ムカデにまつわるエトセトラ(仮題)01

ここでは、「ムカデにまつわるエトセトラ(仮題)01」 に関する記事を紹介しています。
このお話は、りえさん主催の「シンイでなつまつり」企画で設けられました
まつり用リクエスト板に寄せて頂いた、まりんママさんのネタの種を
お話にさせて頂いたものです。

ネタの種。どんな花が咲くか!? 祭り用リクエスト板

まりんママさん、ネタの種をありがとうございました♪
(蜂⇒ムカデの変更も快諾頂き、ありがとうございました)
そして・・・Sさん、ありがとうございました。
コメをやりとりさせて頂くなかで、今回のお話を思いつきました。
まりんママさん、Sさん、有難うございました♪

連載になるのですが、そんなに長くは続かないと思います。多分。
週一ぐらいで更新できることを目標にして書いていきますね。
と、ここで大事なことを忘れていました。
私・・・お話のタイトルをまだ決めていなかった!
ということでタイトルは(仮)でいきたいと思います。
(次回までにタイトルが決まってるといいんですが・・・)

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「医仙がムカデに咬まれました」
 ワンビママの夕餉の差配をしていたチェ尚宮に、ヨンシがその知らせを持って来た。
ヨンシはウォルとともに医仙の警護を任されているムガクシで、チェ尚宮の信頼厚い部下
の一人だった。
「して医仙の様子は?」
 ヨンシの声が聞こえたワンビママが、心配そうに顔を曇らせる気配を感じながら、
チェ尚宮は戸口でヨンシとの会話を続ける。ヨンシはチェ尚宮よりも背が高い。それで
ヨンシは、少し背をかがめてチェ尚宮に報告する。
「大事ありません。御医がすぐに処置を致しました故」
 チェ尚宮はヨンシから事の仔細を聞いて渋い顔をする。
「やれやれ・・・」
 そんなつぶやきが口をついて出る。
「あいわかった。ではお前はすぐに医仙の元に戻れ。医仙の警護は?」
「御医にしばしの間務めて頂いております」
「うむ。では、もう行くよう」
「はい」
 一礼したヨンシが踵を返して回廊を渡って行く。その後ろ姿を見送ってからチェ尚宮は
部屋に入り、先ほど聞いた仔細をワンビママに報告する。すると、話をお聞きになった
ワンビママが、くすリと笑いを漏らされた。渋面だったチェ尚宮も、そのお顔につられて
顔をほころばせる。
 ソヨンを目前にしてチョナも、お傍に仕えるあやつも余念がない。そんなお二人を気遣
ってワンビママも深刻な面持ちをされることが多いこの頃だった。久しぶりのワンビママ
の笑みに心が浮き立つ。
 報告を終えたチェ尚宮は、ワンビママにしばし退席する断りを入れて戸口に向かう。
外にはムガクシが数人、ワンビママの警護についていた。傍に立っていたムガクシに声を
かける。
「チャンヒ」
 呼ばれてチャンヒが振り返る。
「はっ」
「今からウダルチテジャンに文を書く。お前はそれをもって康安殿まで行くように」
「・・は」
 チェ尚宮は、ワンビママの部屋を出ると、チャンヒを伴って私室へと戻る。
 ムガクシはウダルチとは成り立ちが異なる。ウダルチは、王や太子の護衛を目的とした
軍の組織の一つで軍人だが、ムガクシはあくまでも王宮に務めるナイン(内人)であって
軍人ではない。そのため、ウダルチのように兵舎も鍛錬場も初めはなかったのだが、ムガ
クシの歴代の首長が尚宮職を務めていたため、使われていない小さな客殿を宿舎として借
り受け、その庭を鍛錬場にするなどして、融通を利かせながら自らの環境を整えてきた、
特殊な組織だ。
 今チェ尚宮が向かっているのは兵舎として使っている客殿ではなく、尚宮としてあてが
われている部屋のほうだった。チャンヒはそのチェ尚宮の後をついて歩いた。部屋の前で
チャンヒを待たせると、ほどなくチェ尚宮がしたためた文を持って出てきた。
「これをテジャンに渡すよう、ウダルチに言づけよ」
「は」
 チャンヒが一礼して二、三歩ほど歩いたところで、
「待て」
 とチェ尚宮が突如呼び止めた。徳城府院君の間者であるチャンヒは、チラリと周囲を一
瞥して一呼吸置いて振り返る。正体が見破られたら逃げる必要に迫られる。それは、チャ
ンヒの無意識の行動だった。
「はい」
 チェ尚宮のほうに向き直るが、当のチェ尚宮は手を後ろ手に組んで庭を見ていた。
「チャンヒ。お前、その文をテジャンに直接手渡してくれ」
「はい」
 緊張を緩めたチャンヒが即答する。
「奴がその文を読んで、どんな反応をしたのか。それを後で知らせよ」
「・・・承知致しました」
 顔を上げて、その意を問う表情を浮かべて見せたが、チェ尚宮はそれ以上の説明をする
ことはなかった。チャンヒは一礼して康安殿へと向かう。
 歩きながら、懐に入れた文の中身が気になった。文は封もされていないことからさほど
重要は事柄ではないだろう。だがワンビママの傍近くに仕える尚宮からウダルチテジャンに
宛てた文である。機会さえあれば、目を通したかった。
 平時であれば、チェ尚宮の私室から康安殿の回廊までにはいくつか死角があったが、
今はソヨン(書筵)の前とあって警護が厳しくなっており、チャンヒが見当をつけた場所には
ムガクシやウダルチが立っており、中を盗み読むこともできない。
 下手な行動は身を滅ぼす。チャンヒは諦めて康安殿の入口で警備をしているウダルチの
近くでチェ・ヨンが出てくるのを待つ。しばらくすると、歩哨として立つウダルチの一人
がやけに動いていることに気が付く。
『あれはたしか・・・』
 チャンヒは記憶の糸を手繰る。
 ウダルチの槍の使い手で、名はトルベとか言ったはず。こちらに向かってチラチラと視
線を送り、ちょっかいをかけてくる。あんな男にしなを作って言い寄り、情報を聞き出す
ことはた易いが、それは自分の仕事の範疇ではない。辟易したチャンヒは、あらぬ方向を
見て視界から鬱陶しい奴を外す。
 ウダルチテジャンが出てくるまで、チャンヒはその時間が想外に長く感じられた。

<つづく>

ヨンシというのは彼女のことです。
紹介_ヨンシ

ちなみにチャンヒはこっち。(キ・チョル側の間者)
紹介_チャンヒ

一話目。
まさかのヨン&ウンスがいないパターンです(笑)
がっかりしないでくださいね、お願い!
次回からは登場しますので(これは保証します)

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コメント
この記事へのコメント
おはようございますワン♪

いえいえ、まりんママさんがリク板に書いて下さらなかったら
このお話は生まれませんでした。

設定のあるお話を書くということは、今まで自分の思った通りに
書いていた私にとって初めての挑戦でした。
どういう設定からこうなって、それでどうお話が広がっていくのか。
何度も何度も考えて、やり直して・・・そういう作業のなかで
新しく見えてくるものもありました。

楽しかったです。(まだ終わってませんが)
まりんママさんから頂いた種がどんな花になるのか・・・見守ってくださいナ



> おりーぶさん♪こんにちワン
> 私のネタだなんて・・・ほんのとっかかりなだけじゃないですか~大げさですよ~ぉ
> 恥ずかしくて、今 顔が真っ赤っ赤です(笑)
> 丁寧なご紹介に恐縮です(#^.^#)
>
> こんなに奥深い話になっていくなんて、おりーぶさん♪スゴイです♪尊敬です!続きを読むのが楽しみ~~~★
2015/09/15(火) 05:34 | URL | おりーぶ #-[ 編集]
このコメントは管理者の承認待ちです
2015/09/14(月) 09:15 | | #[ 編集]
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