ヨン周年企画 お題③『君ら隠してるつもりだろうけど普通にバレてるからな?』

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②から続く設定で・・・
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 あとに残されたウダルチの面々は、単純に喜んでいるものもいれば、嘆く者もいて
ちょっとした修羅場と化していた。
「オレたちのテジャンが・・・」
「さすがはオレたちのテジャン。天の医仙を娶るのも近いのではないか」
「お守りするために傍に居るだけだろう?違うのか?」
 副長のチュンソクも不在で止める者がいない。皆好き勝手に言いたい放題だった。
トクマンも何か言おうと遠巻きに様子を見ていたが、いつもなら誰よりも先んじて
この手の話に入ってくるトルベが何やら難しい顔をしていたのが目に入った。
「ヒョン、どうかしたんですか?」
 腕を組んで考え込んでいるトルベに声をかける。
「先ほどのテジャン、何かおかしくなかったか?」
「・・・何がですか?」
 問いかけに問いかけで返したトクマンにトルベが苛立つ。
「だからだな、うまく言えないのだが・・・なんかこう、いつもと違う・・・」
 トルベは己の違和感をうまく伝えられず、もどかしいのだが、聞いているほうの
トクマンもまた、トルベが何をおかしいと思っているのかわからずに困ってしまった。
 それで先ほど宿舎を出ていく二人のことを思い出してみる。
「あ!わかりました」
「何だ?」
「テジャンが、笑っていらっしゃいました」
「はぁ・・・それはわかっている」
 認めたくないが、テジャンはオレたちと共に居るよりも医仙様と一緒に居る方が
好きなのだ。そんなことは言われなくても承知している。オレだったらテジャンと女を
天秤にかけたら、当然テジャンを選ぶ・・・と思うのに。
「それに、何だかこう、いつにも増して愛嬌がありました」
「それもわかっている。テジャンが惚れた御方なんだから・・・」
「いえ」
 トルベがまだ何か言い募ろうとするのをトクマンが制する。
「テジャンの方です」
「は?」
 トクマンも自分で言ってみたものの、首を傾げる。
「どうしてそう思ったんでしょうね・・・」
「あ!」
 トルベはようやく気付いた。
「まずいぞ・・・しかし、誰がそれを言う?」
 オレは御免だ。でもあのまま行けば、さらにまずいことになる。
 その場を行ったり戻ったりとウロウロするトルベを、トクマンはしばらくきょとんと
眺めていた。

ウンスとヨンが典醫寺に向かっていると、回廊で二人のムガクシとすれ違った。会釈を
して道を開けたムガクシの一人がウォルだったので、ウンスが手を振って通り過ぎる。
ヨンも一瞥して通り過ぎた。
 姿勢を戻して再び回廊を歩き出したムガクシのウォルは、先ほどすれ違ったウダルチ
テジャンの姿が妙に頭に残って仕方なかった。
 近寄りがたい雰囲気のあの方が、いつもと違う親しみやすい雰囲気を醸し出していた。
気になってもう一度振り返ったウォルは、ようやく合点がいった。
『医仙様がなさったのだろうか?』
 首を傾げながら、ウォルはしばらくその場に佇んでいた。

 二人が並んで歩く姿を、物陰から呆れた顔で見ている者がいた。その人物は手に
持っていた小さな塊を、ヨンの後頭部めがけて投げつける。狙いは的確で狂いはなかった
はずだが、当のヨンは素早く振り向いて片手でウンスをかばうと、もう片手で投げつけ
られたものを素手で受け止めていた。
「コモ、物騒だな」
 ヨンの手の中にあったのは小石だった。
「物騒はお前だよ。何の真似だい?」
「・・・何がだ?」
 見当がつかない。そんな甥の顔つきに、チェ尚宮は大仰なため息をつく。
「己の形(なり)に気づかぬとは・・・嘆かわしいものだ」
 チラリと向けた視線は頭で止まる。隣に立っていたウンスが先に気づいた。
「あっ!・・・パートナー・・・ごめん」
 ヨンがハッと気づいて、ひったくるようにしてトゥゴンを外すと、結び目のところには
見たこともない飾り結びが施されていた。先ほどトゥゴンを結ぶ際に、ウンスは何の気なしに
リボン結びでくくってしまっていた。

 慌てるウンスと羞恥で石の如く固まった甥を眺めながら、チェ尚宮はもう一度ため息をつく。
「やれやれ。まったく」
「テジャンの身支度は、医仙様がなさっているそうだ」
「ではもう二人は夫婦同然の間柄なのか?」
「テジャンは、医仙様に頭が上がらないそうよ。愛嬌のある恰好をさせられても我慢
なさっているって噂よ」
「私も聞いたわ。トゥゴンを飾り結びにするんでしょう?それって天界では、「この人は、
私のものよ」っていう印だそうよ」
「へえぇ・・・」
ありもしない噂が宮の中を駆け巡る。

「勘弁してくれ(腕組みして渋面)」
「・・・ごめん(リボン結びのヨンを思い出して半笑い)」
「笑っているのですか?(気づいた)」
「・・・ううん(バレた。慌てて顔を引き締める)」
「(じーっと疑いの眼差し)」
「でも、意外と似合ってたわよ」
「!!」

<おわり>
トゥゴンに使われていた布地はシルクっぽいのでそんなにコシがないかもですね。
なので、そんなに目立つわけではなかったかも。
そんな想像も楽しいです。

最後までヨンで頂きましてありがとうございました。

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