ドレミファソラシド【小説版】

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一ヵ月後。
同じ大学に通っているユナが、三対三の合コンに誘うのに、彼氏がいるからと断るジョンウォン。
そんな話聞いてない!誰よ!?と大騒ぎするユナに「ウンギュ」と答えてさっさと家に帰ろうとする
ジョンウォンを捕まえてもっと詳しく話を聞こうとしたユナですが、逃げられちゃった。

家の近所まで戻ってきたところでワァワァ言ってる子供たちを横目に通り過ぎようとしたんだけど、
子供たちが追いかけてるのがウンギュで。
「ヤカン泥棒捕まえろ!まて~っ ヤカンドロボー」
「ウンギュ?!」
長い脚をフルに生かして路地のほうへと走っているウンギュの手にはヤカンが。
ジョンウォンはウンギュを追いかけている子供たちをあわてて追いかけて集団の中で親分みたいな
子供を捕まえて話を聞きますが・・・
「この前はイェスルの人形でした!イェスルはご飯も食べられないほど泣いたんですよ!」
「なんであたしたちの家の近所で遊ぶのよ?あんたたちの家の近所で遊んでよっ」
「僕たちの家の近所で遊んでたら、あのお兄さんが追いかけてきたんですっ!」
「奪られたくないなら奪られないようにちゃんと持ってなさいよっ」
「あのお兄さんのせいで僕たち遊べないです!」
ウンギュに遊びを邪魔されてうっぷんがたまってた子供たちはジョンウォンに不満を爆発させて、
ついに泣き出しちゃってあわてるジョンウォン。

で、子供たちから逃げるように今度はウンギュを追いかけて。
いくつかの路地を走り回って壁に寄りかかって座り、ヤカンを撫でてるウンギュをやっと発見。
「ハァ、ハァ・・・ウンギュ・・・ハァハァ・・・ここでなにやってるの?」
「トンデギリギリ、トンデギリギリ、トンデギリギリ、トンデクマン!!」
「・・・ウンギュ、家に帰ろう、ね?」
「ここはエジプトだ。お前はシャララ姫か?」
「ヤカンをこっちにちょうだい」
「トンデクマンを奪るな!!」
ジョンウォンは何とかウンギュからヤカンを奪おうとしたけど20分ほど格闘したところで力尽きて
諦めちゃった。もうめんどくさくなっちゃってウンギュに合わせようとして。
「そうです。私はシャララ姫です。さあ早く私たちの家に帰りましょう」
「お前はシャララ姫じゃない」
「そんな、私はシャララ姫ですってば。王子、早く家へ帰りましょう」
「シャララ姫はお前みたいにブスじゃない」
『耐えるのよ、ジョンウォン。ウンギュは病気なんだから』
と思いつつブルブルと怒りで震える手をポケットに隠して、
「その通りです。私は姫じゃありません。だから姫様が待つ家へ帰りましょう」
押し殺した声で調子を合わせたジョンウォン。
「お前はアブドラだ」
『アブドラ??どっかで聞いたような・・・いい気はしないけどどうでもいいアブドラで』
「その通りです。私はアブドラです。姫様が探していますから私たちの家に帰りましょう」
そこで初めてジョンウォンを見上げてじっと見つめるウンギュ。
ヤカンを話して手をはたいてその場から立ち上がるウンギュにドキドキするジョンウォン。
「アブドラ、オレの影を踏むな」
「はい、はい。仰せの通りに」
ニコッと笑って歩き始めたウンギュの後ろ姿を見つめて・・・

ソウルに戻ってきたウンギュは見違えるほど(有り余るほど)元気を取り戻した。
再開を果たしたすぐあとでジョンウォンはウンギュの両親を説得(半ば涙で脅迫)して、何とか
ウンギュをソウルに戻してもらうことに成功して。
だけど一ヶ月前は自分のこともププもチェガンもナリもヒウォンも認識していたのに、最近ではもう
自分の姉(ソヒョンオンニ)と両親しかわからないウンギュ。
時間が経つほどウンギュの精神年齢が低くなっていきつつある状況に焦りを感じるジョンウォン。
「アブドラ」
「うん?」
「アブドラは『うん』じゃなくて、『はい』と答えろ」
『チッ・・・アブドラってどう考えもいい名前じゃない』
「シャララ姫は青い目をしてるんだ。青い髪、青い目、白い顔」
昨日までは長靴を履いた猫を探していたってのに、今日はシャララ姫かと頭が痛いジョンウォン。
(昨日はププが追い掛け回されてウンギュから隠れまくってた)

そこへチェガンがププを抱いて登場。
チェガンはププを病院へ連れていって子供を産ませようと画策。
ププの家族が増えたら弟の憂鬱も吹っ飛ぶだろうと大賛成のジョンウォン。(オンマは大丈夫か?)
(どうやらウンギュ姉と別れてからずっとふさぎ込み気味だったし、笑顔もなかったチェガン)

チェガンを見送って家の前までやっと帰ってきたジョンウォン。
「王子、家に入りましょう」
「オレはこんなみすぼらしい家には入らない。姫を呼んで来い」
「ところで、なんであたしは姫じゃないのよ」
「早く、早く!姫を連れて来い、早く早く!」
「ちょっと!なんであたしにお姫様をさせてくれないのよ?」
と文句を言うジョンウォンを無理やり門の中に押し入れ、外でブツブツ言いながら待つウンギュ。
あいつの性格ならずっとあそこで待ってる気がするんだけど・・・さっさとこの問題を解決したい
ジョンウォンの前になんと天使が~

ジョンウォンのところにナリが訪ねてきてて。
(ナリはウンギュ目当てでジョンウォンの家に頻繁にくるようになった)
「オンニ、今帰ってきたんですか?」
「そうだ!あんたってば青い目だった!!」⇒青いカラコン入れてるナリ
「オッパはどこです?」
と状況がわからないナリに、
「あんた、今からシャララ姫のフリして。わかった?」
「え?」
と言い、ナリを引きずってウンギュのところへ行ったジョンウォン。
「シャララ姫だ!」
門の前に座り込んでたウンギュはスクッと立ち上がって、ナリの手をすぐ握って。
『ウンギュ!あんたって・・・この、このっ!』
「オッパ、どうしたんですか?」
「オレたちはチチピを探しに行くんだ」
「チチピ?それなんですか?」
「忘れたのか?私たちのチチピを?」
チチピって何!?とジョンウォンが追及しようとしたのに、ナリの手をギュッとつかんで
走り出したウンギュ。(ナリは笑顔でウンギュについて行っちゃった)
「ああっ!もうっ!これから何日もあの二人を追いかけなきゃいけない!」
と自分で招いた事態に地団駄踏みながら悔しがるジョンウォンでした~

夜10時になっても帰ってこないウンギュを待ってたジョンウォンの前にフラフラとした人影が
ジョンウォンのほうに向かってきてて。
だけど残念ながらそれはチェガンで・・・
「ププはオスだった・・・」
と肩をガックリと落としてププを抱いて帰ってきたチェガン。
姉弟そろって今日は散々な日で・・・

昨日のことでよく眠れなかったジョンウォンは大幅に寝過ごして午後三時に起きて。
急いでウンギュの家に行ったものの、ウンギュは朝早くナリと出ていったと家族から聞き、すぐに
タクシーをつかまえて追跡を開始したジョンウォン。
意外にもというかヤカンを持ってる男女はすぐに大通りで見つかって、二人に近づくジョンウォン。
「オッパ、そのヤカン捨てない?」⇒何げにパンマル(タメ口で話すナリ)
「ダメだ」
「どうしてダメなの?」
「捨てるのは悪いことだ。ダメだ」
「じゃあ、ここに置いて行こう、ね?」
「それもダメだ!」
「どうして?」
「そんなことしたらトンデクマンは寂しくて泣いてしまう。捨てるのは一番悪いんだ」
困ったところにジョンウォンが来たのでビックリしたナリ。
「オンニ」
「その手を離して」
「・・・」
ためらいつつウンギュの手を離したナリと反対にジョンウォンはウンギュの手を握って捕まえて。
「行こう、ウンギュ」
「チチピを探しに行くんだ。この手を離せ」
「チチピって誰よ!」
「私の姫だ」
「何なの?この子はシャララ姫で、そのチチピは誰なのよっ!?」
ナリを指差して大声出したジョンウォン。
「チチピはこの子じゃない。すごくすごく」
「キレイ?あたしより?」
「お前とは話す時間がない。さあ、トンデクマンをよこせ」
「あたしも一緒に行く。じゃあ、あたしも一緒に探すから」
「お前キラいだ」
嫌いといわれてショックうけてるジョンウォンをよそに、ナリと行こうとするウンギュ。
「ちょっと!ナリ!」
「オッパがオンニのことキラいだし」
「ウンギュはまともな状態じゃないでしょ!」
「私を探してたんですよ。昔はどうだったかわかりませんが今のオッパはこうなんです。それにいま
 オッパが探してるのは私なんです!」
「ウンギュがいつあんたを探したのよ!ちょっとウンギュ、あんたはあたしよりこの子がいいの?」
大げさにため息つくウンギュ。
「早く答えて、誰と行くのよ?」
一方の手で耳を塞いで、もう片方の手でナリの手を握る薄情なウンギュ。
で、仕方なく二人の後ろをトボトボとついていくハメになったジョンウォン。

ナリはウンギュをビアホールに連れていって。
どうやら友だちをウンギュに見せびらかしたかったようで・・・
「どう?私が話したオッパよ、カッコいいでしょ?」
と紹介し、途端にジョンウォンはそばにあった皿をつかんで今にもナリに投げつけそうな勢いで!
「うんうん!写真よりカッコいい!」
と騒ぐナリの友人たちだけど・・・
「チチピどこだ?」
「・・・え?」
「チチピはどこだ?」
「な・・・何ですか?」
戸惑うナリの友人たちを尻目にウンギュはそばにあったお皿をつかんで天井にガチャンとぶつけて
遊びはじめてしまいます。
ナリは友人たちの反応にすごく冷静で、
「オッパは今頭をケガしてるの、だから一般の人とは違うけど驚かないで」
静かになるテーブル。
「そうすると・・・このオッパは・・バカ・・なの?」
「うん、それがどうしたの?かわいいじゃない」
と平気でいうナリとは反対に、ジョンウォンはウンギュをバカ呼ばわりされるのが耐えられなくて。
「じゃあ、オッパはあたしたちが話してることはわかるの?」
「うん、わかってる」
「自分の悪口言われても何の話してるのかわかるの?」
友人の質問にナリが答える前に、ジョンウォンが皿を叩きつけて席から立ち上がります。
「悪口が聞こえるかですって?あんたたちにはウンギュに耳がついてるのが見えない?」
「・・・オンニ」
「ナリ!ウンギュはあたしのよ。昔も今もこれからもずっとよ!
 あたしの許可なしにこんなことしないで!」
そう叫んだジョンウォンはツカツカとウンギュのそばに行き、彼の手を握って
「行こう、ウンギュ」
と声をかけます。(ちなみにウンギュはこの時点で焼酎の小瓶を1本飲み干しちゃってて)
「アブドラ」
「あたしはアブドラじゃなくてユン・ジョンウォンです、王子様」
「私たちのトンデクマン(ヤカン)は?!」
「ここです。だから出て行こう、チチなんとかを探しに行こう」
「ホントに?」
「ええ」
その途端目を輝かせて席を立つウンギュ。(さすがに焼酎を一気飲みして足元がフラつき気味)
「オッパは昔オンニのものだったかも知れませんが、今は違います。過去は過去です。
 我を張ってオッパを縛り付けるのはやめてください。恋愛は一人でするものじゃないです」
「ナリ、あんた愛と片想いを勘違いしてるんじゃ?辞書で『片想い』っていう言葉を調べてみな」
ウンギュを渡さないという意思をみせるナリですが、ジョンウォンの言葉に黙っちゃって。
ナリに勝って満足げなジョンウォンだったけどビアホールにユナたちが入ってきたので慌てた
ジョンウォンは背中にウンギュを隠します。(隠し切れないんだけどね)

ジョンウォンの高校からの友人のユナと大学で友だちになったセナ、ジヨンも一緒で・・・
「あ、ジョンウォン!!ジョンウォンじゃない!?」
「・・・こんなところで会うなんて奇遇だね~ あはは」
「ジョンウォン、あんた急いで帰ったのはこれが原因?」
ユナがジョンウォンの後ろにいるウンギュを見つけて大げさに騒ぎ、
「ウンギュ!久しぶりだね!」
と挨拶するもウンギュは反応ナシでヤカンをいじりまわしてて。
「セナ、この子がジョンウォンの彼。あんた知らない?シン・ウンギュ」
ユナ言葉になぜかセナは不機嫌そうにウンギュを睨んでて。
ジョンウォンはユナたちに言い訳しながら何とかその場を逃げようとしてるのに、ウンギュはヤカン
を頭からかぶって遊んでて。
「・・・ウンギュ、何してるの?」
ウンギュのおかしな行動にユナが当惑してるスキにウンギュを引っ張って逃げたジョンウォン。

外に出て。
「これからナリについていったらあんたのチチピは探さないからね!」
「アブドラのくせに!・・・う~ 頭痛い」
「焼酎なんか飲むからよ!水だと思った?あれはお酒よ!」
頭を抱え込んで外の階段にうずくまって座るウンギュ。
「あんなに飲むから頭が痛くなるのよ!立って、家に帰ろう。さあ」
「チチピはどこへ行ったんだ?」
膝の上に頭をつけてブスッとした表情ですねるウンギュ。
ジョンウォンは唇をギュッと噛んで・・・ため息ついてしまいます。
「チチピはきれい?」
「(うんうん)」
「誰よりも好き?」
「うん、毎日チチピだけ想って、チチピだけ夢に見る。チチピはきれい。だけど見えなくなった」
「女・・・なの?」
「うん」
「チチピもあんたをすごく好きだった?」
「わからない」
途端にポロポロとウンギュの目から涙が落ちる。
お酒のせいで涙もろくなったのかと考えたジョンウォンはなだめようとします。
「ウンギュ、これ見て」
おサイフからペンダント二つを取り出し、自分の手のひらにのせてウンギュの目の前で見せて。
「これ思い出さない?」
「・・・・・・」
「こんにちは、あたしジョンウォン、オレはウンギュ」
と人形劇を始めたジョンウォンに、
「お前バカなのか?」
と深刻そうにジョンウォンの額に手を当てるウンギュ(笑)
「いいから見てて!あたしたちは恋人同士。キスもしたし、プリクラも撮って、コロッケも食べた。
 あたしたちは本当に愛し合ってたんだよ」
ジョンウォンの人形劇をクスクスと笑って眺めていたウンギュだけど、静かに手を伸ばしてきて
ジョンウォン役のペンダントを取り上げて床に下ろして。
「だけどこの子はある日この子から離れてしまった。それで二人の愛は終わってしまいました!」
「ウンギュ!!」
トンデクマン(ヤカン)を持ってゆっくり立ち上がるウンギュに、
「思い出したの?あたしたちのこと、思い出したの?」
ウンギュが自分のことを思いだしてくれたんだと思わず涙が出そうになったジョンウォンはウンギュ
の手を握り締めるんだけど、眉をひそめて彼女の手を振り払うウンギュ。
「チチピを探しに行くのだ。あとでシャララ姫も連れてこい」
「・・・一緒にいくわ、あたしも行くってば」
ウンギュが元に戻ったのかと期待したジョンウォンで・・・久しぶりに真剣な目つきと悲しい声が
胸をしめつけてきて。
地面に置かれたジョンウォン人形を拾ってウンギュのあとをついていくジョンウォン。
ヤカンを頭の上に乗せてきゃっきゃと騒いでるウンギュを見て切なくて・・・

家に帰れば今度はチェガンがものすごいショック受けてて。
病院にププを連れていったところ、オスだから子供は産めないと言われてショックなチェガン。
(っていうか何で今までメスだと思ってたんだろ?わかるよね?)
今までずっと一緒に寝てたのに、裏切られた気分のチェガンはププを部屋から追い出してしまい、
しかたなくジョンウォンがププをベッドに入れて寝ることに。

そして午前2時に電話が鳴って・・・

ふとした時にウンギュの顔が思い出されて、ウンギュの声が聞こえてきて・・・
思い出せば辛くなるだけだから、いつも忙しくして考える隙を与えないようにしていたジョンウォン
だけど、自分を縛り付けていた罪悪感という鎖が解けた喜びを感じて走り続けて。
やっとウンギュに会える、ウンギュに触れることができる、ウンギュのそばで笑っていられる。

で、勢いのとまらないジョンウォンはチェガンの学校に行って、授業を受けているナリのところに
乱入してウンギュの住所を聞き出そうとして拒否されてしまいます。
「オッパの住所をなぜ?」
「どこにいるの?ソウルのどこなの!?」
「オッパになぜ会うんですか?」
「ナリに説明する必要ないでしょ、ウンギュはどこ?」
「私もオンニに教えなきゃいけない理由はないです」
と反抗的な態度で(笑)
じゃあもういいと言ってドラムのオンニのところへ向かおうとしたジョンウォン。
「オッパを困らせるようなことはやめてください。そっとしておいて下さい」
というナリの声を無視!

チェガンの学校を出たところでジョンウォンはずっと持ってたペンダント2つとウンギュにもらった
小さなナイフと千ウォン札をぎゅっと握って・・・
「あたしが会いに行くことはウンギュを困らせることになるって?」
ナリの言ったことなんか話にならないとばかりに笑って、ドラムのソヒョンオンニのところへと
行ったジョンウォン。
ソヒョンオンニはジョンウォンからヒウォンのオンマが戻ってきたことを聞いて、ウンギュに会いに
いけるというジョンウォンの言葉に心から喜んでくれます。
で、ウンギュの家の住所を書いたメモを渡してくれるんだけど・・・住所はスウォンとなってて。
いぶかしんでるジョンウォンにソヒョンオンニが説明してくれます。
「ウンギュはソウルにいないんだよ、ジョンウォン」
「ソウルにいるって言ってたのに・・・」
「あれは全部嘘なんだ。歌手デビューするって言ったことも。
 ジョンウォンに向き合う自信がない、ジョンウォンのすぐ近くにいるのに忘れる自信がないって。
 それで一人でソウルを離れることにしたんだよ。高校も転校して、卒業してからはスウォンの大学
 に入ってた。
 あたしが時々スウォンまで会いに行ってた。あたしにはすごく明るいフリしてるのがわかった。
 何年も一緒にバンドやってたから無理してるのはすぐわかる。笑顔が痛々しくて何も言えなかった」

何にも知らなかった自分がすごく情けない。ソヒョンオンニの話を思い出しながら一人でバスに
乗ってウンギュの暮らすスウォンへと向かうジョンウォン。
見慣れない風景を車窓から眺めながら、
「ウンギュが住んでるところ・・・全てを諦めて離れていったウンギュの家があるところ」
とつぶやくジョンウォン。
バスの座席でペンダントを出して二つを並べて。

『ウンギュとジョンウォンはウンギュが言った通りに、海へ連れて行ったし、一日に20回以上も
 キスさせて、毎日同じふとんで寝るようにして、ずっとずっと一緒にいるようにした。
 これからは一緒に泣いて一緒に笑える、このペンダントのウンギュとジョンウォンのように、
 あたしたちも毎日毎日ピッタリくっついていようね』
と思いにふけるジョンウォン。

ソヒョンオンニに教えてもらった停留所で下りて、ウンギュが住むワンルームマンションの部屋の前
で何度もためらいながら、やっと勇気を振り絞ってチャイムを鳴らしたジョンウォン。
すぐにドアは開き・・・「ウンギュ!」と勢いこんで言ったジョンウォンですが、ドアの隙間から
顔を見せたのはなんと女性。
肩までの黒い髪をぎゅっと後ろで束ねてて、目がすごくキレイな女の人。あたしより背が高いのに
ほっそりしてて・・・
自分を見ていぶかしむ女性に、
「ウンギュの家ですよね?」
と聞くジョンウォンに、コクコクと頷く女性。
『友だちだ・・・友だち・・・』
「ウンギュは中にいるんですか?」
なおも聞くジョンウォンに首を振って答えた女性は、ジョンウォンを怪しい女だと判断したらしく
いきなりドアを閉めちゃった。
ジョンウォンはウンギュに会えなくてマンションの階段に座り込んでブツブツと怒ってて。
「何よ、話にならないじゃない。あの女は友だちよ、友だち。早く帰ってこい!」
と独り言いってるところへ、ウンギュの歌声が耳に入ったジョンウォン。
明るい姿で新しい出会いを始めたかったジョンウォンは気持ちを落ち着けてから、慌ててウンギュを
追いかけます。
部屋の前でチャイムを鳴らすウンギュが目に入ったジョンウォン。
「はい」
インターフォン越しに聞こえるさっきの女性の声。
「オレ、ウンギュ!コロッケ買ってきた。チーズコロッケ!」
ドアが開いて、
「帰ってくるなりご飯の話?あ、さっき女の人が訪ねてきてた」
「??サークルの子だろう、寒い!早く中に入ろう」
バタンとドアが閉まり・・・立ちつくすジョンウォン。

『ウンギュを信じたい・・・ウンギュを信じよう、ジョンウォン!!』
ウンギュが自分以外の女と一緒に暮らしてる光景を目の当たりにして衝撃を受けたジョンウォン
だけど、勇気をふりしぼってちゃんと確認しようともう一度さっきの部屋に行きます。
「ウンギュ、さっきのお客さんがまた来たみたい」
「うん?」
ドアが開いてウンギュが顔を見せたとき、
「こ、こんにちは、久しぶり・・・アハハ」
久しぶりに会うウンギュの顔を見て緊張で唇はけいれんするし、声がうまく出ないジョンウォン。
ウンギュは別れたときと変わらず茶褐色の髪で、顔が少し日焼けしているぐらい・・・

『どんな言葉で歓迎してくれるの?どんな表情であたしを迎えてくれるの?
 頼むから笑って、お願いだから驚いた表情だけはしないで、お願いだから』

「うん?」
「あ、あたしジョンウォンよ。久しぶり」
「お前もコロッケ食べる?」
『え、え?何て?』
ウンギュの口から出た思わぬ言葉に思考停止のジョンウォン。
「コロッケ揚げておくから友だちと話しておいで」
家の中にいた女性(エプロン姿!)がウンギュを部屋の外に押し出すと、ウンギュはジョンウォンを
ジロジロと見てきたあとで、ウンギュはその場に座り込み、ジョンウォンに興味がなさそうに指で
床に丸い円を描いてて。
「あ、あたしのこと覚えてるよね?ジョンウォンなんだけど・・・」
すでに涙声になってしまうジョンウォン。
「中にいるひとは恋人なの?」
という質問に、何のためらいもなく明るい表情で首を縦に振るウンギュ。
「恋人・・・なんだ」
「うん、寒いからオレ(部屋に)入るよ」

・・・こんな結末だったんだ。結局はあたしが罰を受けたってことなんだ。
ここへ訪ねて来るまでもなかったんじゃない・・・ウンギュがあたしを見る目には、何の感情も
こめられていない・・・あるのはただコロッケのことだけで、あたしは見えてない。

それでもドアに手をかけたウンギュに声をかけるジョンウォン。
「あたし、待っててもいい?」
と取り付く島がないウンギュになんとか話しかけたのに、
「コロッケ楽しみ~」
と、バタン!とドアを閉められちゃって。

「お客さん送っていった?誰?あんたの姉さんじゃ?」
「知らない人。ウッ・・オレ、頭痛い」
「あ、さっき薬買っておいたから。棚の上にあるよ」
窓越しに聞こえてくるウンギュの声にズルズルとドアにもたれてへたり込んだジョンウォン。
財布に入れていたペンダント二つと千ウォン札を手の上に乗せて。

三ヶ月ぐらい前に偶然スーパーでもらったお釣りの千ウォン札の隅に書かれた文字。
<トェジ ネッコ(ぶたはオレのもの)>
忘れていた涙が一気に押し寄せてどうすることもできない。
聞きたかったのに。また会えたときに「これ書いたのあんたなの?」って聞きたかったのに。
こんな風に突然変わっちゃったら何も聞けないじゃない。

部屋の外まで聞こえてくるご機嫌な様子のウンギュの声。
二時間ほどそうしてウンギュの部屋の前で泣くだけ泣いたジョンウォンは足をひきずるようにして
家路に着きます。

ウンギュ、あたしもしかしたら死んでしまうかも。
自分がしたことに対する罰をただ受けただけなのに・・・ウンギュも同じぐらい辛かったはずなのに
息をするのもつらくて、目を開くことさえつらい、あたしが生きてるってことが悔しいだけ。

家にたどり着いたジョンウォンはちょうど隣の家から出てきたソヒョンと出会って。(ウンギュ姉)
「ジョンウォン、久しぶりね」
「あ、はい」
「どこ行ってたの?」
「オンニの弟に会ってきました。ウンギュに」
「えっ?」
少し驚いたウンギュ姉の声。
そしてジョンウォンに一歩近寄ってウンギュ姉が用心深く、
「ショック受けたでしょ?」
と聞いてきて。
「オンニも知ってたんですね」
「それはもちろん。三ヶ月前からだから」
「・・・三ヶ月にもなるんですか?」
「ごめんね、話せなかったの。いっそ知らないほうがマシだと思って」
あたしと別れて二ヶ月で、離れてしまったたった二ヶ月の間に他の人を見つけて・・・
ウンギュ、あんたはホントにた易く人を愛するんだ・・・あたしの一番大事な思い出たちが
少しずつ消えていく・・・

「じゃあウンギュにはもう会わないつもり?会わないつもりなの?」
「・・・あの、会わないんじゃなくて会えません。もう会えないんです」
静かにあたしを見つめるウンギュ姉。
「二度と会わないの?」
「あたしがどうこうできる問題じゃないです」
「・・・ジョンウォンにはちょっと失望した」
どうしてあたしに失望を??・・・ジョンウォンがそう聞こうとしたときには静かに家に入って
しまったウンギュ姉。

「失望って・・・じゃああたしはどうするべきだと?最後までウンギュにすがりつけと?
 あたしを忘れた人、あたしに背を向けた人に戻ってきてって泣いてすがってみろと?
 すがって帰ってきてくれるならそうしたい・・・」
一人残されたジョンウォンは空に向かってつぶやくだけで。

翌日。
泣きながら寝てしまったせいで目が腫れまくったジョンウォンをヒウォンが訪ねてきます。
ヒウォンは目がボンボンに腫れた彼女にビックリ。
「どうしたんだ?」
「昨日はゴメンね、オンマにごめんなさいって伝えて」
「・・・ごめん」
「何が?」
「お前が行ってしまうのが怖くて二ヶ月も騙してたこと。お前はつらいのにオレだけ幸せで」
「いいよ、あたしでもそうしたはずだから。オンマが戻ってきてホントによかったね」
「アッパも今月末には退院するんだ」
「よかった、家族がそろうんだね。ホントによかった」
「ウンギュには会ったか?」
「え?あーううん、昨日ウンギュは家にいなかったから」
「じゃあ今日一緒に行こう」
「えっ!?」
「今日一緒に行こう。最後にお前とウンギュが一緒にいるのを見てちゃんとあきらめるから」
自分に向かってニッコリ笑ってみせるヒウォン。
「だ、ダメよっ!」
「どうして?」
「あー、ウンギュのことはあたしがちゃんとするから大丈夫、心配しないで」
「なに行ってるんだ、行こう、さあ立てよ!」
ジョンウォンの手を引っぱって座り込もうとするジョンウォンをズルズルと引きずってでも行こう
としてるヒウォン。
「ヒウォン、ちょっと!」
「なんだよ」
「いや、あたしちゃんとした姿でウンギュに会いたいの。この顔見たら驚いて逃げるでしょ?
 それに二人きりでステキな再会にしたいし・・・」
ジョンウォンの手を離してくれたヒウォン。
「あーもう!好きなようにしろっ」
ヒウォンはそう言ってジョンウォンを置いてスタスタと歩きはじめ・・・
「ヒウォン・・・あたしたち・・・」
「『あたしたち』なんだよ?」
「また友だちになることができるよね?」
返事の代わりにOKサインをして見せて、
「メシでも食いに行こう、ジョンウォン」
「そうしよう!」
あたしもヒウォンも愛する人を一日で心の整理をつけるなんて容易じゃない。そうするまですごく
つらい日々が続くかもだけど、それでもやってみよう。努力してみよう。

1年後。
ジョンウォンはまだウンギュとの別れを受け入れられないままで。
『もう一年も経ったのにあたしはまだ泣いてて。
 昼間はユン・ジョンウォンとして明るく過ごし、夜になればただのバカになってウンギュを想って
 泣くばかり。
 窓からお向かいの屋上を眺めるのが日課になっちゃって・・・・ひょっとしたらウンギュが屋上に
 出てくるんじゃないかと思って。

 スウォンまで行ってウンギュの部屋の近所をうろついてみて、ウンギュが幸せそうに彼女と笑って
 いるのを見るたびにあわてて背を向けて隠れたジョンウォン。
 1年は長いと感じたのに、忘れるには十分な時間だと思ってたのに・・・
 今日もやっぱりウンギュを待つジョンウォン。
 到底彼のことを忘れるなんてできっこない・・・お願いだから戻ってきて・・・』

そんなある日ドラムのソヒョンオンニからナリと三人でランチしようと誘われたジョンウォンは
待ち合わせ場所へ向かいます。
ナリとは数ヶ月ぶりの再会になるジョンウォン。
一年前にウンギュに会いに行ってきたとジョンウォンに聞いてからはソヒョンオンニもナリも気を
使って、ジョンウォンの前でウンギュの名前を出さないようしてて。
二人でスウォンにいるウンギュに会いにいくときもジョンウォンには言わないで行ってるみたいで。
こんな風に気を使ってもらうことを望んだわけじゃないし、自分は大丈夫だといいたいけどそれを
口には出せないジョンウォン。

三人で公園を歩いてるとちょうどバンドがライブをやっるらしくて音楽が聞こえてきて。
ソヒョンオンニが興味津々でナリとジョンウォンを引っ張ってそちらに向かいます。
おなかがすいてるからイヤイヤついていったジョンウォンですが・・・

なんとマイクを握って曲を紹介しているのはウンギュの恋人で!
しかもその格好はどう見ても・・・男で!?

ジョンウォンは驚きまくってソヒョンオンニを質問責め!
「オ、オンニ!あの人はウンギュの彼女じゃないの?ウンギュと同居してる人でしょ?
 ウンギュは男が好きだったの?あの人は男だったの?」
「は?ジョンウォン、何言ってるの?」
いったいどういうこと?あの男はウンギュと同居してた女で・・・だけど男で?
ウンギュが男を好きだったってこと?
混乱しているジョンウォンの隣でナリが涙声でつぶやく。
「ウンギュオッパ」
この子はまた何言ってるの?ウンギュだなんて・・・後ろのほうにいたジョンウォンはナリの声に
弾かれたように人込みをかきわけて前の方へと進んで行き、マイクを握って歌っているウンギュの
前まで行きます。
無表情で淡々と歌を歌っているウンギュ。


バカなネコ トマトを盗むネコ
夜になって月が昇れば窓際に座ってお隣を見て悲しげに泣くだろう
放して お願いだから放して 今まではバカなネコの鳴き声なんかなんとも思ってなかったけど
止まないププの鳴き声にオレも一緒に泣いてしまった


片手で口を覆ってフラついたジョンウォンを後ろに立っていたソヒョンオンニが支えてくれて。
「オ、オンニ、なんでウンギュがあの歌を歌ってるの?あたしを忘れたのに、あたしを忘れちゃった
 のに。それにウンギュの恋人が男だったなんて・・・」
「あの子はウンギュと一緒に音楽活動してる友達よ。ウンギュの恋人って?」
「ウンギュの彼女じゃないの?!」
「ええ??」
あきれるように大声で聞き返すソヒョンオンニ。
「いったいなに言ってるの、ジョンウォン?」
「あの人・・・ウンギュが自分の彼女だと・・・ウンギュ姉も『ショックだったでしょ?』って
 聞いてきたし。あたしも全部わかったから隠さなくてもいいです・・・男がいたなんて・・・」
ウンギュの悲しい歌声・・・悲しい顔で歌ってるのを見るのも聴くのもつらくてその場を離れようと
したジョンウォンをソヒョンオンニがガシッと掴まえて。
「なに言ってるの?!あの男はただウンギュと一緒に住んでる友だちだってば!」
「みんなわかってるんです!オンニも言ったじゃないですか!」
「あたしがなにを話したって?ウンギュになにがあったのか知ってるんだよね?」
「・・・・・・」
「知らなかったの?今までずっと知らずにいた?ジョンウォンはあの男がウンギュの彼女だって
 思って今まで苦しんでたの?」
「それじゃ・・・オンニが知ってるっていうのは何ですか?」
「あーもうっ!バカっ!あたしはあんたのせいで生きた心地がしないわ。あたしはジョンウォンが
 ウンギュがバカになったから捨てたのかと思って、そうしたんだと思ったからあえてあんたの
 前ではウンギュの話をしなかったのに」
「バカ・・・って?」
呆れたように頭を後ろに反らしてついに笑い出したソヒョンオンニ。
「あたしとナリはそんなことも知らずにあんたのこと、悪い女だと思ったじゃない」
「いったい何の話??」
途中から話を聞いていたナリもジョンウォンの前で大騒ぎ!
「何ですかっ!私たちはそんなことも知らずにオンニを悪く言ったじゃないですか!
 オンニは全部知ってると思ったから・・・ウンギュオッパはスウォンに行って二ヶ月後に大きい
 事故にあったんです!それで頭が壊れちゃったんです!」
『え?・・・何て?』
「私たちはそのせいでオンニがオッパを捨てたんだと思ってすごく恨んだのに・・・」
「バカなんて・・・ナリ・・・事故って・・・」
「オッパはライブ中に天井の照明が落ちて・・・記憶をなくしたんじゃないんです。
 いっそそのほうが良かったんですが・・・オッパの頭は壊れちゃったんです」
それじゃあウンギュ姉の言葉の意味は事故のことを指してたの?とあの日の記憶を辿るジョンウォン。
自分に失望したと言ったウンギュ姉の言葉は事故のことを言ってたんだ。ウンギュに会いにいこうと
したあたしにナリがウンギュを困らせるなと言ったことも。
ウンギュがあたしを知らない人みたいに冷たく接したことも、頭痛で薬を飲んでたのもみんな事故の
せいだったんだ。

曲を歌い終えたウンギュがマイクをおろすと途端に増えた観衆からアンコールの声が出て。
ウンギュの彼女と勘違いした女性よりも女らしい男が、
「もっと聴きたいでしょうが、残念ながら彼が歌えるのはこれ一曲なんです」
と説明し、他の子がマイクを持って歌を歌い始めるとウンギュはゆっくりと歩き出して公園をあとに
しようとしてて。
「ウンギュを掴まえないの?」
魂が抜けたように呆然としてるあたしの頭をポンと叩いていたずらっぽく聞いてきて、ジョンウォン
はそれに返事もせずにウンギュの後を追いかけて駆け出して彼を後ろから両腕を広げて抱きしめて。
「わっ!ストーカーだ!」
「なんで照明なんかに当たってるのよっ!馬鹿ねっ!」
「放せよ~」
「ちょっと、このバカ、あんた頭が壊れたって?あたしは憶えてる?ん?誰かわかる?」
そう言いながらウンギュの背中に顔をうずめてワアワア子供のように泣き出したジョンウォン。
「隣の家の友だち!」
「バカ、隣の家の彼女だってば」
「うんうん、わかってる」
「今日あたしがここに来なかったらどうするつもりだったのよっ」
「ププに会いたい」
「ププを見に行く?」
「うんっ」
あたしの手をギュッとつかんだウンギュがソヒョンオンニとナリを見て嬉そうに駆け出す。
泣いてるのを慌てて隠すソヒョンオンニと、隠しようがないほど号泣してるナリ。

バカになってしまったウンギュ。
信じたくない彼の姿に心臓がギュッと締め付けられそうだけど、欲張るのはやめよう。
初めから少しずつ取り戻していこう。

「ウンギュ、見て。これあんたが書いたんでしょう?そうでしょ?」
ずっと財布にたたんでいれて持ってた千ウォン札を広げて見せる。
「お?うん」
嬉そうにブンブンと首を縦に振るウンギュ。
「そうだと思ってた。あんたあたしのことがすごく好きなのよ。それは思い出した?」
「うん」
「ヒウォンのお父さんもよくなって戻ってきたから、あんたもあたしと一緒に帰ろう。わかった?」
「どこに帰る?」
「あたしのところ。ね、あんたのバンドの名前は思い出した?」
「バンドの名前?」
「ドレミファソラシドじゃない」
「うん、うん」
「あんたとあたしと一緒にまた『ド』から始めるの、わかった?」
「ヒウォンに会いたい」
「そうしよう、ヒウォンに会って、チェガンにも会って、ソヒョンオンニにも会って、ププも見て。
 みんなに会いに行こう」
なにがそんなに楽しいのかアイスクリームを食べながらソヒョンオンニとはしゃぐウンギュ。
ジョンウォンのそばにきたナリが小さい声で尋ねてきて。
「オンニ自信ありますか?」
「なにが?」
「オッパを治す自信」
「当然。一年内にね」
「先に彼を治したほうがつきあいましょうね!」
「なんですって!」
「約束ですよっ!」
「ダメーっ!そんなのないってば!」
「オンニが笑うの一年半ぶりですね、とにかく今から開始ですよ!」
「笑わせないで、この小娘が~」
ジョンウォンは慌ててウンギュとソヒョンオンニに追いついて、そのあとに駆けつけたナリ。
財布にいれていたペンダントを取り出して素早くウンギュの首にかけたジョンウォン。
(ウンギュは顔をしかめてイヤ~な顔)
「このペンダント一生つけてて!」

『絶対に1年以内に元に戻ろうね、ウンギュ。
 そしてあたしたちのペンダントのように海も行って、キスもして、おいしいもの食べに行って、
 遊園地も遊びに行こう』

あふれそうになる涙をナリに見られないように素早くぬぐってウンギュの手をぎゅっと掴む。
もう絶対この手を離さない。
「行くな」というウンギュの言葉にジョンウォンの心臓の鼓動は止まりそうになるし、ナリはその場
にいるのがたまらなくて家を飛び出して行って。
「ナリを追いかけて」
「こうやって話ができるのも今日が最後になる。だから、ここにいろ」
こうやって話をするのが最後?あたしに何を望んでるの?きっぱり忘れると決心したのに・・・
「バ、バカね。なにが最後よ!あんたは歌手デビューしたらあたしたちと縁を切るつもり?
 あんたって悪い奴ね」
「おまえは悪い女だろ?」
笑ってそういうウンギュに、涙がこみ上げそうになったジョンウォン。
このままここにいたらウンギュの胸に飛び込んでしまうと思い、階段を駆け上がって屋上のドアの
前でいったん涙をぬぐってからドアを開けたジョンウォン。
ヒウォンはウンギュがいつも座っている場所にいて。
「タバコ吸い終わったの?」
「ああ、あれがお前の家だろう?」
向かいの家の屋上を指差したヒウォン。
「うん」
「お前の家の洗濯物が見えるぜ。あれ、お前のパンツか?」
「きゃあああああああ」
慌ててヒウォンの目を両手でふさいだジョンウォン。
(ということはウンギュも毎日ジョンウォンの下着が干されてるところを見てたってわけで。
 ジョンウォンオンマって年頃の娘がいるのになかなか大ざっぱな性格だね~)
「おい、見ないから離せって」
「ダメっ!」
「見ないってば」
「ダメだってば!」
恥ずかしくって慌てまくってるジョンウォンの手を掴んだヒウォンが今度は両肩を掴んで。
「ジョンウォン」
「なに?」
「オレを殴るなよ」
「あたしがなんで殴る・・・」
それ以上続きが言えなかったジョンウォン。
ヒウォンが肩をつかんだままキスしてきて・・・状況を把握するまでしばらく時間がかかったけど、
すぐに力いっぱい押し返します。
直後に「バァン!!」と屋上のドアが閉じられる音がしてそちらを向いたジョンウォンはウンギュが
今の光景を目にしたんだと知って座り込んでしまって・・・そんなジョンウォンを起こすヒウォン。
「おい、なんでへたり込むんだよ?」
「さっきあんたがオレを殴るなって言ったから」
「殴ろうと思ってるのか?」
「そうよ!こいつっ!」
ジョンウォンがげんこつを作ってポカポカと容赦なくヒウォンを殴るのに、クスクスと笑うだけの
ヒウォンだったけど・・・家の門を出ていくウンギュを見つけたヒウォンはその笑い声をひそめて。
「ウンギュが見たのか?」
「そうよ、このバカ」
この後ヒウォンはウンギュを追いかけて出ていき、ジョンウォンはププを連れて家に帰って。
家に帰ったジョンウォンはしばらく唇をゴシゴシとふきまくってて。
なんでヒウォンにキスされても何も感じないんだろう。気持ちがときめかなきゃいけないのに。
そんな暗いジョンウォンをよそめに、チェガンは行方不明だったププが帰ってきて狂乱狂喜(笑)

二日後。
すでにウンギュは家を出てしまっている様子。
家の前で待ち合わせしてアンヒョン高で行われるウンギュのサヨナラ公演を観にいくジョンウォンと
ヒウォン。

アンヒョン高の正門までたどり着いたとき、すでに講堂からは歓声が聞こえていて、ヒウォンは
「もう始まってるのか?」
と持っていたベースを手に先に講堂に入って行きます。
ジョンウォンも歓声に誘われるように、最後は小走りになって講堂のなかへ。
200人ほどの観客は8割ほどが女の子でウンギュの登場にさらに大きな歓声があがり、興奮して
いる女の子たちを押しのけて何とか前のほうに進んでいったジョンウォン。

やっぱりウンギュは歌ってるときが一番輝いてる。
ギターを持ってマイクの前にたつウンギュはちょっと恥ずかしそうにはにかんでて。
舞台の左側にある電子ピアノの前に立ってるナリはウンギュに向かってほほ笑みを向けていて。
ウンギュのそばには常にナリがいる。
ウンギュの後ろには帽子をゆったりとかぶったドラムのソヒョンオンニ。
そのオンニのそばにはあたしのボーイフレンドのヒウォン。
ヒウォンはどうやらあたしを捜してるらしくキョロキョロしてて、オンニのドラムの音に驚いてた。

「ここにいる人たちを今日はみんな感動させて帰らせます」
ウンギュの初めての挨拶だった。
奴の声にひときわ大きな歓声が起こり、「シン・ウンギュ!シン・ウンギュ!」と約束でもした
ように講堂の中をぎっしり埋めた女の子たちがウンギュの名前を呼び、その中にはすでに涙ぐんで
いる子もたくさんいた。
そしてオンニの力強いドラムの音で歌が始まる。
あたしがどこにいるのかわかったヒウォンもこちらに笑顔を向けて笑って見せ、ベースを弾き始めた。

※ホントに申し訳ないです・・・
  歌詞のところは意訳しまくりなんですが、どうしてもしっくりこなくて・・・
  映画で流れてたOSTのほうが気持ちが伝わるかも(汗)


オレはエゴイストなんだ。
計算的で臆病者で困難なこともすごく嫌いで。
一生こんな風に生きていくし、大人になってももっと臆病で打算的に生きて行くように
なることもわかってる。
でもオレはそういう生き方を直すことができないんだ。
今までもそうだったし、これからもそうして生きていく。
バカだけどオレが知ってるひとたちもみんなそんな生き方をしてるんだ


いつ聞いても変わってる歌詞。
ウンギュがどこに視線を向けているのかよくわからない。
観客たちを見てるわけでもなく、目の前の楽譜をみているわけでもなく、マイクを見てもいない。
何を見てるのかわからない。手を伸ばせば届く距離なのにウンギュがとても遠く見える。

最後、これが最後、『最後』っていう単語がウンギュを見えないようにさせてしまう。
両目を手の甲でこすってまた開いてみたけど、それでもよく見えない。
遠い・・・ウンギュがとても遠くにいる。
「オッパ!オッパ!行かないで~」
「オッパがいなくなったらこの学校に来る楽しみがなくなっちゃう!」
「行かないで!ウンギュオッパ!」
あちこちから聞こえてくる女の子たちの悲鳴。

曲が8曲を越え、ライブが1時間以上過ぎた頃。
ウンギュがマイクを正して、息が切れた声で「ハァ、ハァ、これが最後です」と話す。
『最後・・・そうなんだ、これが最後なんだ』
心の中でその衝撃に耐えるジョンウォン。
そんなジョンウォンに演奏が終わったヒウォンがVサインをしてみせ、笑ってみせるジョンウォン。
目はヒウォンを見て、耳はウンギュの言葉を洩らさず聞いていて。
「最後の曲はバラードです。タイトルは・・・ププ拉致事件!」

ウンギュがタイトルを言った瞬間にあちこちで笑い声が。
ジョンウォンもやっぱり笑っちゃって・・・チェガンがここにいたらどうするつもりなのかと
思ってて。(チェガンはソヒョンがププを誘拐したことを知らないから)
ウンギュはそんな反応におかまいなしでマイクを調整して、ナリに目配せをしてピアノの演奏から
そのバラードは始まって。
本当だ・・・バラードだ・・・悲しいメロディにウンギュの切ない声が乗せられる。


バカなネコ トマトを盗むネコ
月が昇れば、お前は窓辺に座ってお隣の家を見て悲しげに鳴くだろう
放して お願いだから(あっちの家に)帰らせて
今まではバカなネコの鳴き声なんかなんとも思ってなかったのに
鳴き止まないププの声にオレも一緒に泣いてしまった


バカ・・・何で泣いてる?歌じゃない、あれは歌っていうだけのこと。
面白い歌詞で、バカなネコっていうだけじゃない。あたしは何が悲しいの?
なんで泣いて座ってるのか・・・

やがてヒウォンはベースの演奏を止めて静かにウンギュを見つめる。
観客席は静かで、ドラムとピアノの音、そして段々小さくなるウンギュの声。

そしてウンギュは持っていたマイクを床に落としてしまい・・・演奏が止まった。
ザワザワする女の子たち、片手で目をふさいだウンギュ。
しばらくそうして涙をこらえていたウンギュだけど・・・
「声が出ないんだ。ごめん・・・本当に声が出なくて・・・」
ウンギュの泣き声が混じった言葉に、一緒に泣いてしまう女の子たちもいて。
「泣かないで、オッパ泣かないで!」
そんな声が聞こえる中、あたしは心を決め、講堂の出口にあるドアに向かうため舞台に背を向けた。
視界の端にギターを持ったままあたしを静かに見つめてるウンギュがいて。
「バイバイ」
ジョンウォンに向かって明るく笑って、明るい声で言ったあとで突然舞台から飛び降りたウンギュ。
泣いてた女の子たちも何が起きたのかわかならくて呆然としているなか、ウンギュがジョンウォンの
前に立って・・・ヒウォンはベースを演奏し始め、ナリがピアノを弾き始め、ドラムのオンニは
悲しい目でジョンウォンに微笑みかけていて。
「・・・これ」
肩からかけていたギターを外し、ギターの先につけていたペンダント(男の子のモチーフの方)を
ジョンウォンの肩にかけたウンギュ。
うつむいたままでウンギュが舞台に向かって、
「ヒウォン、ジョンウォンを一度だけ抱きしめるから」
と言い、ヒウォンは返事の代わりに手でOKサインを送ります。
その時今日初めてウンギュが笑って見せて・・・涙がたまった目をあたしにうっかり見せてしまい、
あわてて明るい表情を浮かべ、涙を隠したウンギュは両手であたしの肩を引き寄せて、胸の中に
抱き込んで。

周囲の女の子たちがざわついてるけど何も聞きたくない。どんな非難も叱責も。
これでウンギュとは最後なんだということに怯えて、あたしは自分をウンギュの胸の中により一層
強く押しつける。
ウンギュの心臓の音を感じる、ウンギュの悲しい涙も、熱い吐息も感じる。
こんなに愛してるのに・・・こんなに愛してるのに最後なんて・・・
涙をこらえるためにウンギュの肩に顔を埋めてしまうジョンウォン。
「ジョンウォン」
「・・・」
「返事しろよ」
「・・・うん」
「・・・愛してごめん」
「・・・・・・」
初めてだって知ってる?『愛してる』って口にしたのを。
あんたがあたしに今初めてそう言ったんだよ?
ジョンウォンはウンギュの腕の中から一歩退き、ヒウォンとナリが演奏を止めて。
「これからは愛みたいなことするのはやめよう」
自分の口からやっと出てきた言葉がこんな言葉で・・・あたしの言葉に力なく頷くウンギュ。
そしてウンギュは自分の首にかけていたペンダント(女の子のモチーフの方)を目の前で外した。
「この子がジョンウォン、お前が首からかけているのがウンギュだ。
 二人を毎日つけてくれ。一日に何回もキスさせて、面白いところにもたくさん連れていってくれ。
 海は絶対連れて行ってやって、ジョンウォンが海に行きたがってたから。
 (二人の)結婚式もして、おいしいものをたくさん食べさせて、一つの布団で寝させて。
 ウンギュが浮気できないように毎日家の前まで迎えに行ってやって。約束だ」
「・・・約束」
小指を出したあたしに、手に持っていたペンダントを強く握らせるウンギュ。
「これでいい、もうウンギュとジョンウォンはずっと一緒だ。そうだろ?」
ささやくようにウンギュがそう言い、ジョンウォンはいきなりあふれた涙のせいで返事の代わりに
小さく頷くしかなくて。
明るい微笑みであたしの頭を撫でたあと、ウンギュがあたしから遠ざかり始めた。
女の子たちに囲まれたまま、だんだん講堂のドアのほうに向かうウンギュ。

ドアが開き、取り巻きの女の子たちに囲まれたウンギュがやがて視界から消えて。
ガランとした講堂で、ジョンウォンは手に持っていたペンダントを口元に押し当てて床に座り込み、
小さく震えていて・・・
ナリはウンギュを追いかけてドアのほうに走って行った。

「どうしよう、ウンギュが行っちゃった。ホントに行っちゃった。あたしどうしよう。
 あたしやっぱりダメ。ヒウォン、ヒウォン、あたしを放して、お願い。
 お願いだからあたしをウンギュのそばに行かせて。ヒウォン、あたしを助けて。
 あたし息ができない・・・あたしもう笑えない・・・」
あふれる感情を抑えきれず子供のように泣きじゃくるジョンウォン。
舞台から降りてそんなジョンウォンを静かに見下ろし・・・小さいため息とともに強く抱きしめる
ヒウォン。

ヒウォンもまた泣いていて・・・段々あたしを抱きしめる腕に力が入るヒウォン。
遠ざかっていくウンギュのためにもヒウォンにもう一度自分を手放して欲しいと頼みたいのに、
あたしもウンギュみたいに声が出てこない。
この続きを聞いてみたい・・・誰彼なくつかまえてこの先あたしたちがどうなるのか教えて欲しい。

その時ピアノの前で立ち止まったドラムのオンニが何も言わずに鍵盤をそっと叩く。
♪ファ・ソ・ド・ミ・シ♪
でたらめに弾いているピアノの音。

「あんたたちは今こんな感じでごちゃ混ぜに絡まってる。
 ヒウォン、あんたがジョンウォンを自分の傍につなぎとめておこうとするとこんな音しか出ない」
ジョンウォンの肩を抱いていたヒウォンはその言葉に呆然としてオンニを見て。
「ジョンウォンがウンギュのそばにいれば・・・」

♪ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド♪
音階通りにゆっくりとピアノの鍵盤を叩くソヒョンオンニ。
「聞こえる、ヒウォン?これが正しいのよ。二人を思うなら(ジョンウォンを)放して」
ゆっくり立ち上がるヒウォン。
「オレはジョンウォンがいなければ何も出来ない。今のオレにどうしろと?」
「あんたは愚かで利己的よ。あんたは自分が傷つきたくなくて二人の心臓をメッタ切りにしてる。
 ジョンウォン、立って。ウンギュについて行きな」
オンニの口から出たウンギュという名前に思わず体が動くジョンウォン。
「早く行きな、ジョンウォン」
ジョンウォンはヒウォンを見て・・・『行くな』という表情でこちらを見ているので動きが止まって。
「早く行って!ウンギュがいなくなるんだよっ!」
ソヒョンオンニが大声を張り上げ、ジョンウォンはヒウォンを見ないように目を閉じてパッと立ち
上がり、講堂のドアへと歩き出して。
「お願いだ。頼むから」
崩れるようにひざを折るヒウォンの後姿を目にしたジョンウォンは・・・ウンギュの名前を繰り返し
つぶやいたまま動きを止めてしまいます。
「ヒウォン、あんたが捕まえたいのは愛なの?じゃなきゃ同情が欲しいの?」
ヒウォンの前に立ち、ソヒョンオンニが震える声で尋ねる。
「・・・両方・・・だ」
「放してやらないとジョンウォンの心が死んでしまうことになっても?」
「オレが生かす」
「頼むからバカなこと言わないでよ!!」
ソヒョンはジョンウォンを放そうとしないヒウォンに怒鳴り声をあげて。
「・・・少し・・・ほんの少しでいいんだ。オレは笑いたい。ずいぶん笑ってないんだ。
 エゴだってわかってるけど一人でいるのは怖いんだ。勇気が出ないんだ」
ヒウォンの言葉に、涙が出ないように天井を見上げたソヒョンオンニ。
ジョンウォンはウンギュのところへも行けず、ただボンヤリと二人を見ていて・・・

「じゃあこの場で約束して。あんたが幸せになったらジョンウォンを放してやって。
 あんたのお父さんやお母さんがあんたのそばに戻ってきた時、あるいはジョンウォンがいなくても
 幸せだと感じることができたら、そのときはジョンウォンをウンギュのところに行かせて。
 この場で約束しよう、ヒウォン。そうできるよね?」
しばらくの間ソヒョンオンニを悲しい表情で見ていたヒウォンだけど、静かに首を縦に振って。
で、頷いたヒウォンに笑顔を向けて彼の肩をバンバンと叩いて、
「よし!今日は飲みに行こう!!今日はヌナのおごりだよ!」
と二人を飲みに連れていくソヒョンでした~

明け方ベロベロに酔っ払って体をまともに支えることが出来ないジョンウォンを家まで連れて帰って
きてくれたソヒョンに、
「オンニ、ウンギュを忘れる方法を教えてください。ねぇ、何でもいいですから。
 すごーく大変なことでもいいんです。もう泣くのはうんざりなんです。
 バカみたいにずっとこんな気持ちでいたくない。忘れる方法教えてください~」
と絡むジョンウォン。
「おい!オレはチェガンだよっ!」
「ソヒョンオンニ~」
(酔ったジョンウォンは、チェガンとドラムのオンニの区別がつかず)
ジョンウォンの肩を揺さぶりまくるチェガン。
「その人(ドラムのオンニ)は帰ったよ!お前、どうしたんだ?ウンギュ兄貴に会ったのか?
 オレが連絡してやろうか?」
「誰が誰に電話するって?ほっといてよ!あんたはちゃんとしなさいよ。愛する人と一緒にいられる
 ってことはすごく大事なんだよ。わかる?あんたにわかる?」
「ああ、わかるさ!」
「あんたに何がわかるのよ!ププもソヒョンオンニ(ウンギュ姉)もいるくせに。
 あたしはかわいそうな女なんだから、これからはちゃんと「ヌナ」って呼んでよ、わかった?」
(チェガンは日ごろジョンウォンのことを「ぶた」とか「こいつ」呼ばわりしてるので)
目を閉じてウンギュの顔を思い浮かべ、今日だけだからと自分に言い聞かせてしくしく泣いている
ジョンウォン。
「オレもわかるんだ。よくわかってる。ソヒョンヌナはもうオレのものじゃない、おやすみ、ヌナ」
ぼんやりした意識の中で聞こえてきたチェガンの悲しい声に、ジョンウォンは大声を出して弟を
呼ぶけど、無視して部屋を出ていってしまったチェガンでした。

 ※どうやらこの時点でウンギュ姉(ソヒョン)とチェガンは別れてしまったみたい。
  二人は正式につきあってるわけじゃなくて、お互いに多分好きなんだろうけど、
  そこから先に進めようとしたときに、二人の間に何かがあって別れたのかな?
  (番外編でこの二人が別れた経緯を書いてる章があるんだけど、ウンギュとジョンウォンの
   展開には関係ないのでワタシは読んでないんですよね~)

5ヵ月後。
ジョンウォンは大学に進学して新入生の歓迎コンパで毎晩飲み歩いてて、酔い覚ましのスープを
作りつつもめっちゃ怒ってるオンマ(笑)
高3になったチェガンはいろんな女の子とつきあってるみたいだけど特定の彼女は出来ず。

そんなある日。
ジョンウォンはふと思い立ってヒウォンの家に遊びに行きます。
ちょくちょくヒウォンの家に遊びに行ってたのに、二ヶ月ほど前からジョンウォンが家に遊びに行く
と言うとヒウォンが絶対ダメだと言ってて、ジョンウォンはヒウォンが自分に内緒でお菓子を大量に
買い置きしてるからじゃ?と思って、彼には何も言わずに家を突撃訪問することに。
ヒウォンの家に近づいてきたとき、なじみのある声を聞いて思わず歩みが止まるジョンウォン。
「うちの息子はかわいいわね、ママが出勤するときは毎日見送ってね」
「今日は早く帰ってきて。オレも早く帰るから」
で、ここでヒウォンはジョンウォンがいることに気づいて、
「・・・ジョンウォン」
と声に出すのが精一杯で強張った表情に。
「まぁ、ジョンウォン、ジョンウォンなの?久しぶりねぇ」
と近づいてくるヒウォン母。
「(オンマが)戻ってきたのね、戻ってきてたから・・・それで隠したの?」
「・・・・・・」
「それで家に来て欲しくなかったってことね。ヒウォン、あんた最低」
状況がのみこめず息子と友達の顔をかわるがわる見るヒウォン母。
ジョンウォンは自分の名前を呼ぶヒウォンを無視して脱兎のごとく駆け出して。

オンマが戻ってたことを黙っていた親友のヒウォンの仕打ちに涙が出るよりも前に、嬉しいっていう
気持ちがこみ上げてくるジョンウォン。
頭の片隅に押し込めていたウンギュとの思い出が途端に溢れ出して、涙が出るし笑みも出て。
『もう行けるんだ、ウンギュのところへ!』
トイたちは地元の警察に連行され、両親とチェガンがジョンウォンを迎えにきます。
犯人一味の主犯であるトイを睨みつけるチェガン。

ウンギュとナリも駆けつけていて、ナリはトイに駆け寄って
「オンニじゃないですよね?違いますよね?オンニ?」
と泣いていて・・・ウンギュも蒼白な顔をしてトイに近づきます。
「・・・お前だったのか?」
「ごめんね、ウンギュ。・・・ごめん・・・ウゥ」
歯を食いしばって泣くのをこらえていたトイだけど、ウンギュの顔をみてしまうと涙がとまらなく
なり、彼の胸に顔をうずめて泣きじゃくり、そんなトイにウンギュは正面を見据えたまま無表情で。
「今回はお前が悪いんだ」
「・・・」
「これから行く所がどれだけ寒くて孤独なのか・・・なんでこんなことしようと思ったんだ?」
「ウンギュ、あたし怖い。どうしよう・・・」
「すぐ終わる」
そんなふうにトイを許してかばうウンギュが憎い、ヒウォンだって苦しんでるのに、ソヒョンオンニ
だって。あたしもこんなに傷ついたのに・・・

「ウンギュ」
「あんたの友人のせいであたしの彼氏が留置場にいるの。この責任どうしてくれるの?
 学校でうわさにもなってるのにヒウォンにどうやって責任とるの?」
『こんな話をしたいんじゃない、あたしの彼氏だなんて、何をバカなことを・・・』
「そうか、ごめん」
「あの子が大きい罪を犯したのかわかる?なのになんで簡単に許すの?」
「オレが許さなければ誰がトイを許すんだ?」
「・・・そうだね。大事な友達でしょうから。ママ、パパ、ヒウォンが犯人じゃないってわかった
 から会ってもいいよね?チェガンもこれからヒウォンのことで何も言わないで。早く帰ろう。
 ヒウォンを釈放してもらわないと!」
意地を張ったジョウォンがウンギュの前を通り過ぎようとしたとき、ウンギュの視線が自分の首元に
あるのを感じて・・・ペンダントをまだつけていたことを思い出したジョンウォンは反射的にそれを
引きちぎってその場に捨て、ウンギュにニッコリと笑って見せ・・・悲しい顔で背を向けたウンギュ。

なんであんなことしたのか・・・一番大切なものだったのに。こんな風に捨ててしまうなんて・・・
こみ上げる涙をこらえながらヒウォンのところに向かうジョンウォン。

事件の詳細は向こうの警察から連絡が入っていたらしく、すぐにヒウォンを連れてきてくれた刑事。
ヒウォンの前に立ち、ゆっくり話すジョンウォン。
「・・・全部終わった」
「・・・」
「もう終わったんだよ。あんたの思い通りにはならなかった」
「そうだな」
「ヒウォン、あんたホントにバカじゃない?」
「うん・・・信じてくれてありがとう」
「あたしがあんたのこと信じるか確かめたかったの?こんなことして?」
(ヒウォンはジョンウォンが自分を信じてくれるかどうか試したってことなんだよね)
「・・・」
「これからはもうしないで」
「ああ」
最後まで自分を信じてくれたジョンウォンに、涙をこぼしながらやっとそれだけ言うヒウォン。
そっと手を差し伸べたジョンウォンの手に静かに手を重ねたヒウォンでした。

この後ジョンウォンの家で一緒に食事したヒウォンを家まで送っていくジョンウォン。
留置場で満足に寝てたなかったヒウォンはジョンウォンに膝枕か腕枕して欲しいとおねだりしてて。
そんな二人にドラムのソヒョンオンニが声をかけてきて・・・
「ヌナ、聞いたよ!女親分だったって?」
「バカ言わないで、あんたは大丈夫?」
「うん、ヌナもケガしてないか?」
「ないよ。ジョンウォンも大丈夫?」
「はい、大丈夫です!」
ヒウォンが元気そうにしてるのを見て安心したドラムのオンニ。
「ヌナ、オレは愛がどんなものかってわかったんだ。だから生きる理由が見つかったんだ。本当だよ」
ジョンウォンを一度見てソヒョンを見つめてニッコリ笑うヒウォンに、オンニも明るいほほ笑みで
ヒウォンを見つめて・・・
自分とジョンウォンは愛し合ってるとソヒョンに自慢げに話すヒウォン。
その表情はウソみたいに明るくて・・・自分がふりかけた災いがやっと終わったと思うジョンウォン。
(ドラムのオンニの恋も切ないなあ)

ドラムのオンニからウンギュがあと何日かで向こうへ行くから、引越しの前日に送別会をかねて
講堂でライブをすると聞いたジョンウォン。
当然ソヒョンもドラム演奏で出るつもりらしく、ジョンウォンに見においでと言いながら、ヒウォン
にもその日はベースで参加するようにというソヒョン!
だけどあっさりと「わかった」と返事をするヒウォンに当惑のジョンウォン。
あとで二人になったときにそれとなくドラムのオンニがヒウォンのことを好きだと匂わせるけど、
鈍いヒウォンはそのことにちっとも気づかず、ジョンウォンが嫉妬してると勘違いして嬉そう(笑)

翌日の学校の帰りにヒウォンと会ったジョンウォンだけど、ナリとウンギュに会おうと言い出した
ヒウォンに反対するジョンウォンだけど・・・。
「バンドの練習もしなきゃいけないし、オレたち和解しよう!」
とジョンウォンの手をとってウンギュの家に向かうヒウォン。

ジョンウォンはヒウォンに、まだ自分はウンギュをちゃんと見れないと言います。
彼を見ただけで涙が流れるから行きたくないと言ってるのに、ヒウォンはジョンウォンの手を
握って家まで行っちゃって。
こんな状況の上に彼の家にはナリがいて・・・
「あ、ヒウォンオッパとジョンウォンオンニがきた!」
ナリの声にウンギュの視線がヒウォンの顔で止まり、その間にジョンウォンは素早く頭を下げて
視線をあわせないようにして。
「きたか」
聞こえるか聞こえないかの小さい声でウンギュがやっと声を出した。
「ああ、ピザ買ってきた」
ウンギュとは対照的なヒウォンの元気な声。二人の状況が入れ替わったような光景に耐えられず、
決まり悪くてナリに笑いかけるジョンウォン。

「ウンギュ、久しぶりだな」
ヒウォンが明るい声で話しかけ、静かにうなずくウンギュ。トイの事件のせいか少しやつれたよう
な顔で力なく笑って見せて。
「お前、あんまりメシ食ってないのか?ピザ食べろよ」
ピザをウンギュの口に無理矢理もっていくヒウォン。
こんな雰囲気にたまらず、ウンギュ姉の部屋に逃げたジョンウォン。

実はこの後衝撃の事実が発覚!
チェガンはママがププ(チェガンが拾ったネコ)を捨てたと怒って家出してたわけですが、
ネコ嫌いなママとソヒョンが相談してソヒョンの部屋でずっとププを飼ってたわけで・・・
ソヒョンがププを匿ったのは、チェガンがププばっかり可愛がるので協力したらしい(笑)
結局ジョンウォンがププを連れて帰ることでチェガンの家出を終わりにすることにして、
ソヒョンがこの件に関わっていたことは秘密にするという固い約束をさせられたジョンウォン。

リビングに戻ってすぐ、
「キャッ!大丈夫ですか?」
と慌てるナリの声に、視線を向けたジョンウォン。
コーラのビンの栓を開けようとして手を切ったらしく、指先から血をポタポタと流しているウンギュ
を目にしたジョンウォンは何も考えず駆け寄って、
「バカ!気をつけなきゃ!」
ププを床に下ろしてウンギュの指をギュッと握ったジョンウォン。
血が止まったところでやっと周囲の微妙な雰囲気に気づいたジョンウォンは慌てて密着させていた
体を離して。
「あ・・・血を見て興奮したかな?」
咳払いしてごまかすジョンウォンと指を口に含んでジョンウォンを見るウンギュ。

「オレ、屋上でタバコ吸ってくるわ」
席を立ってタバコの箱を見せながら言うヒウォンに、指を口に挟んだままうなずくウンギュ。
「ついて行けよ」
ウンギュがジョンウォンにそう言い、
「指・・・薬塗ってね」
「うん」
「ヒウォンのところに行ってくるね」
何も言わないウンギュ。短い沈黙が流れてジョンウォンが席を立ち背を向けたとき、
「行くな」
と、ウンギュが小さく声をあげて・・・

チェガンがヒウォンの名前を出したので怒るジョンウォンと、その子が犯人なの?と両親が息子
に詰め寄って・・・
昼間バイクを走らせていたチェガンはヒウォンが豹柄のズボンをはいた男と会ってるところを目撃
していて、病院に見舞いにいったソヒョンからヒウォンの名前が出たのでこれは間違いないと確信。
それならばと警察に通報しようとする両親を慌てて止めるジョンウォン。
「違うの!ヒウォンはそんなことしてない!お願い、そんなことしたらあの子がダメになる!」
と警察への通報を踏みとどまってもらったジョンウォンなんだけど・・・

翌日学校の帰りに友人たちと久しぶりにカラオケに行ったジョンウォン。
そこでナリとウンギュが二人でカラオケに入るのを偶然に見てしまい、ウンギュがもうネックレスを
首にしていないことに気づいて・・・当たり前のことに傷つくジョンウォンでした。

家に帰ったジョンウォンに深刻そうな顔してる両親。
結局オンマが警察に容疑者としてヒウォンを通報してしまい、そのことを聞いて家を飛び出して彼の
ところに駆けつけるジョンウォン。
警察に行ったジョンウォンは連行されるヒウォンを見かけて駆け寄り、刑事に彼は犯人じゃないと
言いますが犯人じゃないという証拠がない限りは取調べを受けることになっちゃって。
ヒウォンはもう自分は誰にも信用してもらえないんだとヤケになったらしく、「自分がやった」と
言ってるので刑事も容易に釈放はしてくれず。
(被害者のソヒョンも豹柄の男が「これはヒウォンがやらせたことだ」と言ってたのを聞いてるから
 それを警察にも話したらしく、ヒウォンは拉致の主犯として捕まったということに)
絶対に証拠を見つけて見せる!と刑事にタンカを切って、両親とはケンカしたジョンウォン。

こんな状態のジョンウォンに、ウンギュと一緒に登校しようとしたナリが報告にきます。
オッパの歌が認められたと嬉しそうに話すナリに「よかったね」といい、家から出てきたウンギュ
にも・・・「おめでとう」と声をかけます。
一ヶ月以内に歌を認めてくれた企画会社の寄宿舎に引っ越すと教えてくれるウンギュに、なんで
そんなことをあたしに話すの?と思わずナーバスになって聞いてしまうジョンウォン。
「もう行くね、これでもう会うこともないだろうから・・・元気で。ナリもね」
「最後なんだから・・・ちょっとぐらい笑ってくれないのか?」
冗談まじりにいうウンギュ。
ホントにすぐ忘れちゃうんだね、あんたの心臓は何でできてるの?あたしはあんたを見るのも辛くて
こんな風に視線を下げてるのに・・・相変わらず笑ってるのね、ナリのそばで。
「オレたち似合ってるだろ?」
ナリの手を握ってニコリと笑ってみせるウンギュ。
「そうだね」
「ヒウォンにも伝えてくれ。オレたちの100日記念に呼ぶからって」
あたしたちのは愛だと信じてたけど違ったみたいね。あたしだけがそうだった。あたしたちが愛した
んじゃなくて・・・あたしだけがあんたを愛してただけみたい・・・

この後ジョンビンと会ったジョンウォンはビックリ!
ジョンビンはヒウォンに会って、ジョンウォンを苦しめたりせずウンギュのところに送ってやれと
話をしていたんだと知ります。
(チェガンが見たのはこの二人が話していた光景。ジョンビンが豹柄の服着てたんだよね)
それでジョンウォンはジョンビンを引っぱって警察まで連れていって、ジョンビンとヒウォンが
会ってたから彼は無実だと主張します。
でも彼が主犯じゃないという決定的な証拠はなくて・・・絶対に真犯人を捕まえてくる!と警察を
飛び出したジョンウォン。

犯人が地方訛りだったことを思い出したジョンウォンはジョンビンの車でそこまで行こうとして、
ドラムのオンニ(この人もソヒョンって名前でややこしい)に呼び止められます。
オンニはヒウォンが留置場にいることにすごく心を痛めてて。
「ジョンウォン、オンニ(自分)がヒウォンを救わないといけない」
「はい?」
「オンニがヒウォンをすごく好きだから・・・」
『誰が誰を好きだって?』とちょっと驚くジョンウォン。
で、ジョンウォンとジョンビンが地方のチョンジュに行くと聞いたオンニは、そこなら自分がよく
知ってるところだからと一緒に車に乗り込んで三人で向かうことに。

広い土地でホントに自分たちは犯人を捕まえられるだろうかと内心不安なジョンウォン。
「そいつらを探し出せますか?」と聞くジョンウォンに、「探し出さなきゃ」と淡々としたソヒョン。

実は・・・ソヒョンはどうやらチョンジュでは有名な姐さんだったらしくて(笑)
アネキの一言で舎弟の弟分たちがしゃかりきになって動いて、犯人一味の居場所を突き止めます。
ソヒョンはこんなことをしそうな人物に見当つけてて、それでこんなに早く見つけられたみたいで、
犯人たちがたむろしてる場所に乗り込もうとする直前にソヒョンはジョンウォンにこういいます。
「よく聞いてジョンウォン。世の中にはいろんな種類の人間がいて、ジョンウォンはその中の一人に
 会っただけ。だから今回のことで落ち込んだりしないで」
「え?? それは何のことですか?」
「イヤな光景を見ることになるかも知れない。その時は目を閉じてなさい」
いったい何のことかと戸惑うジョンウォンの頭をそっと撫でるソヒョン。

その場所にソヒョンや弟分たちが踏み込み・・・拉致犯の男たちをみたジョンウォンですが、部屋の
隅に唇を震わせて背を向けている女の子が。
「・・・トイ?何であんたがここに?」

犯人たちを殴るソヒョン(めっちゃケンカ強いみたいです)に、自分がオッパたちにやらせたんです
と泣きながら謝って止めるトイ。
自分がオッパたちに頼んで拉致計画をもちかけ、その罪をヒウォンに被せようとしたことを自白した
トイに、なぜこんなことをしたのかと?ショックを受けながらも聞くジョンウォン。
「ヒウォンになぜそんなことしたの?なんでヒウォンに?」
「そいつのせいでウンギュが苦しんでるからよ」
「ヒウォンを選んだのはあたしよ。ヒウォンにそんなことしないであたし一人にするべきだった」
「だからあんたもボコボコにしてらもうはずだった。失敗したけど」
「・・・後悔してないの?」
「後悔って何を?」
悪びれもしていないトイの首を絞めて、ビンタしまくるジョンウォン。
あんたのせいで他の人がどれだけ傷つくことになったかと怒るんだけど・・・
「他の人を傷つけてでもウンギュのところに行かせなきゃいけなかった!後悔しない!絶対しない!」
絶叫したトイに・・・ジョンウォンも力が抜けて床にへたり込んでしまいます。
「なんでこんなこと。バカなことを。こういう方法じゃなくてもウンギュが幸せになれるのに。
 こんなことしたらどうなるかわかってるでしょ?」
泣きじゃくるトイに近づいてソヒョンが優しく聞き、
「どうすれば?ウンギュはあの悪い女しかだめなんだって・・・あの悪い女がいないとこの世が
 全然見えないって毎晩泣いてるのに!他の方法があるんなら言って下さいよ!」
愛のせいで・・・バカな愛のために全ての人々が苦しんでお互いに恨んで。
愛は嬉しいものでならなきゃいけないのに、明るくてドキドキするものなのに、どうして私たちは
こんな姿で愛に向きあわなきゃいけないのか。
遠くにパトカーのサイレンを聞きながら、一人思うジョンウォン。