ドレミファソラシド【小説版】

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翌日。
練習スタジオにテープを持って行ったジョンウォンですが、なぜかそこにウンギュもいて。
しかもウンギュは竜の着ぐるみ(チチピ)を被った誰かと楽しく笑ってて。
「ちょっと!誰なのよっ!誰が被ってるの?!」
「おい、オレだよ、オレ」
と手をヒラヒラさせるヒウォン。
「・・・あんた・・・さっさとそれを脱ぎなさいよ」
「なんで?」
「脱がないつもり?」
「脱ぎたくないよ」
「ウンギュが混乱するじゃない」
「ウンギュがオレにこんなに親しく接してくれるの、久しぶりなんだよ」
「・・・」
そう言われてみるとヒウォンはかなりウンギュから冷遇されていたと思い至ったジョンウォンは
彼がちょっと気の毒でそのままもう少し放っておくことに。

ダヒョンも実は同じスタジオにいるんだけどウンギュに事前に顔を見られるのはヤバいので、帽子を
深く被ってマスクまでしながら歌の練習をしてて。
ダヒョンの働きぶりはそりゃもう満足のいくもので・・・喜ぶジョンウォンに照れるダヒョン。
(ここにきてダヒョンはかなり乗り気で演じてます)

ヒウォンがふざけてウンギュにキスをせがんでいたので思わず着ぐるみを脱がしたジョンウォン。
ウンギュは床に下ろした着ぐるみと楽しく会話を続けます。
「チチピ、今日はシャララの家に遊びに行くか?なんでしゃべらないんだ?疲れたのか?
 具合悪いのか?誰かにいじめられたか?」
そんなウンギュに・・・ソヒョンもヒウォンもジョンウォンも黙ってしまい、シーンとなります。
ジョンウォンは素早く着ぐるみを被り、
「ううん、ウンギュ。私しゃべってるでしょ?ね?」
とその場でクルクル回って見せるジョンウォンに、ヒウォンもダヒョンもちょっと呆れ顔。

ジョンウォンは着ぐるみを被ったままでウンギュと家に帰ります。
「チチピ、さっき歌ってた人」
「ん?」
「あの歌ってた人」
「うん」
「なんて名前?」
「ウンギュ!」
「ウンギュ?」
「うん、シン・ウンギュ」
「・・・オレの名前と同じだ」
「ウンギュ、さっきあの歌を聞いたときどう思った?」
「別に。何にも」
「・・・そう」
家の門の前でジョンウォンは着ぐるみを脱ぎ、当たり前のようにウンギュはその着ぐるみに向かって
話し掛けながら家に入っていって・・・あともう少しでウンギュを元に戻せるはずとジョンウォン
は自分に言い聞かせます。

翌日。
ダヒョンはウンギュになるべく、ジョンウォンに美容院に連れて行かれて公演当日のウンギュの
髪型に変更をさせられ、ピアスまで開けられてしまいます。
ダヒョンのお父さんは厳しい人らしく、「オレ、父さんに殺される~」とひきつり笑い。
ウンギュが当時身につけていた服もアクセサリーも用意して準備は整います。

公演当日。
チェガンも公演を見に行くというのを必死で振り切ろうとしたジョンウォン。
結局チェガンは公演が始まったらドアの隙間からのぞき見するってことで解決し、猫のププを連れて
一緒に家を出ます。
ドラムのソヒョンオンニに車で送ってもらったのですが・・・
「ウンギュ、よく眠れた?」
「うん!」
「そうみたいだね」
「チチピにもよく寝たかって聞いて、早く!」
とソヒョンオンニにねだるウンギュ。
「そうだね。チチピはよく眠れた?」
竜の頭の着ぐるみをすでに装着済みで車に乗り込んだジョンウォンが首をブンブンと縦に振り、
一緒に乗っていたチェガンは姉の滑稽な姿にニヤニヤして竜のかぶりものの頭を小突きます。
「チチピを殴るな!」
「・・・?・・・はい」
わけのわからないチェガンがウンギュに叱られておとなしくしているあいだにウンギュの母校である
アンヒョン高に到着。

早めに着きすぎたのか人が全然いなくて不安になるジョンウォンに、まだ開演まで3時間もあるん
だからとドラムのソヒョンが慰め、ジョンウォンはイスの設置などの会場準備に取り掛かります。
チェガンはジョンウォンに竜の着ぐるみをかぶせられて、しばらくウンギュの相手をつとめることに。

開演20分前。
あの日のウンギュにそっくりに演出したダヒョンもやってきたけれど、相変わらず観客の子たちが
きてくれなくて気をもむジョンウォンでしたが・・・
始まる直前にバスを何台もチャータして卒業生たちがぞくぞくと講堂に入ってきて、ジョンウォンは
感無量。

ジョンウォンが最後に講堂のドアを閉めるころには舞台で演奏が始まり、いつの間にきていたのか
ナリがあまり表情を見せずにピアノを演奏してて、その様子を眺めるジョンウォン。
呼吸を整えてウンギュのいる席に戻ったら、金縛りにでもあったように体が硬直してしまっている
ウンギュを見つけて、ジョンウォンは動転。
「ウンギュ!ちょっと、チェガン。あんたウンギュに何したのよ!」
「へ?ウンギュ兄貴は発作でも起こしたんだろ?」
とあんまり気にもとめていない様子のチェガン。
ウンギュは頭をぎゅううっと抱えて独り言をぶつぶつとつぶやいている状態で。
「なんでこうなったのよ、ねえ?」
「知らない。ダヒョンが歌いはじめたら突然大声上げたんだ」
とチェガンはウンギュのパニックにあまり関心もなく、ププを連れてトイレに行ってしまいます。

ジョンウォンはブルブル震え上がっているウンギュを無理矢理揺さぶりまくります。
「どうしたの?ウンギュ、ウンギュ?」
「チチピ・・・チチピ・・・」
「言ってみてウンギュ、ん?」
「家に帰りたい。ここにいたらダメなんだ。耳が痛くて、頭が痛くて・・・心が痛くて・・・」
顔を上げたウンギュは泣きはらした目でジョンウォンにそう哀願します。
『ごめん、ウンギュ。それはできない』と心を鬼にして背を向けたジョンウォン、そんな彼女の手を
ぎゅっと握って、この状況に耐えるのが辛そうな苦しい息を吐き出すウンギュ。

結局そのままの状態で2時間ほど経った頃。
「ハァ、ハァ、これでラストです」
このダヒョンの一言でまたウンギュは凍ったように動かなくなってしまいます。
一部の観客たちはウンギュの公演ってことで集まってたのに、歌ってるのはダヒョンでいつまで
たってもウンギュが登場しないことをおかしく思っていたうえに、彼が一度も登場しまいまま公演が
終わるっていうので騒ぎはじめます。
でもダヒョンの歌はうまいし、ルックスもいいので「まあいいじゃない」と大部分の観客が思って
くれたらしく、場内は再び静かになって・・・

「最後の曲はバラードです。タイトルは・・・ププ拉致事件!」
完璧にサヨナラ公演をやり遂げているダヒョン。
最後の曲に全ての想いを込めるように演奏を始めたナリとソヒョンオンニ。
(チェガンだけは『ププ拉致事件て何だ!』と一人で大騒ぎ。
 この曲をチェガンが聴くことは今までなかったし、ププが過去にウンギュ姉(ソヒョン)に
 拉致されていたことも知らないから騒ぐのはムリない話)

予定通りに前と同じところでヒウォンがベースの演奏をやめてダヒョンを見つめる。
あの時と全く同じ状況で・・・少しの誤差もなく・・・静まり返る観客の中でピアノとドラムの音
だけが響き、やがてダヒョンの声が小さくなっていき、ウンギュは目の前で展開されている状況に
パニックを起こし、頭を抱えてむやみやたらに奇声をあげ続けます。

ダヒョンがマイクを床に落とし、演奏が止まったのでザワつく観客たち。
そしてダヒョンはあの時のウンギュと同じように片手で目を覆って涙をこらえる演技を始めますが、
目の前で苦しんでいるウンギュに感情移入したのかホントに涙をポロポロと流してて・・・
友人のダヒョンが泣いているので何も知らないチェガンは「おい、大丈夫か?」と声をかけますが、
ダヒョンはウンギュとしての演技を続けます。
「声が出ないんだ。ごめん・・・本当に声が出なくて・・・」
そんなダヒョンに何か言おうとするチェガンの太ももを思いっきりつねったジョンウォン。
「バイバイ」
ダヒョンはそう言って舞台から降り、それを見ていたウンギュはボロボロと涙をこぼしながら床に
膝をついて突っ伏し、指先で床を引っかいてて・・・
『ジョンウォン、ダメよ。ウンギュが苦しんでてもここでやめちゃダメ。ここでやめたら全部が
 ダメになる。まだ終わってない。お願いだから最後までやり遂げる気持ちを持って。』
過去の追体験の辛さにもがき苦しむウンギュを見ながらも心を鬼にするジョンウォン。

ゆっくりとジョンウォンの前に迫るダヒョン、あのときと同じように静かに演奏を始めるヒウォン、
そしてナリとドラムのソヒョンオンニ。
肩からかけていたギターを外し、ギターの先につけていたペンダント(男の子)をあの時と同じ
ようにジョンウォンの首にかけたダヒョン。
うつむいたままでダヒョンが舞台に向かって、
「ヒウォン、ジョンウォンを一度だけ抱きしめるから」
と言い、ヒウォンは返事の代わりに手でOKサインを送ります。

ウンギュがこの場面を見ているか確認したあとでダヒョンはジョンウォンが被っていた竜の着ぐるみ
を外し、彼女の両肩を抱き寄せてぎゅっと抱きしめます。
ウンギュはダヒョンを見つめたまま声も出さずに泣いていて・・・ダヒョンはジョンウォンの頭に
顔をうずめて静かにささやきます。
「ジョンウォン」
「・・・」
「返事しろよ」
「うん」
「・・・愛してごめん」
『もうすぐ全て終わるから、もう少しだけ我慢して、ウンギュ』
ジョンウォンはダヒョンの腕の中から一歩退き、ヒウォンとナリが演奏を止めます。
「これからは愛みたいなことするのはやめよう」
ダヒョンはあのときのウンギュと同じように、静かに頷いたあとでペンダント(女のこ)を外し、
「この子がジョンウォン、お前が首からかけているのがウンギュだ。
 二人を毎日つけてくれ。一日に何回もキスさせて、面白いところにもたくさん連れていってくれ。
 海には絶対連れて行ってやって、ジョンウォンが海に行きたがってたから。
 (二人の)結婚式もして、おいしいものをたくさん食べさせて、一つの布団で寝させて。
 ウンギュが浮気できないように毎日家の前まで迎えに行ってやってくれ。約束だ」
「・・・約束」
小指を出したジョンウォンに、手に持っていたペンダントを強く握らせるダヒョン。
「これでいい、もうウンギュとジョンウォンはずっと一緒だ。そうだろ?」
ささやくようにダヒョンがそう言い、ジョンウォンの頭を撫でたあと、遠ざかり始めた。
女の子たちに囲まれたまま、だんだん講堂のドアのほうに向かうダヒョン。

ここでやっと3年前のことを再現しているんだと観客たちは気づきますが、ダヒョンの迫真の演技に
あの時のウンギュたちの辛い別れをまた目の当たりにして静かにすすり泣いてて。
チェガンだけは何のためにこの公演が行われたのか何となくわかったような感じで。

『ウンギュ、ウンギュ。つらい目にあわせてゴメンね。もう終わったからね。
 あたしのことを覚えててくれてるってわかって、「奇跡」っていう言葉にしがみついてしまって、
 ウンギュのことをすごく苦しめちゃった。もう離してあげなきゃね』

ダヒョンが講堂のドアを開けるギーッという音が静かな会場に響き、夕焼けがドアの隙間から入り
こんで暗かった講堂を照らし出します。

『ありがとうダヒョン、ありがとうアンヒョン高の卒業生のみなさん。ヒウォン、ソヒョンオンニ、
 ナリ、本当にありがとう。ウンギュ・・・さようなら。
 幸せだった私たちの時間も、私たちの愛も・・・さようなら』
協力してくれた人たちへの感謝の気持ちと共に、ウンギュとの別れを心に決めたジョンウォン。

「ユン・ジョンウォン!!」
「・・・!?」
「なぜ追いかけない?!愛してるんだろ?愛してるならどうして行かせる?!
 ウンギュが行ってしまうだろ!」
ウンギュが張り上げた声に驚いたダヒョンは思わず講堂のドアを離してしまい、ウンギュの方を
振り返ります。
あまりの苦しみに気絶したものとばかり思っていたウンギュが、目をぎゅっと閉じてけいれんを
起こすように震えていたウンギュが自分の名前を呼んだので、ジョンウォンはその場にヘナヘナと
座りこんでしまいます。
「なぜ追いかけて捕まえなかった。どうして・・・あの時ウンギュを行かせたんだ?
 ウンギュがあの時どれだけ辛かったか・・・どれだけ泣いたか!!」
先ほどまでの生気の抜けた姿はどこにもなく、こぶしをぎゅっと握って声を張り上げるウンギュ。
「ウンギュ・・・」
「ジョンウォンはオレの名前を呼んでくれるはず。だから一歩ずつ一歩ずつすごくゆっくりと
 歩いたのに」
声が違う・・・表情もあたしを見る瞳もしゃべり方も。
『本当なんだ・・・本当にウンギュなんだ』
ジョンウォンは奇跡をプレゼントしてくれたウンギュの胸に飛び込み、突然のことにしばらく混乱
していた様子のウンギュだったけど、自分の胸でおいおい泣いているジョンウォンの両肩を震え
ながらつかみます。
「ジョンウォン」
「ウンギュ、悪い奴。なんで今なのよ。どれだけ待たせたと思うの?すごく待ったんだからね!」
「ユン・ジョンウォン」
「うっうっ」
「ジョンウォンだろ?ユン・ジョンウォンだよな?」
「うっうっ・・・そういうあんたはシン・ウンギュでしょ」
「ジョンウォン、ユン・ジョンウォン」
「そうだってば!ジョンウォンだってば」
ジョンウォンがそう答えた途端、ウンギュは幸せそうな微笑を浮かべたままバッタリと気絶。
(精神的にかなり負担だったんだろうね~)

ウンギュはひとまず近所の病院へと運ばれ、ジョンウォンはきてくれた観客たちに感謝の言葉を述べ
て送り出します。
で、最後にヒウォン、ドラムのソヒョンオンニとともにウンギュのいる病院へ向かいますが、
チェガンだけはジョンウォンにへばりついてあの曲のことを聞かせろとせっつきます。
「ププ拉致事件ってなんだよっ!早く話せよ!」
「ウンギュに聞いてよ。ウンギュが作った曲なんだから」
「ウンギュ兄貴はどこだ?」
「あそこから出てくるから」
診察が終わったらしく、病院から出てきたウンギュ。(ソヒョン姉とナリが付き添ってました)
ウンギュはゆっくりとした足取りでジョンウォンのほうへと歩いてきます。
「ウンギュ!」
「・・・・・・」
「ウンギュ、もう一回あたしの名前呼んで!ジョンウォンって。お願い!」
「どなたですか?」
「・・・ウンギュ」
「アンニョン、ジョンウォン」
「ちょっと!死にたいのっ!」
「ブタさん、こっちにこいよ」
ブタってどういうことよっ!と怒ろうとしたジョンウォンの頭を自分の胸に引き寄せたウンギュ。
しばらくそうしていたウンギュですが・・・
「おい、お前・・・この顔どうしたんだ?」
「何・・・これ?」
インソプの野郎が投げた灰皿のガラスで切った傷のことを今さら聞いてくるウンギュ。
あの時は全然心配なんてしてくれなかったのにと思いつつ、ジョンウォンはちゃっかりインソプに
されたことを子供みたいにウンギュに告げ口し、怒ったウンギュがその足でインソプを殴りに行こう
とするのをナリやヒウォンが必死で制止(笑)
(なんたってまだ病み上がりですから)

病院からソヒョンオンニの車で家に戻ってきたウンギュは家の門の前にある竜の頭の着ぐるみに
ビックリしちゃって。
「これ片付けろよ!」
「・・・?」
「イヤなんだよ。これとコーラは見るのもイヤなんだよっ!早く片付けろってば!」
「あんたの美しくて愛しいチチピじゃない。まさか知らないって言わないよね?」
「チチピ?なんだそれ?」
「・・・なんでそんなにきれいさっぱり忘れちゃうわけ?」
ジョンウォンはウンギュがあんまりにも覚えてないのでなんか釈然としなくて。
「何だって?どうでもいいから、これ早く片付けてくれよ!」
ウンギュはジョンウォンがブツブツいいながら片付けてくれないので、業をにやして自分でそれを
片付けようとしますが・・・触るのもイヤみたいで、両手の人差し指だけで着ぐるみの頭を持ち
上げてポーンと遠くのほうへ投げてしまいます。

そこへチェガンが帰ってきて・・・
「ウンギュ兄貴、ソヒョンがププを拉致したって本当?」
「うん」
「・・・ソヒョンは今幸せですか?」
昨日まで子供みたいに振舞ってたウンギュにそんなこと聞いてもしょうがないのにと呆れている
ジョンウォンですが、チェガンは何か決心をしたらしく、腕に抱いていたププをジョンウォンに
預けて歩き出します。
「ちょっと、どこいくの?」
「ソヒョン(ウンギュ姉)に会いに」
「オンニには夫がいるじゃない」
「それが?」
「・・・」
弟チェガンの発言にポカーンと口をあけたままのジョンウォンでしたが、ウンギュがその口を
パコッと閉ざします。
「オレが渡したペンダント」
「ん?」
「一緒に寝て、海にも連れて行ってくれたのか?」
「あ、うん!」
「オレ、バカだった時可愛かったか?」
「まあ・・・可愛かったけど・・・かなり憎たらしかった」
「バカだからお前に手を出したりとかしなかったよな?」
「・・・?ああ、うん。ひよっこみたいなもんだったから」
「じゃあ、欲求不満だろ?」
「はぁあ?バカ言わないでよっ!あんたもう一度照明に当たってきたら?ついでに」
それ以上は何も言えなかったジョンウォン。
ウンギュはジョンウォンの顔を引き寄せてキスし、二人は一時間以上もそのままで(笑)
このあとジョンウォンは自分が持っていたペンダント(女の子のほう)を渡し、明日海に行くことを
約束して家に入ります。(冬の海はかなり寒いんじゃ・・・)

その日の夜中。
嬉しくて眠れなかったのか、ウンギュとジョンウォンは屋上に座って一時間ほど話をします。
話の内容はほとんどウンギュが記憶をなくしてた頃の猟奇的行為についてで・・・
「はぁ?オレがいつそんなことしたんだよっ!」
「あんたは覚えてないだろうけど、ナリにシャララ姫って言って、近所の子供たちからヤカンを
 盗んで逃げたのよ。完全にイッちゃってるよね?」
「おい、オレがいつそんなこと!」
「あたしのことをアブドラってずっと言ってたし」
「おい!」
「あたしの言うことが信じられないならあんたの部屋に行って見れば?盗んだヤカンがあるはずよ」
青ざめるウンギュと面白がるジョンウォンで・・・

明け方になってからやっと眠ったジョンウォンですが、7時に家の門の前でウンギュと待ち合わせ
していたのを思い出して慌てておきます。
用意していた荷物を持って出かけようとしたところにチェガンが帰宅。
「あ、今帰ってきたの?ソヒョンオンニに会ってきたの?」
「・・・」
返事の代わりににっこり笑ってジョンウォンのそばを通り過ぎるチェガン。
「オンニに会ったの?オンニは何て?」
「家の前でウンギュ兄貴が待ってるぞ。さっさと行けよ」
「オンニは何て言ったの?!」
「待っててくれって」
「ホントに?・・・きゃーっ!!」
思わずチェガンと肩を取り合ってその場でピョンピョン跳ねて喜ぶ姉弟。
(ソヒョンは今のダンナとの離婚を決意したらしく、すべてが終わるまで待ってて欲しいとチェガン
 に話したみたい)
「ジョンウォン、さっさと出てこいよ」
ウンギュの声が玄関のほうからしたのでチェガンの手を慌てて振り払ってさっさと声のするほうへ
歩き出したジョンウォン。

『ここに来るまで本当に辛かった。だけどもうそれも終わり。
 これからはウンギュの隣で死ぬまでずっと一緒なんだ・・・』

1年後。
クリスマスをドラムのソヒョンオンニの家で過ごすことになり、みんなで集まります。
ジョンビンとセナがカップルになってたり、ナリに年下の彼氏が出来てたりしてそれぞれに変化が
あったみたい。(ソヒョンとヒウォンのところは相変わらずラブラブらしい)

ソヒョンオンニの部屋で曲作りしているはずのウンギュの様子を見に行ったジョンウォンは
ベッドで寝そべって曲を書いているウンギュに手招きされます。
「おい、ちょっとこっちへ来いよ。深刻な悩みができた」
「何?」
「将来オレたち結婚するだろ?なのに、姉貴とお前の弟も結婚するって言い出してる。
 だからお前は長女の自分が先に結婚して家を出るって言えよ、オレも長男であるオレが先に
 するって主張するからさ。オレたちの結婚が先だって両家に言い張るんだ!」
「でも、ソヒョンオンニも長女だし、うちのチェガンも長男なんだよ?」
「そんなことないって!よく聞けよ」
「あー、もう。あたしトイへの手紙を書き終えるから、あんたは作曲してて」
(ジョンウォンは服役中のトイに頻繁に手紙を送っている様子)
「トイは来月出てくるんだろ?」
「うん。まあともかく結婚はもっとあとで考えて」
「お前、真剣に話を聞けよ!」
立ち上がろうとしたジョンウォンをもう一度座らせ、今から心配してもどうにもならない結婚の計画
話に無理矢理つきあわされたジョンウォンですが、ドラムのソヒョンオンニが皆に集合をかけてくれ
たのでやっと解放されます。(まあ、多分話の後半はじゃれあってたんでしょうが・・・)

リビングに集まった一同はろうそくのほのかな灯りの下で誰もが幸せな笑みを浮かべていて・・・
チェガンにピーナツを食べさせてるソヒョンオンニ(ウンギュ姉)。
ジョンビンが注いでくれたお酒を飲むセナ。
おでこがくっつくぐらいに寄せ合ってツリーの飾りを仕上げているドラムのソヒョンとヒウォン。
ププとププのお嫁さんを抱いて疲れて眠っちゃってるナリ。
そして結婚の先手を打とうと企んでいるウンギュ。

あたしたちは完璧なハッピーエンドを迎えることができた。
一番素敵な和音を成し遂げることができたんだ。
最高の愛を見つけることができたんだ・・・

<終わり>

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写真を胸に抱いてむせび泣くウンギュをウンギュの両親もじっと見守ってて。
ようやくチチピの正体がわかったジョンウォンは自分をバカ呼ばわりして。

ウンギュが抱きしめていた写真に写っていたのはウンギュにコーラを注いでる竜の着ぐるみ。
ジョンウォンはあのときのことをぼんやりと思い出します。
そういえばウンギュの友人が面白そうに二人がケンカする場面をケータイで撮っていたことを。
『なんで気づかなかったんだろう、ウンギュはあたしを探していたのに・・・』

あまりにも辛くて、悲しくて、ヒウォンを選んだあたしを消してしまったウンギュ。
(きっと、そうしないと生きていけなかったんだ・・・)
だけど二人がはじめて出会った頃のことは形を変えて、彼の記憶に深く刻みこまれていた。
それがウンギュにとってすごく大事な思い出だったから消えなかったんだ・・・

写真を頬にすりつけてウンギュはチチピに話しかけてて。
「チチピ、どこにいるんだ?オレはもう遠くへ行くっていうのに・・・なぜ出てこない?
 オレはお前に会いたくて死にそうなのに・・・」
涙でぬれた頬を写真にすりつけるウンギュにたまらずジョンウォンは駆け寄って。
「ウンギュ」
「チチピ、どこなんだ?」
「ね、ウンギュ、あたしの話を聞いて」
「チチピ、ごめん。オレが見つけてやれなくてごめん。オレがお前を探し出さなきゃいけないのに」
ジョンウォンはウンギュの両肩に手を置いて正面から見据え、
「ウンギュ、それはあたしなの。ねえ、チチピはユン・ジョンウォンなの。あんたが切実に探して
 いるチチピはあたしなのよ。ウンギュ、ウンギュ!」
言葉を区切るようにハッキリと自分がチチピなんだと説明するジョンウォン。
でもウンギュはそんなジョンウォンの両手を振り払って、警戒した目つきで写真を大切そうに自分の
胸に抱きしめてしまって・・・チチピ=ジョンウォンという話を完全に否定。

二人の様子を見ていたウンギュ父が息子の前に立ち、もう行こうと促すのでジョンウォンは二人の
前にパッと立ちはだかってそれを阻止します。
「おじさん、待って下さい!」
「・・・君はまたどうして?」
「ダメなんです。私が離れられないんです!お願いです!ウンギュの記憶が取り戻せるんです!
 本当なんです!」
「どきなさい、ジョンウォン。我を張るんじゃない」
「どうかお願いです。分かったんです。ウンギュが探していたのは誰か、会いたかったのは誰か。
 おじさん、ウンギュを連れていかないでください。このままウンギュが行ってしまえばウンギュも
 私もダメになってしまいます!」
涙まじりで懇願するジョンウォンだけど、なおもウンギュ父は息子の手を引っぱって強引に連れて
行こうとします。
「一週間!おじさん、一週間の間に私がウンギュを元に戻してみせます。お願いです、一週間だけ
 時間をください。お願いです!」
「・・・こんなウンギュが変わりはしないよ、ジョンウォン」
治療も一通りうけたのにウンギュの症状は悪くなるばかりで何の希望ももてないウンギュ父。
「ソヒョンオンニも連れて行ってしまったじゃないですか。お願いです、ウンギュを連れて行くのは
 やめてください」
(ソヒョンは半ば父に強引に薦められるまま、他の男と結婚しちゃったのかな~)
ウンギュ父は泣きじゃくって懇願するジョンウォンを静かに見つめ・・・
「君を信じてみよう」
と言い残して二人を残し、部屋を出て行きます。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
ウンギュ父はとっくにいないのに部屋のドアに向かって何度もおじぎをしたジョンウォン。

二人きりになるとすかさずウンギュの前に座り込み、冷静にチチピの正体を説明するジョンウォン。
「ウンギュ、写真をよく見て。これは着ぐるみなの。この中には人が入ってるのよ。
 あたしが遊園地でアルバイトしてたとき、この着ぐるみに入って働いてたの」
「アブドラ」
「で、あんたがある日友だちと一緒にその遊園地に遊びにきたの。あたしはこの着ぐるみをかぶって
 注文を受けてたのに、あんたが『竜だったら火を出せ』ってからかったからあたしがあんたの頭に
 コーラを浴びせてやったのよ」
「チチピを探して」⇒(ジョンウォンの説明を全く無視するウンギュ)
「そのときにあんたの友だちがそれを写真に撮ったの。その後あたしたちは屋上で再会したの」
「チチピを探して。もうお前をからかったりしないし、悪いこともしない。チチピに会えなくて息が
 出来ない。チチピは毎日夢に出てくる、だけど目が覚めるといないんだ」
「・・・バカ。チチピはあんたの目の前にいるのになんでわからないのよ。どうしたらわかって
 くれるの?どうやったらあたしがチチピだってわかってくれるのよ」
自分の話にちっとも耳を傾けてくれないウンギュに途方に暮れたジョンウォン。
だけどウンギュ父と約束したから一週間以内にどうしても方法を見つけ出さなきゃいけなくて。

絶対にやり遂げてみせると決心したジョンウォンはバイトしていたロッテワールド遊園地に行き、
竜の着ぐるみ(頭の部分のみ)を苦労の末に手に入れることに成功!
そのままウンギュの家に直行します。

竜の頭を被ったジョンウォンに驚きと戸惑いを見せるウンギュ母に、
「期待してください!すぐに感動することになります!」
と自信満々のジョンウォン。

ウンギュの部屋の前で深呼吸し、竜の頭を被って静かにジョンウォンはドアを開けて。
「・・・!! チチピ!チチピ!」
突然目の前に現れたチチピにそれ以上の言葉が出てこず、硬直してしまったウンギュ。
「こんにちは、私はチチピ」
「・・・・・・」
「久しぶりだね、ウンギュ」
「本当に?本当にチチピなのか?」
「うん、私はあなたに会いにきたんだよ!」
と、ここで天井を指差したジョンウォン。
「遠いところからここに降りてきたの。ウンギュ、元気だった?」
「チチピ!」
ウンギュはいきなりジョンウォンをぎゅううっと抱きしめてきて・・・頭に被りモノをしてなかった
らもっとよかったのにと心の中でつぶやくジョンウォン。
「会いたかった!どこから?なぜ今になって現れたんだ?チチピ?!」
矢継ぎ早のウンギュの質問責めにそろそろ正体を明かすときだと見はからったジョンウォンは、
被っていた竜の頭の着ぐるみをそうっと脱いだ。
「よくみてウンギュ。チチピはあたしなの。ユン・ジョンウォンなの」
低めの声で冷静にそう告げたジョンウォンだったけど・・・

ジョンウォンが次の瞬間目にしたのは、床に下ろした竜の頭に話しかけているウンギュで・・・
「久しぶりだな、痛いところはないか?オレのことずいぶん嫌いになっただろ?大丈夫、泣くな」
「・・・いや、ウンギュ。それは着ぐるみだから。あたしがチチピなんだってば」
「ん?震えてるのか?疲れただろう、チチピ。ふとん・・・いや、オレのベッドで一緒に寝よう」
そう言ってウンギュは竜の頭を拾い上げ、さっさとベッドに入りこんでしまいます。
「アブドラ!チチピを探してくれてありがとう。オレがトンデクマンを与えよう。チチピ?
 チチピ、なぜ話さない?眠いのか?起きたら話してくれるのか?」
「ウンギュ、それはあたしなんだってば!チチピがあたしなの!」
強く訴えるジョンウォンをチラリと横目で見たあと、さっさと目を閉じてふとんの中に頭をいれて
しまうウンギュ。
「チチピ、オレたち一緒に寝るのは久しぶりだな?!ギュッと抱き合って寝ような」
・・・10秒後にはスヤスヤというウンギュの寝息が耳に入ってきたジョンウォン。

こんなのってない!じゃあ、あたしは一生あの着ぐるみを被って生きなきゃならないの?
ウンギュを愛してるならそうしてもいい。だけど他の人がそれを被ったらウンギュは迷いもなく
そいつのところに行ってしまうじゃない!
ううん、諦めるのはまだ早い。冷静になろう。他に方法があるはず・・・神様、お願いです!

その時ジョンウォンの脳裏をかすめたのはウンギュの主治医!
さっそく病院に駆けつけて、オペが終了した主治医を捕まえたジョンウォンは事の次第を説明します。
先生の説明だと、今のウンギュはチチピとジョンウォンが同一人物だということを強く否定している
からその認識を変えることはムリだろうと言われて絶望するジョンウォン。

そのうえで・・・「可能性があるかどうかはわからないけれど」と、前置きして先生がひとつの方法
をジョンウォンに提案します。
ウンギュとジョンウォンが別れた日、すなわちウンギュがとてつもなく大きくて悲しい衝撃を受けた
日のことを再現し、その状況で竜の着ぐるみを脱いでみたらどうだろうかと言います。
ただし、あの日の出来事を追体験できるようになるべく環境は忠実に再現する必要があると。

サヨナラ公演を再現するなんてとてつもなく難しいことなんだけど、可能性が少しでもあるならば
やってみるしかないと決心したジョンウォンは早速ドラムのソヒョンオンニに連絡し、ウンギュを
元に戻すためにはサヨナラ公演を再現させる必要があることを説明します。
ナリとヒウォンにはソヒョンが話をすることになり、ジョンウォンはウンギュの母校に連絡をして
講堂を借りられるように頼むことに。
サヨナラ公演を見にきていた卒業生たちにも連絡をとるために母校のネット掲示板に、ウンギュの
ために集まって欲しいと詳細を記したジョンウォン。

場所は確保できるだろうし、演奏についてはドラムのソヒョンオンニにお願いしたから問題ない。
一番大事なのは・・・ウンギュを演じる人物が急務ってこと。
 (ウンギュに一部始終を見せる必要があるから。
  映画ではヒウォン役の子がやってましたが、それだとウンギュの記憶ではヒウォンがあの日
  公演にいなかったということになっちゃいますよね)

ウンギュが知らない人物で、なおかつ彼に背格好が似ている子がいいんだけど・・・
条件に当てはまる人物がいなくて、自分の部屋で頭を悩ませていたジョンウォンですが、そこに
ひょっこりと顔を出したのがチェガンの友人ダヒョン!
「ヌナ、チェガンはまだ帰ってないんですか?」
と聞いてきたダヒョンをひと目見て、「この子だ!」と閃いたジョンウォン。
ダヒョンにウンギュ役をやって欲しいとかなり必死に頼み込みます。

ダヒョンはジョンウォンから詳細を聞いて、自分の役割がかなり重要なものだと知ってちょっと
自信なさげで不安そうな感じ。
そんなダヒョンにおかまいなしにジョンウォンはダヒョンを早速練習スタジオへ引っぱって行き、
ソヒョンやヒウォンたちと合流させます。

そこでヒウォンからもうひとつ問題があるんじゃないかと言われたジョンウォン。
「あの日のやりとりをどうするんだ?とてもじゃないけど全部は思い出せないぞ」
「・・・思い出さなきゃ。頭の中をひっくり返してでも思い出さなきゃ!」
「あ!そうだ。ナリだよ!」
「え?」
「ナリのママがあの日公演にきてビデオカメラで撮っていたはずだ!」
「じゃ、すぐにナリに頼んで。ところでナリはどこにいるの?」
スタジオに姿が見当たらなくてキョロキョロするジョンウォンに、ヒウォンはナリに連絡したけど
来ないつもりだと話します。

そこでジョンウォンはナリの住所を聞いて彼女を訪ねて行きます。
充血した目でジョンウォンを出迎えたナリはビデオのテープは渡すけど、公演には行かないと言い
だします。
公演は三日後だから急すぎると断るナリに、ジョンウォンはウンギュのためだってソヒョンオンニ
から聞いたでしょ?と説得。
「ウンギュのことが好きなんでしょ?だったら・・・」
「オッパのことが好きだから行かないんです。オッパとオンニの感動の再会をそばで見ていろって
 言うんですか?しかもその再会を演出する側に回れって?」
「ウンギュがあたしを思い出すのがイヤでそんなこと言うのよね。だけどウンギュが元に戻って
 くれるならっていう考えはないの?それだけを考えられない?」
「オッパはもしかしたら今が一番幸せかもしれません。それなら元に戻らなくても・・・」
「だから出来ないって?」
「元に戻る可能性が低いならオンニもオッパをそっとしておいてください。オッパを苦しめないで」
「よく聞いて、ナリ!ウンギュを苦しめるなって?ウンギュが今幸せですって?
 じゃあウンギュが今まで生きてきた19年間の記憶はどうなるの?一緒の時間を過ごした人たちを
 全部なくすのよ。それでもウンギュが幸せだと?」
静かに諭すジョンウォンの言葉に・・・それでも背を向けたナリに、
「・・・来るのかどうかはあんたが決めて。おやすみ、ナリ」
そう言葉をかけて出て行ったジョンウォン。

家に帰ってビデオテープを再生してみたジョンウォン。
舞台の上で楽しく歌っているウンギュの姿、ヒウォンとソヒョンオンニ、そしてナリ。
ウンギュが講堂を出ていく後ろ姿までナリのママはちゃんと録画してくれてて・・・
涙が止まらないジョンウォンでした。
ジョンウォンが病室に飛び込むとウンギュが傷だらけでベッドに横たわっていて・・・
「ごめんなさいオンニ、オッパを連れ出したりしてごめんなさい」
と謝るナリ。
「なんで?どうしてウンギュが?この子寝てるのよね?死んだりしてないわよねっ!?」
焦って聞くジョンウォンに首を振るナリ。
それで緊張していた気分が一気に解けて・・・周囲をあらためて見るジョンウォン。
ウンギュのベッドのそばにはソヒョンオンニ(ウンギュ姉)がいて、少し離れたところに立っている
チェガン。
二人が一時はつきあっていて愛し合っていたことを知っているジョンウォンは二人が何も言わずに
同じ空間にいることに気づきます。
窓の外を見つめて視線をそらすソヒョンオンニ、顔もあげずに連れてきたププを撫でてるチェガン。
何か話でもすればいいのに・・・ウンギュの心配をしながらそう思うジョンウォンで。

ナリにウンギュを殴った奴のことを聞き出すジョンウォン。
相手はからだがすごく大きくてウンギュのことを知ってるようだったと答えるナリ。
ところでなんであんたはウンギュを止めなかったの?と怒るジョンウォンに、止めたと答えるナリ。
それじゃ顔にキズのひとつでもあるはずでしょ!?とジョンウォンが聞き、巧く止めたとナリ(笑)

そのときなぜかチェガンが二人の前にやってきて・・・
「ナリ、ウンギュ兄貴は姉貴のものだ、割り込むなよ」
「あんたがなんでそんなこと言うの?」
「運命の相手で愛し合ってるんだ、頼むからそっとしておいてやれよ、割り込むんじゃない!」
チェガンの声にソヒョンは涙を一粒ポロリと落として・・・
「私は割り込んでるんじゃないわ。好きになるのもいけないの?がまんしろっていうの?」
「がまんしろよ、お前よりうちの姉貴のほうがずっと耐えてるんだから」
「私もオッパがすごく好きなのに・・・ホントに・・・」

その時チェガンの電話が鳴って、ダヒョンからの電話だったのにいきなり芝居を始めるチェガン!
「お?お前か~ うんうん、わかってるって。今日はオレたちの100日記念の日だろ?」
近くにいたジョンウォンは電話口からダヒョンが「酒でも飲んだのかっ?!」って大声出してるのが
聞こえてて。(ダヒョンはチェガンがふざけてると思ってるみたい)
「うん、オレも愛してるよ♪」
とケータイにキスして電話を切るチェガン。(ダヒョンは呆れてとっくに電話切ってるんだけどね)
「彼女が待ってるから、オレもう行くわ」
というチェガンに、会話が全部聞こえてたというのも気の毒で「楽しんでね」と送り出す優しい姉の
ジョンウォン。
チェガンは病室を出るときにソヒョンをチラリと見てからトボトボと病室を出ていき、チェガンが
出て行った直後にむせび泣くソヒョン。
結婚して2年たつけれど相変わらず美しいオンニ・・・そのオンニが泣いてる姿はあんまりにも
悲しく見えて、慰める言葉も見つからないので眠ってるウンギュの顔をそっと撫でるジョンウォン。
(どうやらソヒョンにもダヒョンの声は聞こえてたみたいで・・・だけどそうやって自分を拒む
 チェガンの態度が悲しくて泣いてて)

ナリが病室を出ていって10分ほどたったころ、ウンギュがうなされていて。
「チチピ、行くな・・・お前はオレのそばにいろ・・・」
「ウンギュ」
「じゃないとオレはすごくつらいんだ。我儘言わないから・・・怒鳴ったりしないから・・・
 だから行くな・・」
目覚めていないまま・・・涙声でチチピへの想いを語るウンギュ。
「オレのことを好きじゃなくてもいいから行くな・・・チチピ、オレといよう、オレと・・・」
悲しい願いを口にしたウンギュはそのまままた眠ってしまい、ジョンウォンはいったいチチピが
ウンギュにとってどんなもので、それが何だってウンギュを悲しくさせるのかと思ってて。
(鈍いなぁ・・・ジョンウォン)

そのまま泣きじゃくるソヒョンと一緒にウンギュに付き添っていたジョンウォン。
「どうしたんだ?・・・ソヒョン、なぜ泣いている?」
突然病室のドアを開けたのはソヒョンの夫。何も言わずにうなだれているソヒョンに、ジョンウォン
は席を立って出ていこうとします。
「オンニ、また来ますね。ウンギュのことお願いします」
「うん、チェガンのこと慰めてあげて。お願いよ、ジョンウォン」
「はい」
ジョンウォンがドアを閉めたあとで病室の外まで聞こえてくるソヒョン夫の大声。
「チェガンだと!そいつがここに来たのか!?慰めてやれなんて、どういうことなんだ!」
(どうやらソヒョン夫はチェガンとソヒョンがつきあってたことを知ってたらしく、チェガンと
 一緒にいたと聞いてかなり大騒ぎしてて)

家に帰ったジョンウォンは屋上で酔ってるチェガンに、さっき彼女がいるフリしたわねと話をして。
ソヒョンオンニが泣いてたと教え、オンニが嫉妬するところが見たかったの?とジョンウォン。
「・・・そんなんじゃない、あのバカなんでまた泣いて・・・」
胸の中のププをぎゅっと抱きしめるチェガン。
「ソヒョンが泣くから・・・窓の外見ながら泣いてたんだ。オレに申し訳なくて泣いてるのか、
 オレのせいで泣いてたのか・・それがすごく嫌いで悲しかったから。オレがそういうの嫌いなの
 お前も知ってるだろ?」
「・・・うん」
「それで幸せだってフリしたんだ。オレも彼女がいるからって、元気にしてるから心配するなって。
 頼むから泣かないでくれと・・・なのに泣いてたって?(涙を)拭いてやることもできないのに。
 抱いてやることもできないのに・・・なんで泣いてるんだよ」
なんか自分を見てるみたいでやるせなくなったジョンウォンは生まれて初めてチェガンをぎゅっと
抱いて・・・
「あたしたちなんでこうなんだろうね、でしょ?心配しないで、チェガン。ソヒョンオンニもあんた
 のことすごく好きなんだから。あんたよりもずっとあんたのことが好きなのよ。
 ダンナさんがいるのにあんたを慰めてやってって頼まれたし、ずっと泣いてたんだからね」
いつになくジョンウォンの優しい声に泣きじゃくるチェガンで・・・

その時ジョンウォンにメールがはいってきます。
『ジョンウォン、本当にごめん、ごめんね。あんたの彼氏大丈夫よね?』
とセナからのメールで・・・慌てて電話をかけたジョンウォンはウンギュを殴った犯人が誰なのかを
知ります。
犯人はジョンウォンに灰皿をぶつけてきたあのセナの彼氏とかいう奴で・・・セナはジョンウォンの
彼をひどい目にあわせた奴なんかとつきあえない!とケンカになって別れたらしい。

セナからそいつ(キム・インソプ)の居場所を聞いたジョンウォンは木刀を持ってたった一人で
報復に向かいます。(セナはインソプがものすごく強いからダメだと大反対したんだけどね)

奴らがいるというカラオケ店に一人で乗り込んだジョンウォン。
インソプが友人たちと遊んでいる部屋に飛び込んだジョンウォンはいきなりインソプに木刀で一発
殴りかかって!
そのうえ、インソプがこぶしを出してくるけどジョンウォンはうまいこと避けて、奴の腹に足で
蹴りをいれたもんだから、あっけにとられていたインソプの友人(男)たちが慌ててジョンウォンを
止めにはいります。
いくら鍛えたジョンウォンでも男数人に止められると身動きがとれず、「離してよおっ!!」と
必死に抵抗。
「ちょっと落ち着いて!インソプと二人で話をすればいいじゃないか!」
と友人たちがジョンウォンを捕まえている間に今度はインソプがジョンウォンの顔やお腹をボコボコ
に殴り出して、今度はインソプを止めに入るインソプ友人たち(気の毒すぎる)
「おい、気でも違ったのか!?女相手に何やってるんだ!」
とジョンウォンを殴るインソプをズルズルと引き剥がしたインソプ友人たちはジョンウォンに早く
ここを立ち去れと言います。
だけどそのころにはジョンウォンはもう身動きがとれないほどやられちゃってて・・・
インソプ友人はキレてるインソプを羽交い絞めにするのも限界だし、ジョンウォンは体が動かない
状況でもウンギュの分も仕返しするんだと出て行かず。

そんな膠着状態を破ったのはカラオケ店のオーナーのアジュンマ。
ジョンウォンとは顔見知りだったアジュンマはジョンウォンが木刀を持って部屋に入ったので不安に
なり、様子をみにきてくれて・・・血まみれで動かないジョンウォンを部屋の外へと引きずって
出てからブルブル震える手で警察に連絡を入れます。
アジュンマが警察に連絡しているあいだにジョンウォンは今一番会いたい人ウンギュのところへ
行こうと、唇から流れる血を手の甲でぬぐってカラオケ店を出ていきます。

タクシーをつかまえて病院までと告げると運転手は心配そうにミラー越しにジョンウォンを見てて。
病院に着いたら「手を貸そうか?」と言ってくれる運転手に、大丈夫ですと答えて木刀を杖がわりに
ヨロヨロとエレベータに乗り込むジョンウォン。
入れ違いに降りる看護婦さんがギョッとしているので鏡で自分の顔を見てみたジョンウォンは・・・
インソプに殴られて奥歯が折れたし、口の中も出血してるから唇の端から血が見えてて、鼻血も
出ていたのに手の甲でこすったせいで鼻血が顔中に広がって血まみれ状態。
しかも両目は青アザまでできてて・・・

こんな姿を見たらウンギュはどう思うのかいろいろ考えてしまったジョンウォンは半泣き状態。
なのに病室に入ってみるとウンギュはいつの間にか意識を取り戻していて、ナリと病室の窓枠に
もたれかかって星を眺めて楽しそうに盛り上がってて。
「ウンギュ」とジョンウォンが声をかけても振り返ってもくれないウンギュ。
「ああ、アブドラ、来たのか。シャララ、見てみろ。あの星にお前とオマール王子が住んでるんだ」
「なぜ私とオッパは住んでないの?」
「ダメだ。オレはチチピと暮らすんだ。オレが必ずオマール王子も探すよ」

「あたしすごく痛いの、ウンギュ」
「じゃあ医者に診てもらえよ。そうだ!シャララ、月と星が戦ったらどっちが勝つかな?」
「うーん、どうかな?誰が勝つでしょう?」
あたしの顔はキズだらけ・・・ばかウンギュのために仕返しにいったあたしの顔はキズだらけで、
ナリの顔は美しい王女様。童話っていうのはそんなもの。王子様のそばで笑ってるのはいつも王女
だから・・・道化の騎士は後ろにいればいい・・・そうよ、あたしは大丈夫・・・

「あたし、行くね。ウンギュ、楽しんでね」
「うん、バイバイ」
「オンニ!どうしたんですか?!」
そのとき初めて振り返ったナリがジョンウォンの後ろ姿を見て、床にポタポタ落ちた血を見つけて
大声を出してそばに駆けつけます。
「オンニ!なぜこんなことに?!」
「・・・・・・」
思わず涙がこぼれてしまうジョンウォン。やっと自分のほうを見てもらえたという喜びに全身の力が
抜けてしまって・・・
ナリの大声でウンギュも振り返り、「アブドラッ!!」と大声で叫んで床に座り込もうとしている
ジョンウォンを力いっぱい抱きしめて。
「アブドラ!ダメだ!死ぬな!」
大きな人形を抱えるように抱きしめたまま怒鳴りつけるウンギュ。
「・・・ウンギュ」
「アブドラ!死ぬな!死ぬな!」
『あたしはユン・ジョンウォンよ、これぐらいで死んだりしない』
返事しようとしても声が出ないジョンウォン、そんなジョンウォンの顔についた血を自分の入院着で
ぬぐいとったウンギュは自分のベッドにジョンウォンを寝かせ・・・ケガで意識もうろうなのに
ドキドキしているジョンウォン(笑)
「アブドラ、誰にやられた?アリババか?誰がこんなことを?おい、血がどんどん出てるぞ!」
『アリババって・・・また何よ?・・・』
とジョンウォンが考えてる間にウンギュが置いてあったおしぼりをジョンウォンのおでこじゃなくて
両目にかけてしまったので何にも見えないジョンウォン。
「死んじゃダメだ。アブドラ、死ぬな!」
「うん、死なないから。あんたを置いてどこへも行かないわ、ウンギュ」
「お前が死んだらチチピを探す奴がいないだろ?死んじゃダメだ」
『結局またチチピか・・・』とガックリのジョンウォン。
「なんで殴られたんだ?バカみたいに・・・」
ため息が混ざったウンギュの声を聞いた途端、背を向けてワァワァと泣き出したジョンウォン。
自分を抱きしめてくれて、以前と同じようにケガした自分を心配してくれる昔のウンギュが少しの
間でも戻ってきてくれたことにたまらず泣いてしまうジョンウォン、ウンギュは何も言わず暖かい
手でジョンウォンの涙をぬぐってあげて。それでも頬を伝ってシーツに流れ落ちていく涙に、
「オレが寝るときに湿っぽいから、もう泣くな」
「う・・・うん」
「アリババがやったのか?」
「・・・」
「大丈夫だ、オレがそばにいる。アリババが殴れないように守ってやる」
「うん、うん」
にっこりと笑ってふとんを頭まで引っ張りあげて覆うウンギュ。
ウンギュが戻ってきてる、ウンギュが帰ってくると感じたジョンウォンは嬉しくなって、無理やり
目を閉じて幸せなまま眠りにつこうとしますが・・・
(ちなみに治療もしないで寝てるってことで・・・手当てしてもらったほうがいいのでは?)

「オッパ、ちょっときて」
「出てってる間にアブドラが死んだら?」
「オンニは死なないです。オンニは強いから!」
ナリがウンギュをジョンウォンのそばから引き離そうと必死に誘ってるので、
『あいつ~! ぶっ飛ばす!』と心の中で叫ぶジョンウォン(笑)
「いや、アブドラはすごく弱い。だから毎日泣いてるじゃないか」
(ジョンウォンがけっこうウンギュの前で泣いてるのはわかってるみたい)
「じゃあ、先に行ってるからすぐに出てきて」
ジョンウォンに優しくするウンギュを見てるのはイヤ~なナリは後ろ髪引かれる思いで病室をあとに
していき・・・ウンギュはジョンウォンの枕元に座って首にかけていたペンダントに気づき、
それを触り始めたのでくすぐったがるジョンウォン。

しばらくそれをいじってたウンギュは唐突に話し始めます。
「どこかで見た・・・そうだろ?お前らもオレがわかるか?」
この瞬間自分が人形の中に入ることが出来たらはっきりと返事できるのに・・・
『こうやってくっついてて・・・離れずに・・・一緒にいて』
互いに違う方向を向いていたペンダントの人形をまっすぐにするウンギュ。
それでジョンウォンがウンギュの手を握ろうと自分の手を伸ばしたんだけど、ここでウンギュの
見舞い客が登場。

「ウンギュ、大丈夫か?」
「大丈夫なのか、お前?」
とそろってジョンビンとヒウォンが病室に入ってきたけど、ウンギュじゃなくてジョンウォンが
ベッドに寝てるから二人ともビックリ。
「おい!おい!こいつなんでここに寝てるんだ?!しかも顔に血がついてるぞ!」
「ウンギュ、ジョンウォンはどうしたんだ?ケガしたのか?」
ヒウォンが心配そうに聞きながらジョンウォンのおでこに手をつけた瞬間、
「触るなと言っただろう?」
冷たいウンギュの声にヒウォンはゆっくりと手を引いて。
「どうしてだ?ウンギュ、オレがジョンウォンに会うだけでもダメなのか?」
「アリババ、お前がアブドラをこんな目にあわせたことわかってるんだ、お前も触るな」
と今度はジョンビンに触るなと言い出したウンギュ。
「アリババ?それなんだよっ!!」
「お前がアリババじゃないか!アブドラをなぜこんな目にあわせた?!」
「はぁ?!アリババやアブドラって何だよ!」
と女を殴った濡れ衣を着せられて涙目になったジョンビンはお見舞いの花束を床に落とし、トボトボ
と病室を出ていってしまって・・・
『泣くなジョンビン、あたしがアリババの正体を明かしてみせるから』
ジョンウォンがその後ろ姿に誓ってて(笑)

ヒウォンも持ってきたお見舞いのお菓子がたくさんはいった袋をウンギュに渡して。
「お前は平気か?どんな奴らにやられたのか話してみろよ」
「どうして?」
「オレたち親友だろ?」
「親友って何だ?」
「そうだな・・・ハハッ、何か改めて聞かれると説明に困るなぁ。ところでジョンウォンはなぜ
 こんなことになったんだ?」
「アリババが殴った」
「アリババ・・・それ何だ?」
「たった今出ていった奴」
そんな会話をしていたときに病室にナリが戻ってきて。
「あ、シャララ」
「オッパ、待ってたのに、どうしてこなかったの?」
「アブドラが死ぬかと思って」
「アブドラは死にません!オッパ少しの間出ましょう、話すことがあるんです」
「イヤだ!」
「チチピに関することでも?」
「?!」
途端にウンギュはイスを蹴飛ばして何の迷いもなく病室を出ていってしまって。

顔がキズだらけのまま心配するヒウォンを押しのけてナリとウンギュが出ていったあとを追いかけた
ジョンウォン。
病院の裏口を出たところにいたナリとウンギュ。
「オッパ、どうしてジョンウォンオンニに構うんですか?」
「ジョンウォンじゃなくてアブドラ」
「アブドラがジョンウォンオンニなんです!オッパ、思い出して!オンニはオッパを捨ててヒウォン
 オッパとつきあったんですよ!思い出せないんですか!?」
「知らない・・・そんなこと知らない」
「オッパ、泣いたでしょ。オッパ、『ププ拉致事件』って歌を作ったでしょ?その歌を歌った日に
 オンニはオッパを捨ててヒウォンオッパを選んで、それでオッパは死ぬほど辛かったじゃない!」
ナリがそう叫んだ瞬間ウンギュはその場にしゃがみこんで、
「あああああっ!!」
と両手で頭を抱え込んで苦しい悲鳴を上げ続けて。
「私はオンニだけにはオッパを渡しません!絶対イヤなんです。オッパが辛いのはダメです!
 だからオッパはオンニを思い出さないで下さい!」
(さっきはオンニの仕打ちを思い出せと言い、今度はオンニは忘れろというナリ)
ナリも悲鳴のように大声を張り上げながら涙を流していて・・・
ジョンウォンはナリに対して怒る資格なんか自分にはないと思ってるから何もいえないまま。

悲鳴を上げ続けたウンギュはその場に倒れ込んでしまい、ジョンウォンが背中におぶってズルズルと
引きずりながら病室までつれて連れて行きます。
安静が必要だと診断した主治医は、自分はウンギュの保護者だと言うジョンウォンと話をします。

なぜ昔の自分を思い出したがらないのかと聞くジョンウォンに、二人はどんな間柄だったと医者に
尋ねられて・・・記憶を失う前は恋人でつきあっていたと答えたジョンウォン。
医者は二人がいい別れ方をしなかったことをすでにウンギュオンマから聞いていて、
「すごく辛い出来事をに心が耐えられないから忘れたんですよ」
と説明を始めてくれます。

忘れたほうがはるかに心の痛みは軽い、本人もそれを無意識で望んだので事故で頭に衝撃を受けた
ときに瞬間的に強い意志で忘れることにしたのだと。
だからふとしたときに記憶が甦りそうになると本能的にそれを拒んで頭が痛くなるんです。
時が過ぎればその意志が固まってしまい、恋人だったことも忘れてしまいます。
そうなるまでに数ヶ月もかからないだろうと。

忘れさせてあげるほうが本人のためかもしれないという医者に食い下がったジョンウォンですが、
本人に思い出す意志がないからどうしようもないし、ムリに思い出させようとすると危険な行動に
でるかもしれないと逆に説き伏せられてしまいます。
愛しているならば彼の幸福を祈って忘れさせてあげるべきではないかと・・・

家に帰ったジョンウォンは医者の言葉が耳にこびりついてはなれず。
『本当にあんたのことが大切なら手を離すべきなの?あんたが望んでるのはシャララ姫だから・・・
 どうしたらいいの?』
とめどなくあふれる涙をぬぐうこともせず、ベッドで泣き続けるジョンウォンで。

翌日。
ジョンウォンはオンマに呼び出されてリビングへ。
そこにはウンギュママもいて・・・ウンギュママと二人で話をすることになるジョンウォン。
「私はジョンウォンが好きよ、りりしくて明るくて可愛くて」
と言い出すウンギュママに何の話かよくわからないジョンウォンでしたが・・・
「ウンギュがすごく辛いの。忘れたい記憶があの子をずっと苦しめてるから私たちも辛くて。
 それでウンギュを明日伯父のところにやろうと思うの」
「そこはどこなんですか?」
「ごめんね、それはいえないの。本当に申し訳ないんだけど、私はウンギュの母親だから言うことは
 できないのよ」
(ウンギュがジョンウォンとの記憶を封じ込めたことをわかっているオンマだからこれ以上息子を
 苦しめたくなくて教えてくれないつもりなんだよね)
「・・・ウンギュはどこにいますか?」
「ベッドに横になってる。話もしないし何も食べずにチチピだけ捜してるわ。
 ジョンウォン、ひょっとしてチチピっていうのが何か知ってるの?」
「いいえ」
「ウンギュは明日朝早く出発するから、お別れのあいさつにきてね。
 最後にウンギュの顔を見て、ウンギュのことはもう忘れてね」
「・・・」
「こんな話することになって本当に残念よ、ごめんね」
「そんな、おばさん違います」
痛ましいほほ笑みを残してウンギュオンマは帰っていき・・・

『ウンギュ、さよなら。ウンギュ、元気で過ごしてね。シン・ウンギュ、幸せに・・・』
医者からもウンギュオンマからも自分とのことを忘れたほうが幸せになれると言われたジョンウォン。
もう別れたほうがいいのかもしれないと弱気になってしまいます。

そして翌日の朝。
ベッドの上に座っているウンギュに別れの挨拶を切り出そうとしたジョンウォンですが、ウンギュの
引越し荷物をうっかり倒してしまいます。(家族がウンギュの荷造りをした模様)
中の荷物を拾い集めていたジョンウォンはあるものに気がつきます。
「ウンギュ、これ何?」
その声に、関心なさそうにウンギュが冷たい表情のままそばに寄ってきますが・・・
「・・・チチピ!チチピ!!」
狂ったようにチチピの名前を呼びつづけるウンギュに驚いてウンギュの両親も部屋に入ってきます。
ポロポロを涙を流すウンギュにジョンウォンは・・・

「この子がチチピ?シン・ウンギュ、話してみて。チチピってこの女?ウソでしょ?」
ソヒョンとヒウォンの100日記念日を祝うために家を出たジョンウォンは隣家のウンギュを誘いに
行きます。(プレゼントはカップルTシャツ)
ウンギュの家には当然のようにナリがきてて、自分もオンニたちと親しいからお祝いにいくという
ナリの言葉に反論できないし、ウンギュは話しかけるジョンウォンを無視してナリと一緒にさっさと
通りすぎちゃって。
二人が仲良く歩きながら話をする後ろを歩くしかないジョンウォン。
何を話しているのかわからないけれど、チチピやシャララという単語だけは聞こえてきて。
アブドラって呼ばれるのを嫌がってたのに、その名前さえ呼んでもらえないのはすごく寂しくて。

ソヒョンは記念日のお祝いをするために5人だけ招待してるのに、カフェを一軒まるごと借り切る
という豪快さで、ビックリなジョンウォン。
ソヒョン&ヒウォンがイチャイチャしてるのはまあいいとして、ナリとウンギュが耳打ちしながら
何か楽しそうに話してカップリングが出来上がってしまってるのが気に入らないジョンウォン。

で、招待されてたジョンビン(懐かしいなぁ)とブツブツ話してて。
プレゼント何にした?と聞かれたジョンビンは「現金」と即答し、ジョンビンらしいと納得。
用意されたケーキを一人でガツガツ食べて、そこらにあるお酒をガンガン飲んでるジョンビンに
あきれたジョンウォンは、こういう場所には彼女を連れてくるもんじゃ?と皮肉って二人でケンカ
っていうかじゃれあいみたいなことしてて。

ふと気がつけばソヒョンとヒウォンはカップルリングを眺めて微笑ましそうな雰囲気で、店の外は
クリスマスらしい雰囲気で雪まで降ってて。
ソヒョンとヒウォンがキスしてるので視線をそらせるジョンウォンは、今度はウンギュとナリを
目線で追いかけ、二人が外に出るのを見て追いかけて。

カフェの外の階段に二人で座ってるウンギュとナリ。
ウンギュが夢を見た話で海にもぐったって話題になって、ナリは海はどんなだった?と話を盛り上げ、
それでウンギュは海に一緒に行こうと誘ってて。
「ちょっとナリ!こんなところにいたらウンギュが風邪引くでしょ、入ってきて」
だけど二人はいきなり登場したジャマ者のジョンウォンにキョトンとしてて。
「何してるの?聞いてなかった?」
「オレが一番嫌いなユン・ジョンウォン、お前が中に入れ!」
「今アブドラって呼ばないのね、名前覚えてくれたってこと?」
「アブドラって名前はお前にはもったいない。あの子はほっとこう、オレたち一緒に海に行こうか?」
とジョンウォンには目もくれずナリに言うウンギュ。
「ええ、オッパ。私海が見たい!」

『ちょっと!あたしと一緒に海に行くって言ってたのに!
 ペンダントの人形も連れていけって言ったのに!』

バカになったからってこれはあんまりだとジョンウォンが大声張り上げようとしたしたとき、店の中
からひょっこりと顔だけ出してきたヒウォン。
「ジョンウォン、そこで何してるんだ?」
「あんた・・・(唇に)口紅ついてるよ」
「お前泣いてるのか?なんで泣いてるんだ?」
「あーもう!いいから先に中に入ってて」
「こっち来いよ、ソヒョンが早く入ってこいってさ」
「先行ってて、あたしちょっと片付けることあるから」
って言ってるのに、ヒウォンがジョンウォンの手首をつかんで中に連れていこうとしてて。
そんな二人をじっと見ているだけだったウンギュですが・・・おもむろに立ち上がってジョンウォン
を握ってるヒウォンの手を外しちゃって。
その場に固まった三人ですが、ヒウォンがぎこちなく笑ってウンギュに近寄ろうとしてるのにまた
ヒウォンの手を振り払って。
「お前ら二人は一緒にいるな」
「・・・ウンギュ?もう一度言ってみて」
「一緒にいるな」
「なんで?どうして?」
聞き返す自分の声が震えて、涙がいまにもこぼれそうになっているジョンウォン。
「わからない・・・ただ見てると腹が立つんだ・・・どうしてなのかはわからないけど」
自分でも説明のつかない感情に振り回されて、背を向けたまま同じ言葉を繰り返すウンギュ。

ユン・ジョンウォンという存在を忘れてしまっているはずなのに、ヒウォンと一緒にいるのを見る
のはイヤだという嫉妬をチラつかせて苛立つウンギュに嬉しくて笑い出してしまいそうになるぐらい
幸せなジョンウォン。

このあとドラムのソヒョンオンニが店の中に入っておいでとみんなを呼びにきたので一旦全員で
中に入って。
酔ったジョンビンがジョンウォンの首を絞めてるのに、ウンギュはナリとキャッキャッとなにやら
遊んでてちっとも見向きしもしなくって、さっきみたいにヤキモチも妬かず。
力が強いジョンビンの腕から逃れようとしてるジョンウォンを見かねたヒウォンが助けに入って
くれます。
「よせよ、兄貴。ジョンウォンが死ぬだろ」
とジョンビンの手を引っぺがしてくれてやっと助かったジョンウォン。
「あ~あ、あのバカ・・・あれどうやって家に送ろうか?困ったねぇ」
とのんきに見てるソヒョン。
「おい、大丈夫か?」
とヒウォンがジョンウォンの背中をポンポンと叩いて息を整えてくれたんだけど、それを見ていた
ウンギュの表情が突然強張って。
「触るな!」
というウンギュの声にシンとなった店内。
「なぜだ?ウンギュ」
「おまえはアブドラに触るな!見つめることも話し掛けることもダメだ!」
かんしゃくを起こした子供のように怒るウンギュに、ヒウォンはぎこちなく手を下ろして。
ジョンビンがジョンウォンに触ってても何も意識してないのに、ヒウォンにだけ反応したウンギュ。
潜在意識の中に私たちの辛い過去が残ってるんだと確信したジョンウォンですが、ソヒョンが
ウンギュにとんでもないことを言い出して!

「ふーん、ヒウォンとジョンウォンは来月結婚するだって?」
何言い出したのかとビックリしてる周囲を尻目にどんどんデタラメ言うソヒョン。
「ウンギュ、結婚が何か知ってる?二人で一緒に住むんだよ。二人でこうやって手を取り合って、
 こんな風に式をあげるんだよ~ どう?ウンギュ?」
「オンニ!」⇒ナリが怒る声
「どうするウンギュ?ウンギュはどうするかな~ ジョンウォンがヒウォンのところに行っても、
 ウンギュにはナリがいるから関係ないよね?だろ?」
ガタッと席を立ったウンギュは硬い表情のままカフェを出て行ってしまって。
「オンニ!どうしたんですか!」
悔しそうな声を出したナリはウンギュに続いて席を立ちますが素早く座らせてしまうソヒョン。
「よく聞いて、ナリ。こんなときはあんたじゃなくてジョンウォンが行くもんだよ。
 ジョンウォン、急いで追いかけなよ」
「はい!」
嫉妬してくれたウンギュに感激したジョンウォンはあたふたとカフェを出てウンギュを追いかけて。
「ウンギュ!」
ジョンウォンがそう呼ぶと足を止めて・・・いつの間にか積もった雪に視線を落としているウンギュ
に追いついたジョンウォン。
「ハァハァ、どこに行くの?」
「なぜ、オレについてくる?」
「ジョンウォンだから」
「ジョンウォンって誰だ?」
「あたしじゃない、あ・た・し!」
ニッコリ笑ってみせるジョンウォンとは対照的に悲しい目のウンギュ・・・いつの間にか涙がひと筋
流れてて。
「・・・ウンギュ」
「なんでお前を見れば腹が立つんだ?なんでお前をみれば悲しくなる?お前はチチピでもないのに。
 オレが一番嫌いな奴なのに・・・それなのになんでオレは泣いてる?」
「それは・・・あたしがジョンウォンだから」
ウンギュと同じように涙がポロリとこぼれたジョンウォン。
ジョンウォンはウンギュの腰に両腕を回してウンギュの肩に顔をうずめて・・・すごく久しぶりに
ウンギュを近くに感じるジョンウォン。
何も言わずにウンギュが静かにジョンウォンを押しやろうとした時、
「オッパ!」
「シャララ!」
少しの迷いもなくジョンウォンのそばを通り過ぎてナリのほうへ走っていくウンギュ。
店の中へと入っていく二人の背中を見つめながら・・・今日はこれで満足しようと自分を納得させる
ジョンウォン。
少なくともウンギュはあたしのことを覚えてるんだから、たとえそれが辛い記憶でも自分のことを
覚えていてくれたんだから・・・

家に帰ったジョンウォンはネコのププが苦しそうに呼吸しながら倒れているのを見つけ、慌てて病院
へ連れていこうとします。
ププを抱いてチェガンの部屋へ行きそのことを知らせたのにグウグウ寝たままちっとも起きてくれ
ようとしない弟にイライラのジョンウォン。
「ちょっと!ププが死にそうなんだってば!!なんで呑気に寝てるのよっ!」
「・・・眠いんだよ、それにププがオレと何の関係があるんだよ」
「あんたってそんなに冷たい奴だったの!?呆れた奴ねっ!」
それでようやく身体を起こしたチェガン。
「お前、自分が命を捧げた人に、信じた人に裏切られたことがあるか?
 一度じゃなく二度も裏切られたことがあるか!!」
「はぁ?なんでこんな時にそんな話になるのよっ?誰に裏切られたの?」
いくら怒鳴ってもチェガンの態度が変わらないのでラチがあかないと思ったジョンウォン。
財布とケータイを握って家を出ようとした途端に階段を駆け下りてくる音が・・・
「ププ!ダメだ!死ぬなよっ」
結局チェガンはジョンウォンからププを奪ってダッシュで病院へ連れて行っちゃって。

チェガンの友人ダヒョンが泊まりにきててチェガンの部屋で寝てたけどこの騒ぎにさすがに起きて、
「ヌナ、なにがあったんですか?」
とジョンウォンに尋ね、ププが病気でチェガンが今病院に連れていったと答えます。

 ※このダヒョンはチェガンから恐らく隣のソヒョンとの悲しい恋を全部聞いてるみたい。
  チェガンにどんな悲しい裏切りがあったのかとジョンウォンが聞くけど、それはチェガンに
  直接聞いてくださいとダヒョンも辛そうに答えるだけで。
  (ちなみにこのダヒョンには・・・あとで重要な役割が与えられます)

チェガンのことを自分とウンギュのことに置き換えてみると自分もウンギュを二度も裏切ったことに
なる、ウンギュが大会で大賞を受けた嬉しい日に別れを告げてヒウォンのところに行ったこと、
アンヒョン高でサヨナラ公演した日に誰よりも悲痛な気持ちだったウンギュではなくヒウォンのそば
に残ったこと。
ウンギュもチェガンぐらい辛かった?それよりもっと辛かったかも・・・

考えてみると二度ともウンギュが公演をした日だ。もしかしたらウンギュが歌を歌うことを嫌がる
理由はそれと関係あるのかも。
ジョンウォンがいろいろ考えて眠れずにいて・・・

翌日大学に行ったジョンウォンの前にセナが立ちふさがり、わけのわからないことを言い出して。
「もしかしたらあんたにすごく申し訳ないことになっちゃったかも・・・もしかしたら・・・
 ほんとにもしもそうだったらホントにごめん、ごめんね」
何の話かわからないし、謝られるようなことも別にないのでそのまま行こうとしたジョンウォン。
だけどセナはまた立ちふさがって・・・呆れたジョンウォン。

だけどそこへチェガンがバイクでジョンウォンを迎えにきます。
「おい!さっさと乗れ!」
「何よ?ププに何かあったの?」
「ウンギュ兄貴が病院に担ぎ込まれたんだ!早く乗れ!」
「何ですって!?」
チェガンの背中に素早くつかまり出発したジョンウォン。
その背中をセナが辛そうに見つめていて・・・

「どういうこと?ウンギュがなぜ病院に?ケガしたの?どっか具合が悪いの?」
「ヌナぐらいの年の奴5人ぐらいに殴れたらしい」
「なんでウンギュがそんな目に?」
ここでジョンウォンはウンギュがケガしたときにナリも一緒にいたと聞きます。
ナリが救急車を呼んだと聞いたジョンウォンはやっぱり面白くなくて。

チェガンに続いてジョンウォンも病院に飛び込んでいき・・・
夜遅くに電話をかけてきたのは大学の友達セナ。
酔っ払ってて内容はよくわからないものの、自分にも恋人ができたからあんたのウンギュとどっちが
いい男なのか比べてみよう!だからすぐに出て来いというあきれた内容で。
ジョンウォンはバカらしくなって電話を放りだして就寝。

翌日。
ジョンウォンの家まで来たセナは早速自分の彼氏自慢を延々してきてウンザリなジョンウォン。
ウンギュより背も高いし、目も大きい、お金だってあるし、ケンカも強いと写真を見せびらかされ、
辟易したジョンウォンはそれでもウンギュのほうが歌がうまいかもと反論。
(セナの彼氏って・・・サングラスでスーツ姿なんだよね。あきらかにチンピラなんだけど・・・)

そこへドラムのオンニ(ソヒョン)からメールが入ってきて・・・
『明日はヒウォンとあたしの100日記念って知ってるよね?
 手ぶらでおいで、いつものカフェで6時に会おう』

  ※ヒウォンは家族も戻ってきて落ち着いたのか、しばらくしてソヒョンオンニとつきあい
   始めた模様。
   韓国ではつきあいだしてから100日を記念日として盛大にお祝いするから
   その場合友だちは何がしかのプレゼントとかするのが通例なのかな?

メール見て初めてそのことを思い出したジョンウォンは慌ててサイフのお金をチェック。
「ジョンウォン、あたしの彼氏は歌が上手いのよ」
「うんうん(適当な相槌)、そうなの。プレゼントは何がいいかな?」
「あたしの彼氏はあんたの彼より百倍かっこいいんだってば!」
「そうだね、良かったね~ 羨ましいよ。あ~困った。ナリも連れて行かなきゃいけないかな?」
と、セナを相手にせず、
「だからあたしがあんたに勝ったってことよ」
「そうなんだ、おめでとう。ねぇ、100日記念のプレゼントは何がいいんだろ?」
「あたしの話聞いてる?!ジョンウォン!!」
鋭い目つきでジョンウォンをにらみつけるセナにキョトンなジョンウォン。
そんな険悪なセナを見かねたユナが間に入ってくれて・・・
「ちょっとセナ、そんなに怒らないでよ。ジョンウォン、あんたも悪いよ」
「セナ、悪かったってば。あんたの彼氏は歌が上手いんだよね。これでいい?」
「・・・・・・」
「ごめんってば、あんたの彼氏のほうがウンギュよりもっとカッコいいって」
「本心なの?」
「うん、本心だから」
「あたしをバカにしてるんじゃないよね?」
「バカにってて・・・(ため息)本心だってば」
「じゃあ今日みんなで会おうよ。あたしの彼をあんたたちに一番に見せてあげたかったんだ。
 だからウンギュを連れてきてよ」
ウンギュがバカになったことを知る由もないセナの要求をなんとか回避しようとしたジョンウォン。
「ウンギュは具合が悪いからダメなんだ、次にしようよ、セナ」
「どこか悪いの?」
「風邪。インフルエンザにかかったの」
「そう?なら動き回れないよね?」
「当然じゃない!インフルエンザで外を歩き回るやつなんかいないでしょ?」
「じゃあ、あれはなに?」
セナがジョンウォンの背後を指差すので振り返ったジョンウォン。
今は真冬だってのにハーフパンツをはいて店の前の大きい人形の置物の周囲をニコニコと笑いながら
グルグル回っているウンギュ。
その傍にはププとナリもいて・・・
「わッ!あの子は何やってんのよ」
タイミングの悪いときにそばにいるウンギュたちに慌てるジョンウォン。
「ジョンウォン、昨日も思ったけどひょっとしてあんたの彼氏はあの子と浮気してるんじゃ?」
「違うわよっ!ちょっと、ウンギュ!!」
鼻息も荒く二人のほうへ向かうジョンウォンの背中に聞こえてくるセナの声。
「いつものビアホールに7時までに来て。他の女に浮気してる彼氏を連れてくるのは容易じゃない
 だろうけど、それならそれでオッパの友達を紹介するから」
面倒なことになったと思いつつ、ジョンウォンはウンギュの方が先決で。

その場に座り込んでいるウンギュ、ナリが近づいてくるジョンウォンに不安そうな表情になって。
「ナリ!あんたまたウンギュを呼び出したの?」
「違います。ウンギュオッパが私を遊ぼうって誘ってくれたんです!」
「冗談言わないでよね!」
「シャララを困らせるな!」
ムクッと立ち上がったウンギュが大声を上げ、セナたちは三人の様子をうかがってて。
「ウンギュ、なんでそうなのよ。家に入ろうよ、風邪引くから。ププはいつ連れて出てきたの?」
ニャオンと鳴くププを自分の胸に抱くジョンウォン。
「チチピ探すって言ったのに、探すって言ったのに・・・うそつき!うそつき!」
(ジョンウォンがチチピを探すってその場の約束したんだけどウンギュは覚えてたんだよね)
「わかった。探すから行こう」
「お前とは行かない!」
ジョンウォンの手を拒み、さっとナリの手を握ったウンギュはジョンウォンに背を向けてスタスタと
歩いていってしまって・・・セナとユナにその醜態を見られてしまい恥ずかしいジョンウォンだけど
なりふり構わず二人のあとを追いかけて。
後ろからみてると腕まで組んで、見た目にはお似合いの二人。
ジョンウォンは今頃になってナリにシャララ姫になってもらったことを激しく後悔してて、自分が
青いコンタクト入れりゃよかったとヘコみます。

その日の夕方。
ジョンウォンはセナとの約束を思い出してしまって・・・ウンギュをつれていかなければセナはまた
自分をいたぶるだろうと憂鬱になり、ウンギュを誘い出すことにしてインターフォン越しに声を
かけます。
「ウンギュ!出てきて。ウンギュ!ちょっと出てきて。大事な話があるの」
「バーカ、トンマ」⇒出てくるつもり一切ナシ
「チチピ見つけたよ!本当だってば!だから早くできて、チチピが待ってるから」
途端にドアからウンギュが顔を出してので腕を引っぱっていくジョンウォン。
「うわぁぁあ」
「早く!チチピと会おうってば」
「ホントに?本当に?」
「そうよ!」
その言葉を聞いて、引きずられていたウンギュは自分の力で歩きだして。
その場かぎりの嘘でごまかしてあとはどうにでもなれ!って感じのジョンウォン。
(いっつもこのパターンでジョンウォンは墓穴掘ってるし)

待ち合わせの店についたジョンウォンはセナや昔のウンギュを知ってる友人の前で、ウンギュが
またもや変な言動をし始めたので、酔っ払ってると嘘をついて。
セナはチンピラみたいなオッパに「きゃあきゃあ」と騒いで喜んで甘えてて、ジョンウォンはそれ
見て「ウゲェ」って感じ。
でもそのオッパが、ジョンウォンの隣に座ってる子がアンヒョン高のウンギュだと知って、
「そいつ頭がイカレちまったやつだろ?」
瞬間ウンギュ以外のみんなの動きが止まって、セナの彼氏を凝視。
「アブドラ!チチピはなぜ来ない!この嘘つき!またウソついたな!」
「アハハ、やっぱりな。アンヒョン高のウンギュとは同じ学校出てるから、あいつの頭がイカれた
 って噂はすぐ耳にはいったぜ、おい、なんだか痛々しいなぁ(笑)」
無言でジョンウォンとウンギュをかわるがわる見る友人たち。
「皮肉なもんだな。あの野郎は高校のとき女どもをゾロゾロ従えて傲慢だったのに。世の中ってのは
 ほんとに先がわからないもんだ。それでセナの友だちはあいつとつき合ってるのか?
 オトコは顔じゃないっていうのがわかるだろ?な?」
「やめてよ・・・オッパ」
ウンギュのことを侮辱されるのは我慢ならない、だけどここは理性を保たなくっちゃ。
他の誰でもない、ウンギュのことなんだから冷静に対応しないと・・・
といいつつ手も口もフルフルと怒りに震えてるジョンウォン。
「あんなのとつきあってたらお先真っ暗だろ?」
「なに?・・・今あたしに言ったの?あんた・・・セナ、あんたの友だち一発殴ってもいい?」
「オッパもジョンウォンもやめてよ!」
「あたし何をどうしたって?セナ、あんた次から男とつきあう前に絶対あたしの許可を」
ガッシャーン!!
セナのオッパがジョンウォンにキレてガラスの灰皿を叩きつけ、ジョンウォンはそのガラスの破片で
顔を深く切ってしまって・・・皿の上にポタポタと血が流れます。
「キャア!!ジョンウォン、大丈夫?」
ユナや他の友人の悲鳴をよそに、息切れしながらにらみつける男と向かい合うジョンウォン。

このときジョンウォンはあることに自信を持ってて。
ジョンウォンがケガすることをウンギュはすごく嫌ってたから彼が反撃してくれるだろうと期待して
いたんだけど・・・
ウンギュは皿の上にあったえびせんとオニオンリングをわしづかみにして、
「1対0だ!えびせんが1、オニオンリングがゼロ!」
(どうやら形状がそういうカタチに見えるってことで・・・)
「アブドラ、アブドラは反撃しないのか?」
「おい、笑えるよなぁ、ホントにイカれてるぜ。アーハッハッ、完全にイカれてる。全く笑えるぜ」
首を左右に振ってバカにして笑い続ける男に、ジョンウォンは我慢できずにウンギュが手に持って
いたヤカンをひったくってその男の頭に打ち下ろしてしまいます。
かなりの衝撃にボンヤリしてる男を残し、心配する友人たちを尻目にウンギュの手を引いて外へと
出るジョンウォン。

『ウンギュの代わりにやっつけただけ。ウンギュもちゃんとあたしのこと心配してるはず。
 ただ慰める方法がわからないだけなんだ・・・』

服の袖で涙を拭いたジョンウォンは目の前に、ウンギュたちがよく使ってた練習スタジオが入って
いるビルを発見。

その時ジョンウォンを期待させるようにウンギュはジョンウォンの顔に人差し指をつけてきて。
「あ?これ?大丈夫よ、薬塗ってバンソウコウ貼ればいいから、心配しない・・・」
「おいっ!トンデクマンがケガしたじゃないか!」
「・・・なに?」
「チチピも探せないうえになんでトンデクマンを壊した!」
「・・・ウンギュ」
他の誰でもないウンギュがケガした自分を心配してもくれず、壊したヤカンのことで責めるから、
ジョンウォンもこらえきれずに、
「あんたにとってあたしはなに?いったいなんなのよ?!」
と怒鳴ってしまいますが、
「アブドラ!」
と即答するウンギュ。
「・・・ウンギュ・・・どうしてそうなのよ」
涙があふれて泣きじゃくるジョンウォンをぽかんと見つめるウンギュ。
前のウンギュならあんな奴は殴ってくれて、あたしの涙を拭いてくれたあとギュッと抱きしめて
くれたのに・・・。
「チチピはいつ来る?」
「もうやめてウンギュ、チチピなんていないの、いないのよ」
「いる。チチピはオレを待ってるんだ。いないわけない。チチピはいるんだ。
 チチピに会いたくて毎日泣いてるのに、いないなんて言うな」
ウンギュの小さいつぶやきを聞いていたジョンウォンは、ウンギュの手をつかんでさっき見かけた
練習スタジオにつれて行こうとグイグイ引っ張って行きます。
「あたしが思い出させてあげる。今から始めよう。わかる?ここは何年か前あんたのバンドが・・・」
「ウワアアアッ!!!」
建物の前で突然大声をあげるウンギュ。
「ウンギュ!聞いてってば!ちゃんと聞いてよっ!!」
「ここはキライだ!ここには入らない!オレ、ここはキライなんだ!入らないっ!!」
「頼むから聞いてよ!この建物がわからない?あんたが練習してたところよ。
 ウンギュが一番好きな歌を歌ってた場所じゃない!」
「歌はキライだ!歌わない!だからここに入らない!ここはキライなんだっ!」
てこでも動かないというように床に座り込んで抵抗するウンギュ。
道行くひとは泣いてるジョンウォンと座りこんでるウンギュを交互に物珍しそうに眺めていて。

『あたしが一番愛する人なのに、やっと会えたのに。
 いろんなことを乗り越えて今やっと一緒にいる時間がもてたのに。なんでこんなことに・・・』

こらえてた涙がまたあふれるジョンウォン。
このあとタクシーをつかまえて家まで戻ることにしますが、車の中でウンギュに言い聞かせるように
ジョンウォンが話します。
「よく聞いてウンギュ。あんたがあたしのことをイヤでも、あたしはあんたを捨てられないの。
 チチピなんていないの。それにあたしの名前はアブドラじゃない、ユン・ジョンウォンよ」
「・・・・・・」
「よく聞いてね、あんたの頭を治すのはあたしなのよ、ユン・ジョンウォン!」
ぼんやりした目で窓の外を眺めているウンギュが独り言のように聞き返してきます。
「ユン・ジョンウォンっていう名前なのか?」
「うん!ユン・ジョンウォン!」
「じゃあ、オレはユン・ジョンウォンんが世界で一番キライだ」
「・・・・・・」
クスクス笑うウンギュ。
泣きたい気持ちを抑えて、ジョンウォンはがんばろう!と気持ちを新たにするんだけど・・・

家の前まで来るとナリがウンギュにおもちゃを買ってきてて、それに飛びつくウンギュ。
ジョンウォンはナリに子供みたいなものを買ってこないでと怒ります。ウンギュはそんな子供じゃ
ないというジョンウォンに、
「オンニはオッパが恥ずかしいんですか?」
と真っ向から対立。
前にビアホールでジョンウォンがウンギュをつれていったのは、恥ずかしかったからじゃないかと
指摘するナリ。
それに対して反論しようとしたジョンウォンですが、ウンギュがナリの手を引いてさっさと家に
入っちゃって・・・

自分が指を指されることはぜんぜん構わないけど、ウンギュがそうなるのは絶対イヤ、いつだって
ウンギュは誰の目からみても最高でいて欲しい、そんな気持ちで行動してるジョンウォンだけど、
ナリには届いてなくて。