空へ

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並んで歩いているはずが、気がつくといない。
見れば、道端にしゃがみこんでいた。
「ねえ、たんぽぽよ」
「・・・(見ればわかる)」
実をつけた植物があれば、「食べられるかしら?」と立ち止まり、
花が咲いていれば、「なんて花なの?」と聞いてくる。
度々の問いかけに少々うんざりしたヨンは、石と岩だらけの荒涼とした
道はないものかと、真剣に辺りを見回す。
「ふふふ」
ウンスは嬉しそうに笑うと、たんぽぽを一本だけ摘んで立ち上がって、
それを空にかざす。
「わー、見て見て。今日は雲一つないいいお天気」
片手でたんぽぽを掲げたままで、ぐるりと一周する。
「危ない」
足の軸がフラフラしているので、ヨンはウンスの二の腕を掴んで支える。
「ありがとう」
ようやくこちらに関心が向いたことで、先ほどまでの苛ついた心が
途端に穏やかになる。

ウンスは、しばらくそれをかざしたままの姿勢で空を見上げていた。
「何をしている?」
「たんぽぽを、空と太陽に見せているのよ」
「空に?」
「ええ。あなたたちのおかげで、地上にはこんなに可愛い花が咲いている
 のよって。それに・・・」
「それに?」
「そうね・・・『亡き人たちに捧ぐ』ってところかしら」
伝えたいことがようやく言葉になって、ウンスが微笑む。
「亡き人・・・」
「そう。『届け、届け。あの世まで届け!』って」
今は亡き人たちが少しでも心安らぐように・・・ウンスは、鎮魂の思いを空に向ける。

「共に」
その言葉と同時にヨンがウンスの背後に寄り添い、ウンスの腕に手をからませて
支えてやる。
垣間見えたヨンの瞳は静かで、ウンスは安堵する。

ヨンとウンス。
同じ空の下。
二人はしばらく空を見上げていた。

たんぽぽ
by:Vince Alongi さん


キム・ジョンハク監督に捧ぐ
(監督の命日に寄せて・・・)
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コメント
この記事へのコメント
〇〇ロスという言葉は当時ありませんでしたが、これにハマった方々の
コメントをよく目にしました。
おすすめのドラマ、機会があれば是非見てみたいです。

翻訳記事を書いていた頃はよちよち歩きだったのですが、
今は年長さんです。
月日の経つのは早いですね。

久々にお話ができて嬉しかった♪
あんまり代わり映えしないブログですが、どうぞまたお立ち寄りくださいね。
お待ちしております♪
2017/04/12(水) 05:06 | URL | シナモンロールさん #-[ 編集]
覚えてくださってて嬉しいです。
しかもご配慮頂きありがとうございます。
信義の話しなのに私のドラマと結びつけのコメントでしたので恥ずかしいのもあり鍵コメにしました。時間があれば是非見て頂きたいです。私の中で信義と同じぐらいはまり大好きなドラマ、今までこの二本以上のものには出会えてないです。

お子様も大きくなられたでしょうね、たんぽぽのプレゼント素敵ですね。

「エンジェルフライト」覚えていますよ。海外からの悲しい帰国のニュースを見るたびに思い出します。おりーぶさんの新聞記事は見てないですね。本を見るたびおりーぶさん思い出してましたよ。
信義つながりのこのご縁ありがたいです。
またお邪魔しますね。
2017/04/11(火) 13:28 | URL | シナモンロール #-[ 編集]
おはようございます。
(鍵コメで頂いていたので、お名前を伏せさせて頂きました)

> たんぽぽに目がいきました。
未見なのですが、そのドラマでもたんぽぽが大事な役割を担っているのですね?
たんぽぽ。
どこにでもあるありきたりな花ですが、どんな場所でも咲いてくれます。
交通量の多い道路の道端のアスファルト、河原の土手など、人の目につきやすいところで
あの元気な色を見せてくれます。
生命力の強さと可憐さをあわせもつステキな花です。
我が家のリビングのテーブルにもちょうどタンポポが飾ってあります。
(子供が園外散歩に出たときに摘んできてくれました)
嬉しいプレゼントでしたよ♪

さきほどコメの履歴を読み直していて思い出しました。
「エンジェルフライト」
憶えていらっしゃいますか?
この前、事件に巻き込まれて亡くなった小さな命もそのままの姿で
帰国を果たし、親族は最後の挨拶ができたようです。
そのことを新聞記事で読んだとき、この本のことを思い出しました。
もしかして〇〇〇〇さんもそうかなぁとちょっと思ったりして。

コメ、ありがとうございました(*^_^*)
2017/04/10(月) 06:03 | URL | 〇○〇〇〇〇〇さん #-[ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/04/09(日) 19:24 | | #[ 編集]
こんばんは

いつだったか、恋藍さんのブログにお邪魔させて頂いた折に
キム・ジョンハク監督の訃報が信義を知るきっかけになったと知りました。

監督は撮影時のラフな服装のアジョッシで、いつもフルパワーで
作品にのめり込んでいた。
時折映る撮影風景にそんな印象を持っていました。
監督は、ビジネスが得意じゃなかった。
それがなんだか監督らしくて・・・

イ・ミンホ氏と監督が、二人で作り上げたチェ・ヨンという人に私は今でも心惹かれて。
そういう気持ちを伝えたくなったのがこの記事でした。

あのう・・・
ここからは私のあやふやな記憶で・・・
間違っていたらごめんなさい。
この記事をアップしてからしばらくしたころだったと思います。
恋藍さんも監督を偲ぶ思いをどこかにつづられていて、同じように想う方がいて嬉しいと
書かれていたような・・・
そのとき、「あ、これ、私のことだったら嬉しいな」と思ったのを覚えています。
(もし、違っていたらここはスルーでお願いします(^_^;))

大事なことをちゃんと覚えていないなんともオマヌケなワタシですが、
これからもどうぞよろしくお付き合いくださいませ。

ps
可愛い桜をありがとうございました。
こちらも、やっと、やっとの八分咲きです♪
(花見に向かない天気が続いておりますが・・・)
恋藍さんは山桜のほうがお好きとか。
この季節、車を走らせていると山の緑のなかにポツポツと白に近い色の桜が
咲いているのをみかけます。
「あ~ あんなところに桜の木があるんだ」
ただそれだけのことなのですが、なんだか嬉しくなるのです。
なんでしょうね、この気持ち(笑)

コメありがとうございました♪


2017/04/07(金) 23:33 | URL | 恋藍さん #-[ 編集]
こんにちは おりーぶさん。

わたしね、この監督さんが居られなければ、シンイには会えなかったのです。

わたしの周りには....

おりーぶさんを始め、既に5年目を過ぎたドラマであっても、
相変わらず、美しい二人を 愛する人がいるから。
このたんぽぽのように、伝えたいなと。
見てみて、 って。

ありがとうございます、 これを書いて下さって。
ずっと伝えたいと思いながら、何がとは表現できないもので
竦んでいて、やっと云えます。

ありがとうございますe-235

(たんぽぽ見つけられず、 桜で♡)

2017/04/07(金) 12:02 | URL | #0f2350-koiai 恋藍 #/PBGCKnA[ 編集]
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