ドラマ「信義」関連の記事を更新しています。「韓国には行ったことがありません」からブログタイトル変更しました。
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「十七まであと二年。今、婚約を解消する理由を聞いてもいい?」
 便宜上の婚約を交わした経緯はわかった。では、今なぜその婚約を解消しよ
うとしているのだろう。ウンスは、その理由が気になった。
「・・・兄様には、真(まこと)の許婚がいらっしゃったのです」
 溜めていた息を吐き出すのと同時にホンイが言葉を繰り出した。

 ひと月ほど前のこと。
大通りから一つ入った小路を歩いていたときだった。角を曲がろうとしたとき、
斜向かいの店の軒先に目が留まった。ヨンスがそこにいた。
 七年前に見送った際には線が細く、幾分ほっそりとした印象を受けたヨンスだ
ったが、今、視線の先にいるヨンスは凛々しい青年へと変貌し、ウダルチでの
日々の鍛錬の成果を物語るように、体躯は厚みを増していた。
 頭の中でずっと思い浮かべていたヨンスと、目の前のヨンス。その二つがうま
く重ならず、戸惑いが霧のように胸の中に立ち込める。けれど、次の瞬間二人の
ヨンスがピタリと重なる。
 気に入った品でも見つかったのだろうか。俯いていたヨンスの顔に微笑みが
浮かぶ。笑みを浮かべたその面差しは、ホンイが「兄様」と呼ぶヨンスその人
だった。勇気づけられたホンイは一歩また一歩とヨンスに近づいていく。ヨンス
は店先の小物に見入っており、顔を上げる気配がない。
 通りを挟んだこちらからは、まだ少し距離があった。声をかけようか、どうしよ
うか。迷っている間に、ヨンスがふと顔を上げる。ホンイは立ち止まった。ヨンス
がこちらの気配に気づいたのだろうかと思った。
 すると、店の奥から背の高い、目鼻立ちの整った女性が出てきて、いきなりヨ
ンスの腕を引っ張る。最初は嫌そうな態度を見せていたヨンスが、渋々ながら
も引かれるままに、店の奥へと入って行く。
 縫いつけられたように、その場から動けなくなった。どのくらいそうしていただ
ろうか。やがて、二人が店の奥から出てきた。女性は上機嫌でヨンスの腕に手
をからませて耳打ちすると、ヨンスは外そうとしていた手を止めてそのままにし
ていた。
 店の主の中年女性が、二人を見送る。数件先の服の生地を取り扱う店で、女
性が足を止めると、ヨンスが女性をそこに待たせて店に戻って来た。先ほど見
ていた品を手にして代金を払ったヨンスが、再び女性の元に戻って行く。
 一連の出来事をホンイはただぼんやりと見ていた。二人が通りの角を曲がって
消えてしまっても、その場を動けずにいた。放心して立ち尽くすホンイに、誰か
がぶつかって、その勢いでようやくのろのろと歩きだす。
 足はいつの間にか、先ほどヨンスが立ち寄っていた店の方へと向かう。店先
で、ヨンスが見ていたと思しき辺りを黙ったまま見つめていると、気づいた主が
奥から声をかけてきた。
「お嬢さん。その髪飾り、いいでしょう?ついさっき、それと色違いの赤と白が売
れたばっかりなんですよ。その黄色も、若々しいお嬢さんにお似合いですよ」
 主は、ホンイが興味を引くようにと一気にまくしたてる。
「腕のいい職人が、一つ一つ拵えた品でしてね。赤いのを買った娘さんも、ひと
目で気に入って。でもねぇ・・・参りましたよ。半値にしてくれって言われましてね。
そんなことしたら、こっちは儲けがなくなっちまう。それで、婚書(ホンソ)を入れ
る箱を、一緒にいた許婚の旦那に買って頂いたんですよ。それなら、こっちも
損はないですからね。その旦那、相手の娘さんに内緒であとから白いほうもお
求めになって。いい男がベタ惚れで太っ腹だなんて、羨ましいったらありゃしない」
 調子に乗り過ぎたと思ったときには遅かった。客の若い娘は何も言わず、店
先を後にしていた。

 婚約が仮初めのものだということを、どうして自分は忘れていたのだろう。
「私はいつの間にか、兄様の真の許婚だと思いこんでおりました。けれど、そうで
はなかったのです。兄様は、そのお心に別の方を抱いておいでだったのです」
 日が経つにつれ、あの日見た光景の衝撃が薄れると、今度は、ヨンスを仮初めの
約束に縛りつけていることに、いても立ってもいられなくなった。それで、婚約を
解消すると母に言い、説き伏せたのだという。

「婚約を解消したそのあと、あなたはどうするつもり?」
「私は・・・大丈夫です」
 ホンイは、自分に言い聞かせるように答える。
 七年の間に世の中も、ホンイを取り巻く状況も変わっていた。今の王様は元国へ
の朝貢を取りやめにしており、父は狩りの際の落馬がもとで身体の具合を悪くして
以来母と自分を頼りにしていた。恐らく、自分は貢女として差し出されることはな
いだろう。
『けれど・・・』
 これから先、兄様を想わずに生きていくことが出来るのか。そう訊かれていたら
返事が出来なかっただろう。断ち切れぬ思いを、婚書を返すことで絶ってしまおう。
それがホンイの決意だった。

 最初は、ヨンスに会って直接婚書を返そうとしたけれど、二人で会っているとこ
ろを相手が見たらと誤解を受けてしまう。それで、母の知り合いだったメヒャンに
相談したのだった。ヨンスが自分のことを忘れていて、「お前は誰だ?」と尋ねら
れたらという不安や怯えは絶えずつきまとい、いっそ誰かに渡して終わらせたいと
いう誘惑に駆られたのが先ほどの顛末だった。

 顎に片手をあてて考え込んでいたウンスが顔を上げる。
「それじゃ、こうしましょう。一対一で会うんじゃなくて、大勢で会いましょう。
ヨンスさんがあなたを見分けられたら、直接婚書を彼に返す。あなたのことが誰だ
かわからなかったら、そのときは私がその包みを預かって話をするわ。どうかしら?」
「大勢・・・ですか?」
 ホンイが戸惑いの声をあげる。
「天界では合コンっていうんだけど・・・あと四人ほど女の人を集めてもらえます
か?できれば、ホンイさんと歳が近いほうがいいわ」
「わかりました」
 メヒャンはウンスの意図がわかったようで快諾してくれた。
「じゃあ、決まり。私は、ヨンスさんを含めたウダルチを五人ほど呼ぶわ。人数は
合わせなくちゃね。ホンイさんは、さりげなくヨンスさんの隣に座ってね。但し、
私は呼び出すだけよ。その先は知らないわ」
 そこから先は二人の問題だから。ウンスの言葉に込められた意味をくみ取ったホ
ンイは、覚悟を決めて、
「はい」
 と、厳かに答える。ウンスはにこりと笑う。
「さあ、それじゃあ、早速文を書きましょ」
 雰囲気をガラリと変えるように明るく言うウンスに、ホンイもようやく口元をほ
ころばせる。
「あ、それから私、漢字が書けないのよ。画数が多いし、難しいし。だから、誰か
に書いてもらわないといけないんだけど・・・」
「私が書きます」
 メヒャンが答えて、紙と筆を用意する。

<ケンチャナヨ괜찮아요>
 メヒャンが書いた文の最後に、ウンスが細筆でハングルを一言書き加える。メヒ
ャンもホンイも、丸印と棒で記された文字に目を注ぐ。
「これは天界の文字ですか?」
「そう。これは天界の言葉で<大丈夫>っていう意味よ。これはあの人の心を守る
呪文だし、メヒャンさんにとって護符になるかな」
「護符・・・ですか?」
 メヒャンが首をかしげる。自分の名前がそこで出てくるとは思ってもみなかった
ようだ。
「<この人は悪い人じゃありません。だから私は大丈夫よ>。そう書いておかない
と、心配性の虎が来たときに、勢い余ってあなたを咬むかもしれないから」
 冗談なのか本気なのか真意を計りかねているメヒャンに、
「ヨンスさんに確実に来てもらいたいの。だから、あの人に連れて来てもらうわ」
 とウンスがいたずらっぽく笑う。
「ああ・・・それでは・・・」
 メヒャンがようやく理解する。
「『崔塋様へ』って、表に書いてください」
 ウンスがニッコリ笑う。

<つづく>

よ、ようやく・・・やっと・・・
ヨンス&ホンイから脱出しました。
でも再会したらまた長くなるんじゃないかとちょっと怯えてたりして(汗)

再会した二人には触れずに終わらせたりして~あははははは
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 ヨンスはキム家の一人息子だった。

 家は代々武官の家柄で、ヨンスの父は禁軍の中郎将だった。ヨンスが、禁
軍とは犬猿の仲であるウダルチに入ると口にしたとき、父は反対しなかった。
「お前のやりたいようにしなさい。禁軍とウダルチ。互いに切磋琢磨する相
手がいなければ成長はない。それに、危急の際には手を組み、敵を跳ね退け
る必要がある。双方の橋渡しとして、父子がそれぞれの組織に属するのも悪
くない。互いの組織を外から見て、お前は私に、私はお前に、客観的な意見
が述べられるだろう」
 そう言ってあっさり許した父に反して、母は異を唱えた。
「なぜ、禁軍ではなく、ウダルチなのです?!」
 おっとりした貴族の品の良さが漂う父(馬に乗ると人が変わるらしい)を、
恰幅のよい母がぐいと押し退けて、息子に詰め寄る。
「チェ・ヨン様がいらっしゃいます」
 ヨンスが即答する。
「あのチョグォルテ(赤月隊)だったとか噂のある?」
「はい」
「他には?」
「ありません」
 ヨンスの母は、息子を惑わすチェ・ヨンとやらを思い浮かべて舌打ちする。
『なんと余計なことを・・・』
 禁軍であれば、王宮の警護や、ケギョンを防衛する役割を担うが、ウダル
チは常に王の傍近くで仕えることになるのだ。王との距離があまりにも近い。
近すぎて恐ろしいのだ。
 折しも御世は先代が亡くなり、幼い王が擁立されたばかり。先代の王(忠
恵王のこと)は大変な暴君で、王宮に仕える者たちが、身を縮めて息を殺し
ながら仕えていたことを、夫や知人から伝え聞いて、嫌というほど知っていた。
 幼い王はその暴君の嫡子だ。長じて政事を行うようになれば、元国との板
挟みに嫌気がさして、父と同じく遊興に逃避して民を苦しめる道を歩むかも
しれない。先代の王は、獣を狩るのに飽きて人を狩った。そんな、人の形
(なり)をした獣に成らぬと誰が言いきれる?
 今は今で、王が幼いが故に母が後ろ盾となって政を行っているが、それも
また争いの火種の一つだった。庶子(のちの慶昌君)を推して利を得ようと
する者たちが、不穏な動きを見せているとも聞いた。
 王宮は、奥に行けば行くほど魑魅魍魎が住まう場所なのだ。そんな棲み処
にたった一人の大事な息子を誰がやりたいものか。
「なりません」
 それだけ言うと、ヨンスの母は椅子を蹴立てて席を立つと、荒々しく扉を
開けて部屋を出ていった。
 その後、父が説得を試みたものの、母は頑として反対の姿勢を取り続けた。
ホンイの母が訪ねて来たのはその翌日だった。

 ホンイの母の訪問から数日後。ヨンスは、突如両親に呼ばれる。部屋に入
り、卓を挟んで向かい合わせに座る。
『考え直せと泣きつかれるだろうか。或いは、説き伏せられるか』
 厳しい目をした母を見つめながら、ヨンスはそんな風に考えていた。父の
賛同は既に得ている。反対を押し切って入隊するという手もあるが、それは
端(はな)から考えていなかった。強引な手段は禍根を残すことになる。
『とにかく、自分の気持ちを理解して頂くほかない』
 どう切り出せばよいのか、迷っていると母が先に話の口火を切る。
「お前がウダルチに入ることを許します」
 母が発した言葉を理解するのにしばらくかかった。間を置いてヨンスが、
「ありがとうございます」
 と礼を述べる。安堵したヨンスが口元をほころばせる。息子の喜ぶ顔を見
ても、母は表情を崩さない。
「但し、一つ条件があります」
 ヨンスが途端に身構える。
「条件・・・ですか?」
「私の知り合いの娘と九年間婚約すること。それが条件です」
「!?」
 驚いて父を見る。ヨンスの視線を受け止めた父はゆっくりと目を瞑る。そ
の態度から察するに、母に圧されて承諾したのだろう。いつもの如く。
「相手は、私のカヤグムの師妹の娘で、コ・ホンイという八歳の娘です。彼
女が十七になるまで九年の間婚約すること。これが条件です」
「・・・八歳」
 まだ子供ではないか。息子の顔にそう書いてあるのを承知しながらも、母
が話を続ける。
「お前がウダルチに入りたい理由はわかっています」
 ウダルチのテジャンであるチェ・ヨンという男、ヨンスより五つほどしか
違わぬのに、その実力は並外れたものらしい。加えて、かなりの変わり者だ
という。
 前任の隊長が失職した後、テジャンに任ぜられたチェ・ヨンだが、その直
後ウダルチの職を辞する者が後を絶たなかった。テジャンが指示した鍛錬の
内容が苛烈すぎて、辞める者は半数を超えたという。そのせいで、今では百
人いるかいないかの規模まで落ちたようだ。
 それでも、チェ・ヨンという男はやり方を変えるつもりは毛頭ない。隊員
を募る際にも、家柄は問わず、重臣からの推薦状はことごとく破り捨てると
も聞いた。
「実力のみを問う」
 チェ・ヨンの徹底した方針に、ヨンスは惹かれたのだ。禁軍に入れば、嫌
でも父親の影響を受ける。家門を後ろ盾に持たず、自分の力を試したいのだ
ろうと考えた。
「キム・ヨンス。お前の、身一つでやってみなさい。婚約は、九年後に破棄
することになっている。けれど、お前がウダルチから尻尾を巻いて戻って来
たら、その時はホンイと婚姻してもらいます」
「絶対に戻らないと誓います。ですから、そんな馬鹿げた仮初めの婚約など
要りません」
 心に定めた女がいるわけではない。だからといって、勝手に見も知らぬ子
供と婚約させられるのは、納得がいかない。自分が強く拒めば、母はそれ以
上薦めて来なかった。それが今までの定石だった。けれど、今回は違った。
「お前が婚約しなければ、その娘は補償金目当ての父親に、貢女として元国
に差し出されることになります」
「・・・」
「婚約が仮初めだということは、師妹も承知の上です。九年後には、ホンイ
は十七になります。貢女の条件は十六までですから、彼女が十七になったら
破談にすると約束してくれました。それまでの間、お前にホンイを守って欲
しいのです」
「そうまでして、その子を守りたい理由を教えて下さい」
 婚約を結んで破棄する。それは、口で言うほど容易いものではない。母が
人助けの為だけに、そこまでする理由が知りたかった。
「ホンイに、お前を守ってもらいます」
「・・・私を・・・ですか?」
 思ってもみない答えに、ヨンスは戸惑う。
「お前はこれからウダルチに入り、いずれチョナをお守りするために、その
身を危うくしてまでお役目を果たさねばならぬ時が来ます。
その時・・・お前は必ず・・・必ず生きて帰るのです。お前が戻らねば、婚
約はなくなってしまい、ホンイは貢女になります。お前は、あの子の運命を
その胸に抱いて生きていることを、努々(ゆめゆめ)忘れてはなりません」

<つづく>

お、終わらない(汗)
今回はヨンが名前だけ登場の回でした(笑)
これ・・・信義のお話だよね?
 ウンスは、事情を知るメヒャンから詳細を聞く。

「二人は今から七年前に婚約致しました。ヨンスは十八、ホンイは八つのときです」
「・・・十八と・・・八つ」
 ドラマで政略結婚モノをいくつか見たせいか、その年齢での婚約には驚いた
りしなかったが、代わりに、
『年齢のギャップがすごいなぁ・・・』
 と、当時の二人の年齢差に驚いていた。
「下界には・・・いえ、高麗には、子が幼いうちから婚約、或いは婚姻する風習
がございます」
 メヒャンは、ウンスが別の事に驚いているとはつゆ知らず、沈痛な面持ちでそ
う言った。

 今から八十年ほど前。高麗は忠烈王の御代の頃から、朝貢として元国に貢
女(공녀、コンニョ)を送ることになった。要求の表向きの理由は、元国の王室
で働く下女が圧倒的に足りず、そのため見目麗しい娘を寄越すようにとの指示
だった。
 うまくすれば、皇帝の目に留まって後宮に入ったり、貴族の妾になる者もいた
が、大半は宮廷の下働きとしてこき使われるか、兵士に下賜されたり、悪くす
れば奴隷として売られることもあった。
 貢女の対象となるのは、夫のいない女性(つまり処女であること)で、十三か
ら十六までの娘。そのため、親たちは娘を取られることを恐れて、十歳になる
までに婚約や婚姻をさせるようになり、高麗は総じて早婚化していた。

「ヨンスの母とホンイの母は、伽耶琴(カヤグム가야금)の姉妹弟子で、その縁
で婚約致しました」
 ホンイの母は、ホンイが幼いうちから娘の行く末について気に病んでいた。と
いうのも、ホンイの家は貴族といってもさほど裕福ではなく、子供はすでに二男
一女いた。ゆえに、ホンイの父は五歳になるかならないかの娘を目の前にして、
「この子はいずれ貢女に推薦する」と言い出したのだ。
 食い扶持を減らして家を助けるためだ、貴族の娘ならひどい扱いは受けない
だろうと楽観的に受け取ってもいた。貢女として元国に行くことになれば、家族
には補償金が国から支払われる。ホンイの父は、娘よりもそれが欲しかった。
 ホンイの母は、夫が強引に事を進めてしまう前にと、姉弟子だったヨンスの母
親を頼った。ヨンスの母は、妹弟子の頼みを二つ返事で引き受けた。そうしてヨ
ンスとホンイは婚約した。

「ヨンスさんは、あなたのことを知っていたの?」
「いいえ。婚約の前のご挨拶の折に、初めてお目にかかりました」
「え!?」
 知り合いならば、少なくとも顔見知りの間柄だと思っていたのに、ホンイが顔
も見たこともない相手と婚約したと言ったので、少なからず驚いた。
「母は嫁いでからカヤグムを辞めていました。師匠のもとで習う余裕などない
暮らしでしたので。婚約が決まったあと、母に連れられてお義母様にご挨拶に
行きました。その際、初めて兄様と対面致しました」
 ホンイはその日のことを思い出して、少し辛そうな顔を見せる。
「初めてご挨拶したとき、兄様は・・・兄様は・・・私に「感謝する」と仰いました」
「感謝するって?」
「はい。お義母様は私との婚約を承諾すれば、当時反対なさっていた、兄様の
ウダルチへの入隊を許すと仰ったそうです。それで兄様は私との婚約を承けた
のです。婚約した日からひと月後に、兄様は入隊致しました。それ以来、お会
いしておりません」

<つづく>

ヨンスは「宮」のときのチュ・ジフン氏をイメージしています。
ホンイは・・・誰がいいかなぁ(基本的に女優さんはみんな同じに見える)
        あ!童顔のチャン・ナラさんとかいいかも。
        でも明るいイメージだなぁ・・・