【シンイで年越し企画2015】紅楼夢 2

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あけましておめでとうございます♪

シンイに心を奪われた乙女たちの新しい年が始まりました。
今年もシンイにどっぷり浸かれる一年を願っております。
皆様、何卒よろしくお願い致します。

ちなみに私、妓生が出てくる有名なドラマを見ていないので
何もかもテキトーに書いています。
メヒャンという名前も「ファン・ジニ」の相関図からもらっちゃいました。
(Tom-tomさん、鋭い!)

メヒャンについてのキャラ設定は、どちらかといえば、やりての女主人ではなく、
こじんまりした妓楼の女主人ということで、おとなしい感じの方を思い浮かべて
頂ければ・・・と思います。

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「今から名を呼ぶ者は、私服に着替えてついて来い。妓楼に行く」
 ヨンが唐突にそんなことを言い出して、兵舎はたちまち色めき立つ。そして、ヨンの口か
ら名前が出るたびに、外れた悲鳴と当たった歓声で兵舎が沸いた。名を呼ばれた者は、
高揚した声で返事をし、周りから悔しさの詰まった強めの小突きを見舞いされても、にや
けた笑いが止まらず、外れた者は、隣の者に「今自分の名が呼ばれなかったか?」とわ
ざわざ訊いて、呼ばれていないという現実を改めて受け入れ、嘆きの声を上げていた。
 トルベは妓楼に慣れているせいなのか、呼ばれても特に喜びの雄叫びをあげることも
なく、「はい」と普通に返事をしていた。けれど内心では、テジャンと一緒に妓楼に行ける
喜びに打ち震えており、手入れの途中だった槍を両手で掴むと、その柄に額を押し当て
て目を伏せた。
 非番の日に、どこかに行こうと自分たちを誘ってくれたのはこれが初めてのことだった。
傍にいるのに、どこかで線を引かれている、自分たちを置いて遠くに行ってしまうのでは
ないか。そんな風に思えたテジャンを、近くに感じるようになったのは本当に最近で、医仙
様の影響が大きいのだとトルベは思っていた。
 医仙という単語が頭に浮かんだ途端、トルベはハッとなる。ちょうどそのとき、ヨンが再
び口を開く。
「恨むな。選んだのは医仙だ。なお、これは任務ではない。オレの手助けをしてもらうだけ
だ。都合の悪いものは申し出よ」
 その言葉に、兵舎の空気がガラリと変わる。
『なぜ医仙様が?』
『どうしてオレたちを?』
『テジャンと寝台を共にされているのに、二人の間には何もないのか?』
『そういえば、まだお戻りになっていない』
『医仙様に何かあったのか?』
 顔を合わせては無言で首を振ったり、或いは手振りで、小声で憶測と懸念が飛び交う。
そんななかで、ウダルチの一人が声を上げる。
「あ、あの、医仙様は・・・」
 「どういうおつもりなのか?どうしたのか?」。それを訊きたかったけれど、言葉が続か
ず語尾が消える。その問いにしばらく黙っていたヨンが、
「無事だ。恐らく」
 と答える。騒然としていた空気はたちまちに散り、兵舎は水を打ったように静かになる。
今はそれしか答えられないヨンに、名を呼ばれたウダルチも、呼ばれなかったウダルチも
目で「承知」と答える。
 部下たちの思いを受け止めたヨンはフッと笑みをもらして一言だけ告げる。
「行こう」

「ようこそ、おいで下さいました」
 ヨンを始めとするウダルチらを迎え入れ、メヒャンが挨拶する。ウダルチの中には、妓楼
に初めて足を運んだ者もいれば、初めてではないにしろ場馴れしていないせいで緊張し
た面持ちの者もいた。彼らは、目の前にいるメヒャンや、出迎えた女たちの浮世離れした
装いに完全に圧倒されていた。
「髪が赤く、口数の多いキーセン(妓生)に会いに来た。ここにいるはずだが」
 ヨンがそう切り出したので、隊員たちはギョッとしてヨンを見つめる。女主人だと名乗った
メヒャンは、
「はい、おります」
 と、至って平然と答える。
「テジャン殿はこちらへ。お連れの方々はあちらへ」
 メヒャンが、案内する際にヨンとウダルチらを引き離そうとする。トルベは「テジャン」と小
声で声をかけて、指示を仰ぐ。
「行け」
 トルベはヨンの言葉に頷くと、他の隊員たちを連れて、案内されるまま別の方向へと歩
いて行く。ヨンはメヒャンの方を振り返り、案内されるままについて行った。

 晴れ着はやっぱり新年にとっておきたい。ウンスがそう言うと、メヒャンが萌黄色のチマ
チョゴリを貸してくれた。ヘアスタイルはお団子に櫛を何本か刺しただけのシンプルなも
のだが、メイクだけは、夜の灯りの下ということで少し華やかさをプラスしてもらった。
 仕上がり具合を姿見で確認してクルリと回る。悪くない出来栄えに自然と顔もほころぶ。
そんなウンスを眺めていたメヒャンは、申し訳なさそうな顔を見せる。謀って罠にかけたこ
とを、今は心から後悔していた。
「相談してくれたら、最初から協力したのに・・・」
 こちらの事情を説明したところ、この方はポツリとそんな言葉を漏らした。その言葉が胸
に刺さった。メヒャンが自分を見つめていることに気づいたウンスが、鏡越しに尋ねる。
「どうでした?いました?」
「はい。いらっしゃいました」
「そうだと思った。あの人のことだから、その通りにしてくれると思ったわ」
 にっこり笑って振り返ると、戸口に向かう。
「さあ、行きましょ。殿方たちが待ってるわ」

<つづく>

【お知らせ】
こちらの「紅楼夢」のお話が終われば、FC2での二次のお話の更新は終わらせて頂き、
今後はパスワードを必要とする記事のみをFC2のほうでアップさせて頂きます。
(重要なお知らせや日々のことを綴るのはアメーバのほうになると思います)

二次のお話はアメーバブログ(「おりーぶの小部屋」で引き続き書いていきます。
(アメーバのタイトルのほうも「慈雨~ほぼ信義~」に変更予定)

どちらか一方のブログに引っ越しをしようとしたのですが、どちらのブログにも利点が
あり、引っ越しの難しさなども考慮して・・・二つを使い分けて更新していくことにします。
訪問頂く方にはご不便をおかけすると思いますが、何卒ご理解を頂きますよう
お願い申し上げます。
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