開京想曲(紅楼夢番外) 04 母と娘

ここでは、「開京想曲(紅楼夢番外) 04 母と娘」 に関する記事を紹介しています。
目を覚ますと見慣れた景色が目に飛び込む。自室の寝台にいるのだとソルソンは
わかった。視線を巡らせると、心配そうな表情でこちらを覗き込む母の姿が視界に入った。
何か言おうとして、頭の痛みに気づく。どうして痛むのか・・・
『ああ、そうだ』
気を失って倒れたときに、恐らく頭を打ちつけたのだろう。
思い至ったと同時に、ソルソンは布団の縁をぎゅっと掴んだ。寝台に横たわっているのに、
身体は寒さで震えていた。暗くて深い淵にズルズルと引きずりこまれていく。
そんな感覚に囚われる。
「助けて」と声をあげようとしても、寒さで声が出ない。
と、布団を握りしめている手の上から、母がそっと手を重ねてくれた。
「・・・かあさま」
子供の頃、怖い夢を見たときのように母を呼んでみた。すると、母は、
「ソルソン。私の娘」
と、優しい声で名を呼んでくれた。母がもう片方の手で何度も髪を撫でてくれる。
その手から温もりが伝わり、次第に身体の感覚が戻ってくる。布団に包まれている
身体が、じんわりと温かい。
ソルソンは布団の縁から手を離すと、両手で母の手をぎゅっと掴んだ。

<つづく>
今回はちょっと短めになりました (^_^;)
続きを書いてきまーす。

≪このお話の主な登場人物≫
 ★マークは「信義」のドラマか小説に登場していたキャラ
 〇マークは私が設定したキャラ

○ソルソン(雪松)
「紅楼夢」では、妓楼ソガン亭の主メヒャン(梅香)として登場。
 カンファドの宿屋を営む夫婦の一人娘。
 八歳でサンホと婚姻した。

○サンホ
 ホンサム(紅参:高麗人参)を取り扱う問屋の長男。
 十二歳でソルソンを娶る。

○ミヨン
 ソルソンの母。

○タンジ
 ソルソンの父。
 カンファドで宿屋をいくつか営んでいる。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する