画像でSS くまみやさんとコラボさせて頂きました 『花』

ここでは、「画像でSS くまみやさんとコラボさせて頂きました 『花』」 に関する記事を紹介しています。
くまみやさんの画にお話を書かせて頂きました。

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 『花』

真夜(まよ)のない、光溢れる天界で、
その花は咲いていた。

天上の世界だ。
数多(あまた)の花が百花繚乱に咲き誇っていただろう。
けれど、俺にはその花しか見えなかった。

花を・・・手折った。
懐に抱いて下界へ降りた。

無理やり連れてきた下界で、花は驚き、
花は慄(おのの)いて、見る間に萎れた。

全ての責は俺にある。
手折ったのは俺だ。
罵られてもいい。蔑まれてもいい。

だから、どうか・・・
前のように笑ってくれ。
お前の笑った顔が見たいんだ。

花は・・・
花は・・・俺と生きるのだという。

花は俺が傍にいなければ枯れてしまうという。
俺は花がいなくても生きていけると答えた。

いいえ。
貴方も私が傍にいなければ生きながら死ぬのよ。
花はそう言った。

貴方がいる場所が私の生きる世界なの。

水底の見えない濁った水でも、光が届かない闇でも
そこが貴方の生きる世界だというなら、私は貴方の
心を抱いて、そこでちゃんと咲いてみせるわ。







花が咲く。
凍える水に足を浸しながら、冷たい風に身体を
揺さぶられながら。


それでも花は、幸せそうに笑いながら花弁を広げる。
俺は微笑みながら、花の前に立ち、風を受ける。





生きていく。
この世界で、この場所で、共に生きていく。
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