「処方」 ヨンが飲んだら 前篇

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りえさんの「処方」から広がったお話。

チャン・ビンが処方したものを「ウンスが飲んだら・・・」というお話を前にアップしました。
今回は「ヨンが飲んだらどうなる?」ってことでお話を書きました。
とりあえず前半が書けましたので、アップします。
読み切りじゃなくなったので、テーマを編集しています。
前の記事で更新通知が届いてしまったかもしれませんが、スルーでお願いします<(_ _)>

では、どうぞ~

ちなみに二人を話をしているのはここ。(夜の設定で)
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***********
夜更け。
康安殿から戻ってきたヨンに、「御医が来られています」と部下が告げる。
「用向きは?」
兵舎の二階。椅子を勧めながらチェ・ヨンが尋ねると、チャン・ビンは携えてきた
手提げから細長い瓶と小さな杯を取り出して卓に置く。瓶の中身が杯に注がれると
独特な香りが立った。
チャン・ビンは、その杯をすっとヨンの前に差し出すと、ヨンと向い合せに座る。
杯を一瞥したヨンが目で尋ねる。
「薬です」
「薬?」
「近頃テジャンが腹や胸に手を当てて、痛みを抑えていらっしゃる。声をかけるのが
憚るほど深く悩んでおられて、夜もあまり眠れぬご様子だ。ウダルチが代わる代わる
典醫寺にやって来ては、そのようなことを申し立てますので薬を処方して参りました」
ヨンは、黙って階下を見下ろす。夜もかなり更けているというのに、さしたる用もな
くウロウロとしている者が何人かいた。視線を感じた部下たちが、ぎこちない動作で
慌てて四方へ散る。その様を見届けてから、チャン・ビンの方に向き直る。
「要らん」
薬で治るものではない。そのことは、己が一番よくわかっていた。用が済んだので
ヨンは席を立つが、チャン・ビンは座ったままで動く素振りがない。
「これは細心の注意を払い、手間をかけて処方したものです。薬の元となる材料は
手に入りにくく、また手に入ったとしてもごく僅かで、此の度は二杯分しかとれません
でした」
『何が言いたい?』
ヨンが胡乱な目で見下ろすと、チャン・ビンはその視線を受け止めて、
「そのうちの一杯を、先日医仙に処方致しました」
と告げる。ヨンはおもむろに卓に手をつき、チャン・ビンの顔を覗きこむ。
「どういうことだ?」
尋ねるヨンの声は震えていた。
「医仙もテジャンと同じ病でした。胸が騒ぎ、物思いがやめられず、食欲も失せて、
眠りも浅くなっておりましたが、幸いにも処方がよく効いたようです。」
チャン・ビンの言葉に、ヨンは緊張で詰めていた息を吐くと、姿勢を正す。
「それは重畳。ではこれも医仙に持っていけ」
「摂り過ぎれば毒になる。それが薬というものです。これは医仙にはもう用のない
ものですが、今のテジャンには必要かと」
「御医」
「テジャン」
ヨンとチャン・ビン。二人の睨み合いはさほど長く続かないのが常だった。どちらかが
一方の意を汲んで折れる。大概はチャン・ビンが折れるのだが、今回は面倒になった
ヨンが折れた。
ヨンはついと手を伸ばすと、立ったままで杯の中身を一気にあおる。
「酒ではないか」
「いいえ、薬です」
至って真顔でチャン・ビンは答える。喉ごしは悪くなかったが、飲んだあと鼻に抜ける
香りが独特で強かった。
帰るチャン・ビンを戸口まで送ろうとすると、「こちらで結構です」とチャン・ビンが階段の
前で辞退した。下りていくチャン・ビンをヨンが見送っていると、
「ああ、そうでした」
と、チャン・ビンが振り返る。
「・・・何だ?」
「あの薬、実によく効くのですが、妙な夢を見る作用がごく稀に出ると聞いております。
万に一つ、そのような夢をご覧になっても、あまり驚かれませんように」
「なぜ今言う?」
明らかに不機嫌な声でヨンが問う。
「申し訳ありませぬ。飲んだ者が必ずしもそうなるわけではない故、忘れておりました」

友はそう詫びたあと、帰っていった。
ヨンは、腕組みをしてしばらくその場に立ち尽くす。
詫びながらも、友がどこか愉快そうな表情を押し殺しているように見えたのは、持っている
手蜀の灯りが揺れたせいだろうか。

<つづく>
ウダルチ宿舎の二階。この造り、どうなっているんだったかしらん?とシンイファンの方々の
ブログをいろいろと訪問させて頂きました。
(h様、ありがとうございました♪)

あ、今回はまだヘンシーンしておりませんが・・・
jさん、正解ヨン(^O^)/
貴女はすごかった。
さすが、モノに命は宿る設定を書いておられる御方♪
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