【シンイで年越し企画2015】紅楼夢 23

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 その日、ヨンスは大通りの店をいくつか見て回っていた。
『ホンイに似合う小物』
 心の但し書きにはそれしか書かれていないのに、そのたった一つのことを叶
えてくれる品が見つからず、途方に暮れていた。
「なかなか、難しいものだな」
 ヨンスが、台に並べられた髪飾りをじっと見つめつつ、ため息混じりにつぶや
く。すると、
「何が難しいのですか?」
 と、少し前から隣に居た女が唐突に話しかけてきた。驚いたヨンスが視線を
向けると、そこに見知った顔があった。ミョンファだった。ミョンファはヨンスが見
ていた髪飾りのほうにしばらく目を留め、やがて視線をヨンスに戻す。
「別に。では、これで」
 ヨンスは、さっさと店をあとにする。これと思う品がなかったことと、知り合いに
出会ってしまった気まずさから足早に立ち去ろうとしたヨンスに、
「ねえ!もし!」
 と、ミョンファが声をかける。立ち止まることなく、無視してそのまま行こうとす
るヨンスの背中に、ミョンファは声を張る。
「私、良い品を扱っている店を知っております」
 その言葉に、ヨンスの足の動きが段々と鈍くなり、やがて立ち止まる。
 振り向いたヨンスに、ミョンファはにっこりと笑う。

「それで?」
 トルベが促す。
「ミョンファがその店まで案内してくれました。そこで品を見ているうちに、いつ
の間にか私はミョンファの「許婚」になっていました」
「はぁ?」

<つづく>
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