【シンイで年越し企画2015】紅楼夢 28

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婚約の儀はつつがなく執り行われ、ホンイは公に許婚となった。便宜上の婚約。
その目的が果たされた以上、婚約を解消するまでは互いに会うこともあるまい。
ヨンスは、そう思っていたので、婚約から数日後に屋敷の庭でホンイを見かけて驚き、
立ち止った。
そのまま見過ごそうとしたが、所在なげにぼんやりしていたホンイがこちらに気づい
て視線を向けてきたので、仕方なく声をかける。
「どうした?今日は一人か?」
辺りを見回すが、他には誰もいない。
「奥様に呼ばれました。でも、親戚の方がお越しになって・・・それで、外におります」
「・・・そうか」
二人の間に沈黙が流れる。聞いてしまった以上ここに一人で残していくのはどうも忍
びない。かといって、どう相手をすればいいのか。困って辺りを見回していたヨンス
の目に、赤い実が目に留まる。
「ついておいで」
「あ・・・はい」
いぶかしみつつホンイが後をついてくる。ヨンスは庭の隅にやってくると立ち止まって
振り向いた。
「棗は好きか?」
尋ねると、ホンイは小さくこくんと頷いた。
ヨンスがホンイを連れてきたのは、棗(なつめ)の木の前だった。ちょうど実りの頃
で赤茶色に色づいた棗がたわわになっていた。ヨンスは棗を一つとって、ホンイに差し
出す。ホンイはおずおずと小さな手を出してそれを受け取るが、なかなか口に運ばない。
『ああ、そうか』
気づいたヨンスは懐から小刀を取り出すと、渡した実を取り戻す。それを小刀で半分
に切り、中の種を取ってから実を再びホンイの手のひらに載せた。
ヨンスは、手を伸ばしてもう一つ棗の実をとると、そのまま齧った。甘さとほどよい
酸っぱさが口の中に広がる。
「うん、うまい。さあ、食べてみろ」
促されて、ようやくホンイも棗を口に入れる。
「・・・おいしい」
口元をほころばせて喜ぶ様子を見ると、胸に温かいものが広がる。ヨンスは次に、半
分だけ赤くなった実を同じように半分に切って小さな手の平に載せる。
「私はこれぐらい青みが残ったほうが好きなんだ。歯応えがいいし・・・」
酸味もあると続けようとしたヨンスだが、先にホンイが口に入れてしまった。その
酸っぱさに驚いたホンイが思わず顔をしかめる。素直な反応にヨンスは笑って、あと
半分残っていた実をホンイの手のひらからつまみあげると口に入れた。
「うん。うまい」
もう一つ赤い実を取って、切り分けてホンイに渡す。
「さあ、これは先ほどの実よりも甘いはずだ。皮に少しひびが入ったような模様がある
だろう?これが甘いしるしなのだ」
酸っぱさが口に残っていたのか、いささか慌てて取るホンイが可愛らしかった。
「あ、甘い」
喜ぶ声も子供らしくて愛らしかった。
「母はこの味が好きなんだ。さあ、棗を取るのを手伝ってくれ」

<つづく>
韓国でもソウルのそこかしこに棗の木が植わっているようです。
「ソウル 生のなつめ」でググッてみるとブログ記事がいくつかヒットします。
子供の頃、近所に棗の木があってよく食べてました。
食感はズバリ、りんご。
甘酸っぱくておいしい記憶♪
実が赤茶色に色づいたものは甘さが増しておいしい。
しゃくしゃくしてます。
だけどあんまり茶色くなりすぎるとこんどはパサパサした食感に(-"-)
見極めが大事。

ヨンスの回想シーンから抜け出せない(-"-)
書かなきゃ前に進めない(-"-)
だんだんまつりが迫ってくるのに下書き進まない(-"-)
こんな顔しながら日々が過ぎて行く(-"-)
完全に見極めを見失った~(笑)
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