二次_紅楼夢番外

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ソルソンはカンファド(江華島)で生まれ育った。ケギョンへ遷都されてから三十年余り
経っていたが、都だった栄華の残りはそこかしこに残っていた。両親は、旅の客相手の
宿をいくつか営んでいたせいで、暮らしに困ることはなく、遅くに生まれた一人娘のソル
ソンを大層可愛がった。
ソルソンが八つになったばかりの頃、ク家から縁談が持ち込まれた。「まだ早い」。両親は
初めそう思った。けれど、ソルソンが年頃になるまで手元に置いておけるかと言えば、
それは難しかった。
「嫁に出す好機を逸して、娘が貢女の候補にでも選ばれたら・・・」
考えただけで両親は怖気がした。
ク家は、カンファドの名産であるホンサム(高麗人参)を取り扱う問屋を営んでいて、
婚家はそう遠くない。店の評判も上々で、主とその妻も人柄は良さそうだった。相手は
ク家の長男サンホ。ソルソンよりも四つ年上だった。両親がサンホと会ってみたところ、
礼儀正しい利発そうな若者で印象は悪くはなかった。
考えた末に、ソルソンの両親はこの縁談を受けた。当のソルソンに「否」という理由はない。
婚姻は親がしかるべきときに、しかるべき相手を見つけてくれる。子供はそれに従うだけ
という考えが世間の大方で、ソルソンもそう思っていた。

婚家のク家の舅と姑は、若い嫁を娘のように可愛がった。三才のころから弾いていたという
嫁のカヤグムの卓越した腕前をとても喜んでくれて、今後も精進するよう薦めてくれた。
「いつだったか、お前の家の近くを通りかかった際に、この子が立ち止まって動かないのよ。
お前のカヤグムの音色にすっかり心を奪われちゃって」
その話を出されたサンホは母親をひと睨みしたあと視線を伏せる。ソルソンはそんなサンホを
息を止めて見つめていた。
父よりも細い首筋。髭のない、尖った顎の線を辿った先の耳朶は真っ赤になっていた。それを
目にしたソルソンは、自分の頬もたちまち赤くなっていくのを止められなかった。

ままごとの延長のように始まった二人の暮らしは、醤(ジャン)が長い年月をかけて熟成されるように、
カンファドの海風とその大地に抱かれて、やがて本物の夫婦となっていく。

十年後。
ソルソンは十八、サンホは二十二になった。
なかなか子が授からないことを悩むのは専らソルソンのほうで、そんなときサンホは、
「授かりものだ。お前もご両親の元からのんびりと生まれてきたではないか」
と言って冗談めかして慰めた。
そんなサンホの優しさがただただ有り難く、その胸に抱かれていれば何も怖いことはなかった。

幸せの酔いは果てしなく、どこまでもソルソンを満たす。

この幸福な日々はずっと続くものだと、そのときのソルソンは固く信じていた。

<つづく>
今回もちょっとコメ欄は閉じておきます。→私のうっかりネタバレ防止措置。
(もし、感想を頂けるのであればメッセでお願いします♪)

もう一つ記事(お話じゃなくて最近の私事をちょこっと書くつもりです)を
週末にアップ予定です。

今日こそはアベマTVで「信義」が見れますように(^_^;)
(先週子供と一緒に布団に入り、寝たふりをするつもりが本当に寝ちゃった)
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その日。
祝いに駆けつけた人垣の中に、あの人は居た。

輿に乗り込もうとした際に、ふと視線を感じて顔を上げた。輿をぐるりと取り囲むように集まった
親類の中で、一人の少年と目が合う。
真っ直ぐこちらを見つめるその瞳は物言いたげで、けれど唇はぎゅっと結ばれていた。その少年の
肩に手が置かれ、少年は隣に視線を移す。追いかけるようにそちらを見た。彼とよく似た大人の
男性が立っており、少年に何か言葉をかけていた。
『二人は父子なのだろうか』
二人は、同じ色の風防けを身に着けていた。
父親らしき人物に促された様子の少年は、背を向けたかと思うと一瞬だけ振り返って、人垣の
向こうに消えていった。

新郎のサンホが待つク家に向かう輿に揺られながら、しばらくその少年のことが頭から離れなかった。

<つづく>
出た・・・
見切り発車(-_-;)