【りえさんの 掌編×21 1/11処方】からのリブログ その後のお話(ウンス編)

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シンイが日本のテレビで放送されたのが四年前の三月九日。
その日にちなんで「サンキューシンイ」と銘打って話を書こうとしたものの、私の下書き
ストックには暗いネタがオンパレード(笑)
(天音子ネタ、メヒネタ、王妃ネタなど、基本的に救いがあるような、ないようなもの)
お祝いごとなんだから明るいムードでいこうとネタ帳をひっくり返して見つけたのがこのネタでした。

タイトルで「あ!」と思われた方も多いでしょう。
去年りえさんが主催された七夕リレー小説のスタートとなったお話二つのうちの一つです。
(七夕リレー小説については七夕2016☆リブログでリレー小説 を参照ください)
「リブログさせてください」とりえさんに了解を頂いてから半年。
ようやくのお披露目です。
(りえさん、ありがとう♪)

ウンス編とヨン編の二つを考えていたんですが、ヨン編がまだ書けていない(^_^;)
とりあえず書き上げたウンス編を先にアップします。

【はじめに】
こちらのお話はまず りえさんの「処方」をお読みください。
(その続きを私が勝手に妄想して書いていますので)

りえさんの 「処方」

***********
「あんまり驚くなって、どういうことだろう?」
促されるままに布団に入ったウンスは呟く。
「それに、あちらも同じ病って・・・」
あちらというのはあの人のことだろうか。その人物を思い浮かべた途端胸はドクンと大きく打つ。
「また眠れないかもしれない」
その心配は不要だった。
目を閉じたウンスは、久しぶりにすとんと眠りの淵へ落ちていった。

気づくと、大きな石ばかりが広がる視界にウンスは立っていた。
『・・・これは・・・夢?』
遠くで何かが流れている音が聞こえる。視線を徐々に上に向けると巨大な樹木が生えている鬱蒼と
した緑の森が見えた。視線を動かすと、森の反対側にはとてつもなく幅の広い川が緩やかに流れていた。
先ほどから聞こえていたのは水の流れる音だったようだ。
と、足元の水溜まりで何かが動いた。
「?」
ふと覗き込む。水面に映っているのは、一匹の栗鼠(りす)だった。
おかしなことに、自分が動くと水面に映る栗鼠もびっくりした目でこちらを見つめながら動いた。
『ウソでしょ!?』
ウンスがのけぞると、栗鼠ものけぞる。頬に手を当てると、栗鼠も頬に手を当てていた。恐る恐る自分の
手や身体を見回す。開いた手は栗鼠のそれで、見下ろした足もやはり栗鼠の後ろ脚にそっくりだった。
何より、ふさふさした赤い毛が全身に生えていて(あら?腹の部分は白っぽいわ)、背後には身体と同じ
大きさはありそうな立派な尻尾があった。
「・・・驚くなっていうのは、こういうこと?」
あっけにとられてしばらく固まっていたウンスがようやく口を開く。
「・・・いや、驚くでしょ。これは」
栗鼠のほっぺを引っ張ると意外に伸びた。伸びきったところでつねってみると、そこそこ痛かった。
「嘘ーっ!!」
じわじわと足元からせり上がって震えが喉元に達したとき、夢なら今すぐ醒めろと言わんばかりに雄叫び
ようのな声が出た。
瞬間、傍にあった大きな岩の向こうから、黒い影が立ち昇ったかと思うと、見る見るうちに天を突くほど高く伸びた。
叫んで息を吐いたせいで声は出ない。かわりに、迫力に圧倒されてバタンと後ろに倒れた。

「キキッ!!」
小動物の鳴き声がすぐそばで聞こえた。
ヨンは、口元を腕抜きで軽く拭うと、ゆっくりと立ち上がって声がした方角を見た。
声の主はすぐに判明した。赤毛の栗鼠が一匹、川原の石の上にいた。
近くの岩陰にいた己に全く気付かなかったのだろう。こちらを見た途端に栗鼠は大仰にひっくり返った。
そのあられもない恰好に唖然とする。
しばらく見つめるが、栗鼠はその恰好のまま動かない。
手足は動かず、目は閉じたままだ。但し、ヒゲはひくひくと動いている。
「おい、死んだフリなど止せ。腹を出して寝転がっていると、空から丸見えだぞ」
興(きょう)が沸いて声をかけた。樹木の枝葉が届かぬ場所ではさぞ目立つだろう。空を見上げると、やはり
大きな鳥の影がゆっくりと旋回していた。
視線を戻すと、栗鼠はムクッと身体を起こしてのろのろと立ち上がった。
『この栗鼠・・・妙に人じみた仕草をする』
獣らしくない。こちらがじっと見ているのに、栗鼠は逃げ出そうともしない。そればかりか、ゆっくりとこちらに
やって来る。予想外の行動に、思わず身構える。栗鼠は、こちらの動揺などお構いなしに、己の傍らにある岩を
よじ登り、手を伸ばせば届くところまで近づいてきた。
腰丈ほどある大岩の上、栗鼠はじっとこちらを見る。
『・・・似ている』
真っ直ぐ見つめる瞳がそう思わせたのか。栗鼠の赤い毛色がそう思わせたのか。
そっと手を伸ばしてみる。栗鼠は逃げなかったが、触れる直前で躊躇した。
栗鼠は背をグンと伸ばすと、宙で留まった手に小さな前脚で触れてきた。栗鼠の頭をそっと撫でてみると、気持ちが
いいのか指の腹に頬をすりつけてきた。
撫でていると、妙な心地に囚われる。まるであの赤い髪に触れて撫でている。そんな感覚にすり替わる。
あの方は考え事が煮詰まると、決まって頭を抱えて騒ぐ。そのせいで髪が乱れるのだが、一向に気にする様子もない。
緩やかなうねりを帯びた毛先が揺れると、それだけで無性に触れたくなる。毛先が誘うように遊ぶせいだろうか。
触ってみたい衝動に駆られたことは数えきれない。一度でも触れて、撫でてしまえば、気は収まったのだろうか。
『・・・いや、違う』
こんなに柔らかく、滑らかで触り心地がいいと知っていたら、あの方を離さなかっただろう。
今こうしているように。

法螺の低い音が朝の澄んだ空気を震わせる。
その振動が耳に届くか届かないかで、ヨンは不意に眠りから覚めた。
目を開けて最初に飛び込んできたのは宿舎の見慣れた梁。
昨夜何度か寝返りを打ったあと、目を閉じたところまでは覚えていた。
そのあと眠ったようだ。
あれは、現(うつつ)ではなく、夢だった。
そのことを受け止めるまでにしばらく時が要った。
『余計に触れたくなった』
誰もいない部屋の中、漏れた落胆のため息が想外に大きく響き、ヨンは己の欲が形となって現れたことに
いくらか慌てた。

とんとん。
肩を叩かれる。
それから逃げるように寝返りを打つ。
とんとん。
知らんぷりする。
『いいとこなんだから邪魔しないで』
すると今度は、グラグラと身体を揺すぶられたので、ウンスは仕方なく目を開けた。
目の前にトギの顔があった。
「わっ!」
驚いたせいで目が完全に覚める。
<朝よ、朝。とっくに陽は昇ってる>
手振りでそう教えられて窓のほうを見る。陽は燦々と窓から入り、眩しいほど明るかった。
「あ・・・私、朝まで寝ちゃったのね」
ゆっくりと身体を起こしたウンスがそう呟くと、トギがヒラヒラと手を振る。
「ん?」
<よく眠れたみたい。いい夢みたでしょう?>
ウンスは顔が赤くなる。
<顔がニヤニヤしてた>
「・・・」
処方箋は効果抜群でぐっすり眠れた。いい夢まで見れるというおまけつきで。
頬に伝わるあの人の温もり、髪を撫でる手、じっと見つめる瞳。
「あ~っ!!」
思い出した途端ウンスは寝台の上で身もだえする。
「私、余計に眠れなくなるんじゃ?」

<終わり>

ヨン編では最初カナヘビで設定していたんですが・・・
気が変わって別のものにしました。
(つまり、ヨンがあるものに変身するファンタジーということですな)

問題です。
「さて、そのあるものとはなんでしょう?」
(ヒント 漢字だと二文字、ひらがなだと三文字ですヨン)

正解は、いつになるのかわからない「ヨン編」にて。
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