【韓国小説】ドレミファソラシド #114~116

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写真を胸に抱いてむせび泣くウンギュをウンギュの両親もじっと見守ってて。
ようやくチチピの正体がわかったジョンウォンは自分をバカ呼ばわりして。

ウンギュが抱きしめていた写真に写っていたのはウンギュにコーラを注いでる竜の着ぐるみ。
ジョンウォンはあのときのことをぼんやりと思い出します。
そういえばウンギュの友人が面白そうに二人がケンカする場面をケータイで撮っていたことを。
『なんで気づかなかったんだろう、ウンギュはあたしを探していたのに・・・』

あまりにも辛くて、悲しくて、ヒウォンを選んだあたしを消してしまったウンギュ。
(きっと、そうしないと生きていけなかったんだ・・・)
だけど二人がはじめて出会った頃のことは形を変えて、彼の記憶に深く刻みこまれていた。
それがウンギュにとってすごく大事な思い出だったから消えなかったんだ・・・

写真を頬にすりつけてウンギュはチチピに話しかけてて。
「チチピ、どこにいるんだ?オレはもう遠くへ行くっていうのに・・・なぜ出てこない?
 オレはお前に会いたくて死にそうなのに・・・」
涙でぬれた頬を写真にすりつけるウンギュにたまらずジョンウォンは駆け寄って。
「ウンギュ」
「チチピ、どこなんだ?」
「ね、ウンギュ、あたしの話を聞いて」
「チチピ、ごめん。オレが見つけてやれなくてごめん。オレがお前を探し出さなきゃいけないのに」
ジョンウォンはウンギュの両肩に手を置いて正面から見据え、
「ウンギュ、それはあたしなの。ねえ、チチピはユン・ジョンウォンなの。あんたが切実に探して
 いるチチピはあたしなのよ。ウンギュ、ウンギュ!」
言葉を区切るようにハッキリと自分がチチピなんだと説明するジョンウォン。
でもウンギュはそんなジョンウォンの両手を振り払って、警戒した目つきで写真を大切そうに自分の
胸に抱きしめてしまって・・・チチピ=ジョンウォンという話を完全に否定。

二人の様子を見ていたウンギュ父が息子の前に立ち、もう行こうと促すのでジョンウォンは二人の
前にパッと立ちはだかってそれを阻止します。
「おじさん、待って下さい!」
「・・・君はまたどうして?」
「ダメなんです。私が離れられないんです!お願いです!ウンギュの記憶が取り戻せるんです!
 本当なんです!」
「どきなさい、ジョンウォン。我を張るんじゃない」
「どうかお願いです。分かったんです。ウンギュが探していたのは誰か、会いたかったのは誰か。
 おじさん、ウンギュを連れていかないでください。このままウンギュが行ってしまえばウンギュも
 私もダメになってしまいます!」
涙まじりで懇願するジョンウォンだけど、なおもウンギュ父は息子の手を引っぱって強引に連れて
行こうとします。
「一週間!おじさん、一週間の間に私がウンギュを元に戻してみせます。お願いです、一週間だけ
 時間をください。お願いです!」
「・・・こんなウンギュが変わりはしないよ、ジョンウォン」
治療も一通りうけたのにウンギュの症状は悪くなるばかりで何の希望ももてないウンギュ父。
「ソヒョンオンニも連れて行ってしまったじゃないですか。お願いです、ウンギュを連れて行くのは
 やめてください」
(ソヒョンは半ば父に強引に薦められるまま、他の男と結婚しちゃったのかな~)
ウンギュ父は泣きじゃくって懇願するジョンウォンを静かに見つめ・・・
「君を信じてみよう」
と言い残して二人を残し、部屋を出て行きます。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
ウンギュ父はとっくにいないのに部屋のドアに向かって何度もおじぎをしたジョンウォン。

二人きりになるとすかさずウンギュの前に座り込み、冷静にチチピの正体を説明するジョンウォン。
「ウンギュ、写真をよく見て。これは着ぐるみなの。この中には人が入ってるのよ。
 あたしが遊園地でアルバイトしてたとき、この着ぐるみに入って働いてたの」
「アブドラ」
「で、あんたがある日友だちと一緒にその遊園地に遊びにきたの。あたしはこの着ぐるみをかぶって
 注文を受けてたのに、あんたが『竜だったら火を出せ』ってからかったからあたしがあんたの頭に
 コーラを浴びせてやったのよ」
「チチピを探して」⇒(ジョンウォンの説明を全く無視するウンギュ)
「そのときにあんたの友だちがそれを写真に撮ったの。その後あたしたちは屋上で再会したの」
「チチピを探して。もうお前をからかったりしないし、悪いこともしない。チチピに会えなくて息が
 出来ない。チチピは毎日夢に出てくる、だけど目が覚めるといないんだ」
「・・・バカ。チチピはあんたの目の前にいるのになんでわからないのよ。どうしたらわかって
 くれるの?どうやったらあたしがチチピだってわかってくれるのよ」
自分の話にちっとも耳を傾けてくれないウンギュに途方に暮れたジョンウォン。
だけどウンギュ父と約束したから一週間以内にどうしても方法を見つけ出さなきゃいけなくて。

絶対にやり遂げてみせると決心したジョンウォンはバイトしていたロッテワールド遊園地に行き、
竜の着ぐるみ(頭の部分のみ)を苦労の末に手に入れることに成功!
そのままウンギュの家に直行します。

竜の頭を被ったジョンウォンに驚きと戸惑いを見せるウンギュ母に、
「期待してください!すぐに感動することになります!」
と自信満々のジョンウォン。

ウンギュの部屋の前で深呼吸し、竜の頭を被って静かにジョンウォンはドアを開けて。
「・・・!! チチピ!チチピ!」
突然目の前に現れたチチピにそれ以上の言葉が出てこず、硬直してしまったウンギュ。
「こんにちは、私はチチピ」
「・・・・・・」
「久しぶりだね、ウンギュ」
「本当に?本当にチチピなのか?」
「うん、私はあなたに会いにきたんだよ!」
と、ここで天井を指差したジョンウォン。
「遠いところからここに降りてきたの。ウンギュ、元気だった?」
「チチピ!」
ウンギュはいきなりジョンウォンをぎゅううっと抱きしめてきて・・・頭に被りモノをしてなかった
らもっとよかったのにと心の中でつぶやくジョンウォン。
「会いたかった!どこから?なぜ今になって現れたんだ?チチピ?!」
矢継ぎ早のウンギュの質問責めにそろそろ正体を明かすときだと見はからったジョンウォンは、
被っていた竜の頭の着ぐるみをそうっと脱いだ。
「よくみてウンギュ。チチピはあたしなの。ユン・ジョンウォンなの」
低めの声で冷静にそう告げたジョンウォンだったけど・・・

ジョンウォンが次の瞬間目にしたのは、床に下ろした竜の頭に話しかけているウンギュで・・・
「久しぶりだな、痛いところはないか?オレのことずいぶん嫌いになっただろ?大丈夫、泣くな」
「・・・いや、ウンギュ。それは着ぐるみだから。あたしがチチピなんだってば」
「ん?震えてるのか?疲れただろう、チチピ。ふとん・・・いや、オレのベッドで一緒に寝よう」
そう言ってウンギュは竜の頭を拾い上げ、さっさとベッドに入りこんでしまいます。
「アブドラ!チチピを探してくれてありがとう。オレがトンデクマンを与えよう。チチピ?
 チチピ、なぜ話さない?眠いのか?起きたら話してくれるのか?」
「ウンギュ、それはあたしなんだってば!チチピがあたしなの!」
強く訴えるジョンウォンをチラリと横目で見たあと、さっさと目を閉じてふとんの中に頭をいれて
しまうウンギュ。
「チチピ、オレたち一緒に寝るのは久しぶりだな?!ギュッと抱き合って寝ような」
・・・10秒後にはスヤスヤというウンギュの寝息が耳に入ってきたジョンウォン。

こんなのってない!じゃあ、あたしは一生あの着ぐるみを被って生きなきゃならないの?
ウンギュを愛してるならそうしてもいい。だけど他の人がそれを被ったらウンギュは迷いもなく
そいつのところに行ってしまうじゃない!
ううん、諦めるのはまだ早い。冷静になろう。他に方法があるはず・・・神様、お願いです!

その時ジョンウォンの脳裏をかすめたのはウンギュの主治医!
さっそく病院に駆けつけて、オペが終了した主治医を捕まえたジョンウォンは事の次第を説明します。
先生の説明だと、今のウンギュはチチピとジョンウォンが同一人物だということを強く否定している
からその認識を変えることはムリだろうと言われて絶望するジョンウォン。

そのうえで・・・「可能性があるかどうかはわからないけれど」と、前置きして先生がひとつの方法
をジョンウォンに提案します。
ウンギュとジョンウォンが別れた日、すなわちウンギュがとてつもなく大きくて悲しい衝撃を受けた
日のことを再現し、その状況で竜の着ぐるみを脱いでみたらどうだろうかと言います。
ただし、あの日の出来事を追体験できるようになるべく環境は忠実に再現する必要があると。

サヨナラ公演を再現するなんてとてつもなく難しいことなんだけど、可能性が少しでもあるならば
やってみるしかないと決心したジョンウォンは早速ドラムのソヒョンオンニに連絡し、ウンギュを
元に戻すためにはサヨナラ公演を再現させる必要があることを説明します。
ナリとヒウォンにはソヒョンが話をすることになり、ジョンウォンはウンギュの母校に連絡をして
講堂を借りられるように頼むことに。
サヨナラ公演を見にきていた卒業生たちにも連絡をとるために母校のネット掲示板に、ウンギュの
ために集まって欲しいと詳細を記したジョンウォン。

場所は確保できるだろうし、演奏についてはドラムのソヒョンオンニにお願いしたから問題ない。
一番大事なのは・・・ウンギュを演じる人物が急務ってこと。
 (ウンギュに一部始終を見せる必要があるから。
  映画ではヒウォン役の子がやってましたが、それだとウンギュの記憶ではヒウォンがあの日
  公演にいなかったということになっちゃいますよね)

ウンギュが知らない人物で、なおかつ彼に背格好が似ている子がいいんだけど・・・
条件に当てはまる人物がいなくて、自分の部屋で頭を悩ませていたジョンウォンですが、そこに
ひょっこりと顔を出したのがチェガンの友人ダヒョン!
「ヌナ、チェガンはまだ帰ってないんですか?」
と聞いてきたダヒョンをひと目見て、「この子だ!」と閃いたジョンウォン。
ダヒョンにウンギュ役をやって欲しいとかなり必死に頼み込みます。

ダヒョンはジョンウォンから詳細を聞いて、自分の役割がかなり重要なものだと知ってちょっと
自信なさげで不安そうな感じ。
そんなダヒョンにおかまいなしにジョンウォンはダヒョンを早速練習スタジオへ引っぱって行き、
ソヒョンやヒウォンたちと合流させます。

そこでヒウォンからもうひとつ問題があるんじゃないかと言われたジョンウォン。
「あの日のやりとりをどうするんだ?とてもじゃないけど全部は思い出せないぞ」
「・・・思い出さなきゃ。頭の中をひっくり返してでも思い出さなきゃ!」
「あ!そうだ。ナリだよ!」
「え?」
「ナリのママがあの日公演にきてビデオカメラで撮っていたはずだ!」
「じゃ、すぐにナリに頼んで。ところでナリはどこにいるの?」
スタジオに姿が見当たらなくてキョロキョロするジョンウォンに、ヒウォンはナリに連絡したけど
来ないつもりだと話します。

そこでジョンウォンはナリの住所を聞いて彼女を訪ねて行きます。
充血した目でジョンウォンを出迎えたナリはビデオのテープは渡すけど、公演には行かないと言い
だします。
公演は三日後だから急すぎると断るナリに、ジョンウォンはウンギュのためだってソヒョンオンニ
から聞いたでしょ?と説得。
「ウンギュのことが好きなんでしょ?だったら・・・」
「オッパのことが好きだから行かないんです。オッパとオンニの感動の再会をそばで見ていろって
 言うんですか?しかもその再会を演出する側に回れって?」
「ウンギュがあたしを思い出すのがイヤでそんなこと言うのよね。だけどウンギュが元に戻って
 くれるならっていう考えはないの?それだけを考えられない?」
「オッパはもしかしたら今が一番幸せかもしれません。それなら元に戻らなくても・・・」
「だから出来ないって?」
「元に戻る可能性が低いならオンニもオッパをそっとしておいてください。オッパを苦しめないで」
「よく聞いて、ナリ!ウンギュを苦しめるなって?ウンギュが今幸せですって?
 じゃあウンギュが今まで生きてきた19年間の記憶はどうなるの?一緒の時間を過ごした人たちを
 全部なくすのよ。それでもウンギュが幸せだと?」
静かに諭すジョンウォンの言葉に・・・それでも背を向けたナリに、
「・・・来るのかどうかはあんたが決めて。おやすみ、ナリ」
そう言葉をかけて出て行ったジョンウォン。

家に帰ってビデオテープを再生してみたジョンウォン。
舞台の上で楽しく歌っているウンギュの姿、ヒウォンとソヒョンオンニ、そしてナリ。
ウンギュが講堂を出ていく後ろ姿までナリのママはちゃんと録画してくれてて・・・
涙が止まらないジョンウォンでした。
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