサンホと婚姻した。

○サンホ
 ホンサム(紅参:高麗人参)を取り扱う問屋の長男。
 十二歳でソルソンを娶る。

○ミヨン
 ソルソンの母。

○タンジ
 ソルソンの父。
 カンファドで宿屋をいくつか営んでいる。
秋の実りに湧いた人々の熱気も冷めて、そろそろ冬の支度に取りかかろうとした頃に、
それは起こった。
サンホが不慮の死を遂げたのだ。

その日、サンホは高麗山の麓に広がるホンサムの畑へ朝早くから出かけていた。ホン
サムの収穫が始まり、今年の出来を仕入れ先まで出向いて確かめるためだった。
頭上には雲が広がりつつあったものの、雨が降り出す気配はなく、所々に青天も見えていた。
それなのに、雷鳴が遠くで聞こえたかと思うと、突然どーんという大きな音がしてすぐ
近くで稲妻が走り、音がしたほうを見ると丘の上の木から煙が上がっていた。あっという
間の出来事だったと、居合わせた者たちは口々にそう語った。
雷が落ちたとき、サンホは畑の様子がよく見える小高い丘の木の傍に立っており、雷は
何の前触れもなくその木に落ちた。
一報がク家にもたらされたとき、ソルソンを始め、ク家の人々は皆その話を信じなかった。
家の前に広がる空はどこまでも青く澄みきっており、雷が落ちてサンホが死んだという
その報せは、荒唐無稽な話としか思えなかった。
けれど、その日サンホは戻って来なかった。
「行ってくるよ」
笑顔を浮かべ、自分の足で出かけって行ったサンホは、翌日の朝変わり果てた姿で
荷車に横たえられて帰宅した。

ソルソンは夫の突然の死に、毎日泣き暮らした。感情が昂ぶって眠ることなく、食べ物も
ろくに喉を通らない日々が続いた。
「このままではソルソンも・・・」
心配した周囲は、ソルソンをひとまず実家で静養させることにした。

ミヨンは、娘ソルソンの傍を離れなかった。娘は亡くなった婿の後を追って行きそうで
目を離せなかった。娘を叱咤し、慰め、共に泣き、見守った。
タンジは、妻と娘を見守ることしかできなかった。ソルソンが少しでも食事を摂れば、
大仰に褒めた。食べてくれることが、ただただ嬉しかった。
両親の慈しみの中で、ソルソンはサンホを喪った哀しみをゆっくりと癒していった。

サンホの死から間もなく二か月が経とうとした或る日、サンホの母が突然ソルソンの
実家を訪ねてきた。巫女らしき身なりの中年の女性を伴ったその様子に、ただならぬ
ものを感じ取ったソルソンの両親は、先ずは娘を呼ばずに二人で対応することにした。
サンホの母は部屋に通されるなり、興奮して立ち上がると、
「あんたたちのせいで息子のサンホは死んだのよっ!」
と、タンジとミヨンを指差して言い放った。
「落ち着いて下さい。一体全体どういうことですか?」
出し抜けにそんなことを言われても当惑するばかりだった。
それよりも二人は、サンホの母の態度の変貌ぶりに仰天していた。息子の突然の死に、
ソルソンと同じように魂が抜けたようだった様子から一転して、血走った目でギョロリと
睨むその様は、何かに憑りつかれているようにも見えた。
「あんたたちの娘よ!」
宥めようとする態度が、サンホの母には気に障ったようで余計に興奮し始めた。
「あの子、貰い子なんでしょ!?どうして黙ってたのよっ!」
ギョッとして絶句する夫婦の顔色を見て、サンホの母は胸がスッとしたのか、勝ち誇った
ような笑みを浮かべてみせた。
「やっぱり。そうだったのね」
「な、何をいきなり・・・」
「こちらの先生に、サンホとソルソンの相性を見て頂いのよ。うちのサンホがあんな風に
命を落とすなんて、絶対におかしいと思ったのよ。ねえ、先生」
水をむけられた「先生」と呼ばれる中年女が、鋭い目つきでソルソンの両親を見つめる。
「こちらの子息は、貰い子を娶ったことで災厄を招いた。故に天罰が下り、雷に打たれて
命を落としたのだ」
女と対峙したタンジは震えた。まるで心の中までも見通すような目つきに身体が凍りついた。
ミヨンもそれは同じだったが、娘のために動揺を素早く押し隠して虚勢を張った。
「変な言いがかりは止して下さい。あの子は正真正銘私たちの子です」
胸をグッと突き出してミヨンは断言する。
『そうだ。あの子は私たちが育てた娘だ。誰が何と言おうと私たちの娘なのだ』
「貴女、ケギョンであの子を産んだそうじゃない。出産して半年ほどしてからカンファドに
戻ってきたんですって?」
「・・・どこでそれを?」
身の周りを調べられていることを知って、探るような質問を返す。
『この人たち、どこまで知っているのか』
「あの娘は、貴人の相だ。それもかなり高い身分・・・恐らくは王族に連なる者。そして、
その娘は、婚姻を結ぶことが許されない宿命に生まれている。それなのに、婚姻を結ん
だ故、子息は命を落とした」
「やめて!!」
たまらず、ミヨンが大声を張り上げた。すると、どさっと何か鈍い音がした。戸口を見ると、
少しだけ扉が開いていて、そこにソルソンがへたり込んでいた。
「ソ、ソルソン、あなたどうしてここに?」
「お義母様の声が聞こえたような気がして・・・」
慌てる母の声に、ソルソンは呟くように答える。

あとのことはよく憶えていない。
上体が傾いで、目の前は真っ暗になった。
それなのにどうしてか、「先生」という女性の声だけが続けた言葉だけが、明瞭に聞こえた。
「お前・・・・・・・生まれた。故に、死・・・・・・・てはならぬ」

<続く>

途中まで書いていた内容を全部消してやり直しました。
姑にいびられる設定でしたが・・・なんか筆が進まず(-_-;)

≪このお話の主な登場人物≫
 ★マークは「信義」のドラマか小説に登場していたキャラ
 〇マークは私が設定したキャラ

○ソルソン(雪松)
「紅楼夢」では、妓楼ソガン亭の主メヒャン(梅香)として登場。
 カンファドの宿屋を営む夫婦の一人娘。
 八歳でサンホと婚姻した。

○サンホ
 ホンサム(紅参:高麗人参)を取り扱う問屋の長男。
 十二歳でソルソンを娶る。

○ミヨン
 ソルソンの母。

○タンジ
 ソルソンの父。
 カンファドで宿屋をいくつか営んでいる。
ソルソンはカンファド(江華島)で生まれ育った。ケギョンへ遷都されてから三十年余り
経っていたが、都だった栄華の残りはそこかしこに残っていた。両親は、旅の客相手の
宿をいくつか営んでいたせいで、暮らしに困ることはなく、遅くに生まれた一人娘のソル
ソンを大層可愛がった。
ソルソンが八つになったばかりの頃、ク家から縁談が持ち込まれた。「まだ早い」。両親は
初めそう思った。けれど、ソルソンが年頃になるまで手元に置いておけるかと言えば、
それは難しかった。
「嫁に出す好機を逸して、娘が貢女の候補にでも選ばれたら・・・」
考えただけで両親は怖気がした。
ク家は、カンファドの名産であるホンサム(高麗人参)を取り扱う問屋を営んでいて、
婚家はそう遠くない。店の評判も上々で、主とその妻も人柄は良さそうだった。相手は
ク家の長男サンホ。ソルソンよりも四つ年上だった。両親がサンホと会ってみたところ、
礼儀正しい利発そうな若者で印象は悪くはなかった。
考えた末に、ソルソンの両親はこの縁談を受けた。当のソルソンに「否」という理由はない。
婚姻は親がしかるべきときに、しかるべき相手を見つけてくれる。子供はそれに従うだけ
という考えが世間の大方で、ソルソンもそう思っていた。

婚家のク家の舅と姑は、若い嫁を娘のように可愛がった。三才のころから弾いていたという
嫁のカヤグムの卓越した腕前をとても喜んでくれて、今後も精進するよう薦めてくれた。
「いつだったか、お前の家の近くを通りかかった際に、この子が立ち止まって動かないのよ。
お前のカヤグムの音色にすっかり心を奪われちゃって」
その話を出されたサンホは母親をひと睨みしたあと視線を伏せる。ソルソンはそんなサンホを
息を止めて見つめていた。
父よりも細い首筋。髭のない、尖った顎の線を辿った先の耳朶は真っ赤になっていた。それを
目にしたソルソンは、自分の頬もたちまち赤くなっていくのを止められなかった。

ままごとの延長のように始まった二人の暮らしは、醤(ジャン)が長い年月をかけて熟成されるように、
カンファドの海風とその大地に抱かれて、やがて本物の夫婦となっていく。

十年後。
ソルソンは十八、サンホは二十二になった。
なかなか子が授からないことを悩むのは専らソルソンのほうで、そんなときサンホは、
「授かりものだ。お前もご両親の元からのんびりと生まれてきたではないか」
と言って冗談めかして慰めた。
そんなサンホの優しさがただただ有り難く、その胸に抱かれていれば何も怖いことはなかった。

幸せの酔いは果てしなく、どこまでもソルソンを満たす。

この幸福な日々はずっと続くものだと、そのときのソルソンは固く信じていた。

<つづく>
今回もちょっとコメ欄は閉じておきます。→私のうっかりネタバレ防止措置。
(もし、感想を頂けるのであればメッセでお願いします♪)

もう一つ記事(お話じゃなくて最近の私事をちょこっと書くつもりです)を
週末にアップ予定です。

今日こそはアベマTVで「信義」が見れますように(^_^;)
(先週子供と一緒に布団に入り、寝たふりをするつもりが本当に寝ちゃった)
その日。
祝いに駆けつけた人垣の中に、あの人は居た。

輿に乗り込もうとした際に、ふと視線を感じて顔を上げた。輿をぐるりと取り囲むように集まった
親類の中で、一人の少年と目が合う。
真っ直ぐこちらを見つめるその瞳は物言いたげで、けれど唇はぎゅっと結ばれていた。その少年の
肩に手が置かれ、少年は隣に視線を移す。追いかけるようにそちらを見た。彼とよく似た大人の
男性が立っており、少年に何か言葉をかけていた。
『二人は父子なのだろうか』
二人は、同じ色の風防けを身に着けていた。
父親らしき人物に促された様子の少年は、背を向けたかと思うと一瞬だけ振り返って、人垣の
向こうに消えていった。

新郎のサンホが待つク家に向かう輿に揺られながら、しばらくその少年のことが頭から離れなかった。

<つづく>
出た・・・
見切り発車(-_-;)
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