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思い出

ここでは、「思い出」 に関する記事を紹介しています。
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この前何となくぼんやりと「マツコの知らない世界」を見ておりました。
(ホットケーキミックスの世界)
マツコさんはホットケーキが子供の頃の心象風景にあると言っていた(気がする)。

私の心象風景にも忘れられないホットケーキがある。

小学校の三年生か四年生ぐらいだったと思う。
学校から帰って遊ぶ近所の友達。
一人は隣の家の同級生の女の子で、もう一人は二軒隣の二つ年下のA子ちゃんという女の子。
母親はこのA子ちゃんと遊ぶのを嫌がった。
「年上の子と遊びなさい」と言われても、年上の子を遊びに誘うのはハードルが高い。
どうしてもこの三人で遊ぶ機会が多かった。

A子ちゃんの家はでかかった。
それもそのはず、その子の家は昔で言うところの庄屋だった。
でっかい母屋の裏端に倉、離れ、納屋などがL字型に建っていて、その中庭でよく遊んだ。
母がその女の子と遊んで欲しくない理由。
「こっちは小作人の家系なので、気軽に遊んで欲しくない。めっちゃ気ぃ使うやん。」
それが当時の母の心境だったようだ。
家の大きさの違いでそういう雰囲気を掴み取れない。
当時の私は察しがよくなかった(笑) 

その庄屋には井戸があった。
井戸は畑と台所で使うため、台所にほど近い建物の軒下にあった。

いつものように三人で中庭で遊んでいた。
追いかけっこをしていて、A子ちゃんが笹の枝を持って追いかけてきた。
私と同級生はその子にばかり注意をとられ、きゃあきゃあ言って後ずさった。
A子ちゃんが枝を前に突き出して、同級生がそれをよけようとして後ろに下がった。
同級生の後ろに立っていた私も後ろへ下がった。
でも、ふくらはぎが何かに当たってそれ以上下がれなかった。
友達が下がってきた勢いで上半身は後ろへのけぞり、そのまま後ろへこけた。

後ろへこけた。
そう思ったけど、地面に尻餅をつくこともなく、自分の両手はなんか縁を掴んでいた。
見れば両足首も縁に引っ掛かっている。
顔が引きつった。

私、今どうなってる?
・・・井戸の上に、仰向けで大の字になってるんや!
さっきふくらはぎに当たったのは井戸の枠だったということが、そのときになって
ようやくわかった。

自分が置かれている状況が判った途端に怖くなって、私は引きつった顔で友達を見た。
すぐにA子ちゃんが「おかあさん!」と叫んで家に入っていき、A子ちゃんのお母さんが
母屋から慌てて出てきて、手を引っ張って助けてくれた。

助けてもらってから井戸の中をチラッと覗いた。井戸の深さは相当なもので、釣瓶は
暗くてよく見えなかった。

動揺している私たちに、A子ちゃんのお母さんはホットケーキを焼いてくれた。
その家でおやつを出してもらったのはそのときだけだった。
怖い思いをしたから、きっといろいろ気を遣ってくれたのだと思う。

数日後、性懲りもなくまた家に遊びに行ったら、転落防止策として井戸の上に
すのこのような板が渡してあった。
何だか申し訳なさでいっぱいになり、それ以来庄屋さんの家からは足が遠のきました。

子供の頃ホットケーキは家でもよく作ってもらったし、自分で焼いたりもして食べていた。
数えきれないほどホットケーキを食べたはずなのに、「昔ホットケーキよく食べたなぁ」と
思い出すとき、A子ちゃんちで食べたホットケーキの思い出が必ず一番に記憶の引き出しから
転がり出てくる。
おいしかったという記憶ではなく、井戸に落ちかけた強烈な記憶がホットケーキとセットで
出てくる。

以上、ホットケーキにまつわる心象風景のつぶやきでした。
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