画像でSSを書こう 道行き

ここでは、「画像でSSを書こう 道行き」 に関する記事を紹介しています。
こちらは、シンイヨン周年期間限定ぐるっぽの企画「画像でSSを書こう」に
投稿したお話です。

加筆修正しております。

画像提供:チェヨン1さん 画像保管庫

画像の二次加工、コピー、転載、捕獲はおやめください


「待った?」
「参りましょう」
二人がそろって行こうとしたとき、向こうから王がやってきた。
「テジャン」
会釈するヨンの背後に、ウンスがさっと隠れる。
「医仙、隠れるところを見ると、ワンビの居場所をご存じのようですね」
口調は丁寧だが、明らかに王は苛立っていた。観念したウンスは、仕方なく口を割る。
「実は・・・」

そのころワンビは人気のない寂れた道を歩いていた。
チェ尚宮はワンビの隣を歩き、ムガクシたちは五人ずつ少し距離を離して前後を歩いて
いた。皆質素な旅姿の恰好だったが、ワンビ一人だけは男の旅姿といういでたちだった。
笠を深くかぶっているため、一見したところ男に見えないこともない。
『このような恰好をチョナに見られたら、恥ずかしくて死んでしまいたい』
見られたときのことを考えただけで、顔から火が出そうに恥ずかしかった。
と、前を歩いていたムガクシとチェ尚宮が同時に足を止める。チェ尚宮はワンビにも止まる
ようにと合図を送る。
「出てこい」
その声にヨンが、次にチョナが木陰から姿を現す。二人の背後からウンスが姿を現し、
こちらに向かって手を合わせて詫びる仕草をした。
知られてしまった。見られてしまった。ワンビは頭が真っ白になる。
「ワンビ」
チョナに呼ばれて、大波のように羞恥が押し寄せる。無断で王宮を出てきたこともきっと
お怒りになっているに違いない。途端に涙がこみ上げた。
「チョナ・・・」
「共に行こう」
優しい声で王が誘う。
笑みを浮かべたのは一瞬で、王妃の顔はすぐに曇る。不釣り合いな自分の姿に恐れを
なして、ワンビが大きく首を横に振る。王は急いで王妃を追いかけてきたため、召し替える
間もなかった。俯いて頭を振る王妃に王がフッと笑う。
「貴女は・・・このようななりをしていても麗しいな」
その言葉にようやくワンビが顔を上げる。
「髪を下していると清らな少女のようであり、そのように簡素に結い上げておるだけだと
いうのに、凛々しく、すがすがしい」
最後は照れたようにふいとチョナが顔をそらす。そのしぐさに、自分を慰めるその場だけの
言葉ではないことを知る。
「さあ、行こう。道は半ばほどだ」

ケギョンには子宝が授かるという有名な寺がある。
その寺に子宝祈願に参る際には、変わった決まりがあった。
【男が欲しくば、妻は男の恰好で。女が欲しくば、夫は女の恰好で参ること】

チョナがふと思いついてワンビに問う。
「では、姫が欲しくば、私は女の恰好か。ワンビ、そのときも一緒に参ろう」
その言葉にようやく王妃が楽しそうに笑う。真面目に言ったつもりの王は、王妃の笑いに
いささか心外だったが、女の恰好をした己を頭に思い浮かべると、秋の空にすがすがしい
笑い声をあげた。

*********
チェヨン1さんが出してくださった画は私にとって難題でしたが、ミルクさんはこの画で
マタギ〇シコ伝説を書いて、華麗なる無茶ブリレーをスタートされました。

この画だけでどう書こうかと悩んでいたときに、他の板にチェ・ヨン1さんがもう一枚載せて
くださって。それがワンビの男装姿でした。その画に救われました(笑)

 ※次はいよいよラスト、とこちゃんさんの画で書いたSSをアップ予定です。





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