紅楼夢 34

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「やっぱりこれ、邪魔だったわ」
ウンスは赤のモンスをさっと外す。物音とトルベの声に、部屋を出て様子を見にいこうとしたウンスをヨ
ンが引き留めて、「これと、これを」と渡されたのだ。言われるままに急いでチョゴリを羽織って紐を締
め、モンスを被ったものの、視界が悪かった。
ウダルチは、妓生のようなウンスに見とれるが、その視線を遮るようにヨンがウンスの傍に立ったので、
わざとらしく視線を外すほかなかった。
ウンスは割れた人垣をスタスタと歩いていくと、ヨンスとホンイの前で立ち止まる。
「ヨンスさん。貴方に用があって、ウダルチのみんなと一緒に来てもらったんだけど・・・」
「・・・私にですか?」
「ええ。でも、その用件は済んじゃったわ」
ニコッと微笑みかけられても、ヨンスはどう応じればよいのかわからない。いつしか、ホンイを掴まえて
いた手からも力が抜けて、するりとホンイの腕が離れる。
「メヒャンさん、どこか部屋を貸してもらえますか?」
「はい。こちらへ」
察したメヒャンが先に立つ。
「それじゃ、ヨンスさんとホンイは私と一緒に来て。あとのみんなは・・・」
「部屋で待機だ」
ウンスの語尾を拾うように隣からヨンが言い繋ぐと、トルベらが「はい」とすぐさま返事をする。
「あなた達も部屋に戻っていて」
メヒャンにそう声をかけられたトンニョンたちは、「はい」と返事をしたものの、皆心配そうな顔つきで
五人を見送った。

部屋にはヨンスとホンイ、そしてウンスの三人。
「ヨンスさん」
「はい」
「私、貴方をここに呼んで、確かめたいことがあったの」
「・・・何をでしょうか?」
「でも、それはもういいわ。さっきわかったから」
満足げに頷くウンスとは逆に、ヨンスの顔には戸惑いが広がる。
<果たしてヨンスはホンイのことを憶えているのか>
ホンイの話を聞いた限りでは、ヨンスはホンイのことを朝貢から守るためだけに婚約しただけで、彼には
他に本命の子がいるのだと思っていた。
けれど、先ほど廊下で見せたヨンスの目を見た時、それは違うのだと直感した。何とも思っていない子に
向ける目ではない。少なくともウンスはそう感じていた。
「あのね、ヨンスさん。ホンイから貴方に直接渡したいものがあるそうなんだけど」
ウンスがそう話を切り出すと、ヨンスは思い当たることがあったのか、ハッとした。
「・・・存じています。母が文で知らせて来ましたので」
伏し目がちに答えるヨンスの顔色は暗い。その表情を見たウンスは手応えを確かなものに感じて、言葉を続ける。
「そう。でも、私はその前にまず二人で話をするべきだと思って、それでヨンスさんをここに呼んだの。
ヨンスさん、貴方はどうしてひと目見て彼女が許婚のホンイさんだとわかったのかしら?確か、数年前に
一度か二度会ったきりだと聞いたけれど」
「それは・・・」
言いよどむヨンスに、ウンスはにっこりと笑う。
「じゃ、先ずはその理由(わけ)を彼女に話して。私は席を外すから」
ウンスはホンイに目をやる。ホンイは初めて会ったときのようにすがるような目を見せたりはせず、しっかりとこちらを
見返してくれた。
ウンスは安心して部屋を出る。

部屋を出るとヨンが待っていて、少し距離を置いたところにメヒャンが立っていた。
「話は終わったのですか?」
「ええ、まあ」
「ヨンスだったのですね」
「そうなの。貴方にまだ詳しいことを話してなかったわね」
「それは戻ってから伺います」
「・・・そう?」
「ええ。ではすぐに戻りましょう」
言うが早いか、背中をぐいぐい押して歩かせようとするヨンにウンスが慌てる。
「え?今から?」
「朝帰りすれば目立ちます。今なら夜もそれほど更けていない」
「イヤって言っても?」
立ち止まったヨンがウンスをじっと見る。「否」はない。目がそう言っていた。
「ふーっ、わかったわ」
あっさりと折れたウンスに、ヨンが怪訝な表情で覗き込む。
「なに?」
「聞き分けがいいので」
何か言い返そうとしたウンスがはたとする。
「あ、そうだ。着替えなきゃ」
このままでは目立つ。二人は立ち止まる。
「あの、チェ・ヨン様」
ずっとついてきていたメヒャンがそこで初めて口を開いた。
「酒と肴を用意してございます。せめてそれを召し上がってからでも」
「いや、いい。それよりこの方の着替えを急いでくれ」
「では、お召し替えが終わるまで、お待ちになっている皆様に酒と肴を・・・」
「用意が出来たらすぐに出るからいい」
取りつく島がない。大体の人はここで諦めるのだが、メヒャンは諦めなかった。
「お召し替えには一茶(十五分)ほどかかります。飲まず食わずのままでお客様にお帰り頂くわけには
参りません。医仙様を無理にお引き留めしたお詫びに、せめて・・・」
「要らん」
「(出た。『要らん』)」
互いに譲らない二人を前に、ウンスはしばらく傍観していたが・・・
「ねえ、じゃ、こうしましょう」
と提案を出す。
「私もお腹がすいたまま帰るのは辛いわ。でも、遅くなっても困るし。だから、簡単にお腹に入れられる
虫養いをご馳走してもらえますか?それなら食べるのに時間はかからないから」
「・・・」
ヨンは腕を組んだものの、何も言わない。今から戻ったところで兵舎に食べるものがないことはわかり
きっていた。
「『要らん』とは言わないから、それでいいみたいよ」
ニコッとメヒャンに微笑み、メヒャンは胸を撫で下ろす。
「ありがとうございます。では、早速お召し替えと食事の用意をしてまいります」
メヒャンがそそくさと席を外すと、ウンスが呟く。
「ねえ、私の勝ちね」
ガッツポーズをしてみせるが、それをしれっとスルーされた。
「・・・」
何か言いたげな口元だったけれど、いざ口にするとなると面倒だったらしい。歩きだした後ろ姿が少し
不貞腐れた様子で、ウンスは笑いをこらえながら後に続いた。

<つづく>

やってしまった(T_T)
前回更新した内容

誤:黒のモンス
正:赤のモンス

記憶があやふやすぎる。
そして、そして・・・
「なんで私、ウンスにモンスを被らせたんだよぉ(T_T)」
ウンスにモンスを被らせた(脱いでいたのに)・・・グスン
ウンスとモンス・・・
なんか似てる。

そしてそして・・・ヨンスとホンイ。
あとのことは二人に任せてってことで。
フェイドアウトしていくと思います。

昨日の夜、蜈蚣が出ました。
今年初の蜈蚣です。
なにかの暗示でしょうか?
(「完結、早く書けよ」とか・・・小さい字で書いてみた)
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