二次_読み切り

ここでは、「二次_読み切り」 に関する記事を紹介しています。
お知らせ

   
   慈雨 ~ほぼ信義~ アメブロにて二次小説の記事を更新中です。  
 
   〇信義関連のインデックス一覧
      二次小説
      ドラマあらすじ
      登場人物一覧(作成中) 
      高麗末期の年表 
      50問50答  限定公開(パスワードが必要です)
      小説の翻訳記事 限定公開(パスワードが必要です)
      台本の翻訳記事 限定公開(パスワードが必要です)
            
【初めてのご訪問の方へ】
   一部の記事は、限定公開となっています。(パスワード認証が必要)
   パスワードをご希望の方は、お手数ですがパスワード希望のコメントをお送り願います
   コメントを入れる記事はこちらです(申請方法の記事にジャンプします)
     ↓
   こちら  この記事の右下にある「コメント」をクリックして申請願います
 
  


h-imajinさんの一枚目の画をお借りして・・・
h-imajinさんの画

「春の嵐」

王宮の高台から臨むケギョンの春霞を、足を留めてしばし眺めたのは朝のこと。
日暮れが近づくにつれて長閑だった空は暗い色を帯び、彼方の空では春雷が
放つ一瞬の光をその雲に映し出している。

『来る』

御前を下がったヨンは帰宅を急ぐ。風防けを被り、徒歩(かち)で王宮の門を
出た途端、強い風に身体が煽られる。春の嵐はもう目の前まで迫っていた。
己を両足で踏ん張らせるほどのその風は、あっという間に松嶽(ソンアク)山を
駆け上り、松の木々をあらぬ方へと揺らす。僅かに見える山桜は、優美な姿
でその木の周りに舞い落ちることを許されず、薙ぎ払われて土埃とともに宙に
巻き上げられて、空の彼方へと去っていく。

朝の春霞と同じように、その様子をじっと眺めていたヨンは、風防けの頭巾を
目深に被り直して一歩踏み出す。
それを待っていたかのように、天から大粒の雨が地上のヨンめがけて降り始めた。

心が逸るのは、春雷に慄いているだろう妻を思う故だとしたら、腹の底からわき
出す奮然とした思いは何なのか。
先ほど目にした春嵐。人知が及ばぬ強大なその力を目の前にした、畏れにも似た
武者震いのせいなのか。
雨はもう下穿きや内着にまで滲みているのに、身体の芯は燃えるように熱い。
その熱さを持て余したヨンは、間もなくぬかるんだ道を一気に駆けだした。

帰宅すると、出迎えたのは妻だけだった。
通いの者たちは嵐が来る前に皆家に帰らせたのだという。
外着を脱いだ己の傍で、濡れた髪を忙しなく布で拭いながら妻がそう言った。
ぬぐい易いようにと頭を屈めると、豊かな胸の稜線に目がいく。
妻の手がふと止まる。

目が合う。

妻の目の奥に、ちらちらと熾る熾火を見た。

妻がくぐもった声で何か言い、離れる気配を感じた。
とっさに、妻の手を掴む。
「どこへ?」
逃げる素振りに、己の焔(ほむら)は一気に煽られる。

無言で妻の手を引いて家の中を歩く。
閨にはまだ火の気はない。
寝台に組み敷いた身体が熱を帯びてきたころ、腕にすがりついてきた妻が
「冷たい」と呟いた。
濡れた内着は身体にまとわりつき、紐は思うように解けない。
もどかしい気持ちで濡れたものを床に脱ぎ落とす。

暗闇に覆われた閨に、光が差しこむ。
障子をすり抜けた雷光が、妻の肢体を浮かびあがらせる。

昼の光のような眩しさではなく、かといって夜の灯りのような温かみはない。
月明かりに似てはいるが、煌々と照らす光ではない。
夜でもなく、昼でもない。
そんな世界に二人は居た。

すぐあとに、地を響かせながら雷鳴が轟く。
春雷に惹かれた内功が、表へ出たいとせがむのをどうにか鎮める。
再び、部屋の中が雷光に包まれる。
虎のような呻き声が、己の口から漏れた。

『今日は加減が出来ないかもしれない』

誘うように伸ばされた妻の手を握り返しながら、ふとそう思った

<おわり>
先週の火曜日、仕事の帰りにときどき聴いている「五時に夢中」で、
岩下尚文さんが「嵐が来る前にムラムラする」と仰っていました。
(車を運転しながらなので、TVだけどラジオ感覚なのヨン)

この前の大きな春の嵐があったでしょう?
その嵐が来る二日ほど前にムラムラ来たそうで(笑)

何となくこの話を憶えていて、h-imajinさんの画を見た瞬間ネタがヒラめいたのです。

h-imajinさん、有り難うございました♪


以上、ヨンとウンスのムラムラ話でした~
スポンサーサイト
並んで歩いているはずが、気がつくといない。
見れば、道端にしゃがみこんでいた。
「ねえ、たんぽぽよ」
「・・・(見ればわかる)」
実をつけた植物があれば、「食べられるかしら?」と立ち止まり、
花が咲いていれば、「なんて花なの?」と聞いてくる。
度々の問いかけに少々うんざりしたヨンは、石と岩だらけの荒涼とした
道はないものかと、真剣に辺りを見回す。
「ふふふ」
ウンスは嬉しそうに笑うと、たんぽぽを一本だけ摘んで立ち上がって、
それを空にかざす。
「わー、見て見て。今日は雲一つないいいお天気」
片手でたんぽぽを掲げたままで、ぐるりと一周する。
「危ない」
足の軸がフラフラしているので、ヨンはウンスの二の腕を掴んで支える。
「ありがとう」
ようやくこちらに関心が向いたことで、先ほどまでの苛ついた心が
途端に穏やかになる。

ウンスは、しばらくそれをかざしたままの姿勢で空を見上げていた。
「何をしている?」
「たんぽぽを、空と太陽に見せているのよ」
「空に?」
「ええ。あなたたちのおかげで、地上にはこんなに可愛い花が咲いている
 のよって。それに・・・」
「それに?」
「そうね・・・『亡き人たちに捧ぐ』ってところかしら」
伝えたいことがようやく言葉になって、ウンスが微笑む。
「亡き人・・・」
「そう。『届け、届け。あの世まで届け!』って」
今は亡き人たちが少しでも心安らぐように・・・ウンスは、鎮魂の思いを空に向ける。

「共に」
その言葉と同時にヨンがウンスの背後に寄り添い、ウンスの腕に手をからませて
支えてやる。
垣間見えたヨンの瞳は静かで、ウンスは安堵する。

ヨンとウンス。
同じ空の下。
二人はしばらく空を見上げていた。

たんぽぽ
by:Vince Alongi さん


キム・ジョンハク監督に捧ぐ
(監督の命日に寄せて・・・)
このお話は「乙女だらけのクリスマスParty♥信義」にて、
【同じセリフでお話を書こう】という企画にアップしたものです。

 ※脱字を修正したのみで、それ以外の内容は同じです。

お題は、こちら
『粉雪が頬に舞い降りた。溶けた雫が涙のように流れ落ちた。』

-----------------------------------
『蒼い炎』

陽が暮れる少し前から粉雪が舞い始めた。
ふと、目の端に赤いものが映る。
回廊を歩いていた天音子ユチョンは立ち止ってそちらに足を向ける。

それは、滑るように庭の植木を避けて通り慣れた道なき道を進み、
やがて屋敷を取り囲む門の塀に突き当たると、身体を少しかがめた。
『跳ぶ』
思った瞬間、声をかけていた。
「モビリョン」
呼ばれた火手印は、体勢を戻してゆっくりと振り向く。にっこりと
口の端を上げて笑う顔に、ユチョンは息が詰まる。

『どこに行く?何をしに行くつもりだ?』
聞かなくてもわかっている。それでも聞かずにはいられない。
「どこに行く?」
束の間でもいい、時を稼ぎたい。
雪が本格的に降り出せば、往来の人通りはまばらになるだろう。
そうすれば、モビリョンが求める人肌も、今宵は得られぬかもしれない。

ユチョンの思惑など手に取るようにわかる。
モビリョンは、沸きあがる衝動を抑えられない自分をなだめてやりながら
じっとユチョンを見つめた。

粉雪がモビリョンの火照った頬に舞い降りた。
溶けた雫が涙のように流れ落ちた。

それが涙ではないことぐらい、ユチョンは百も承知だった。
「ごめん」
つぶやくように言うと、モビリョンは猫のようにしなやかな動作で
塀の向こうに跳んで消えた

そんな気持ちが、一体お前の中にどれほどあるのか、
お前を裂いて、欠片でもいいから見つけたい。

こみあげる怒りをぶつける先もなく、曇天の空を仰ぎみる。
白い粉雪は次から次へと舞い降りてくる。
粉雪がユチョンの頬に舞い降りた。溶けた雫が涙のように流れ落ちた。

『降れ、降れ、もっと降れ』
雪で獲物が見つかることのないよう。
落胆して自分の懐に戻ってくるよう。

やがて、雪に濡れた身体が氷のように冷たくなってくる。

『このまま心も凍りついてしまえばいい』
叶うことなどない願いを胸に、ユチョンはその場に立ち尽くしていた。

二次小説はドラマの内容の隙間的な事柄を中心に書いています。

【ドラマ内容】
<1話>
<2話>
<3話>
<4話>
<5話>
■ウンスが無理やりキ・チョルの屋敷に連れてこられるシーンのお話。
二次小説 ウンス キチョルの屋敷にて

■目覚めたチェ・ヨンが支度をしてキ・チョルの屋敷前で待つシーンのお話。
二次小説 ヨン キ・チョルの屋敷前にて

<6話>
■キ・チョルの企みでカンファドに旅立つ一行。
カンファドへ その1
カンファドへ その2
カンファドへ その3
カンファドヘ <追記> 設定メモのようなもの

■チェ・ヨンがウンスをマンドゥ屋に残してテマンを探しにいこうとして
  ウンスに別れを切り出されるシーンのお話。
マンドゥ屋にて

■二人きりで野宿。
 火手印が意味深な言葉を残して去ったあとのお話。
流星光底<シンイでなつまつり企画>

■カンファドへの道のりで(小話)
カンファドまであと少し(小話)

<7話>
<8話>
<9話>
<10話>
<11話>
<12話>

<13話>
■ムカデにまつわるエトセトラ
ウンスとヨンがパートナーになってまもなくの出来事。
ムカデにまつわるエトセトラ 01
ムカデにまつわるエトセトラ 02
ムカデにまつわるエトセトラ 03
ムカデにまつわるエトセトラ 04
ムカデにまつわるエトセトラ 05
ムカデにまつわるエトセトラ 06
ムカデにまつわるエトセトラ 07
ムカデにまつわるエトセトラ 08
ムカデにまつわるエトセトラ 09
ムカデにまつわるエトセトラ 10


ムカデにまつわるエトセトラ 番外 トルベの持論
■中秋節 月明かりの下で
王と王妃が初めて一緒に過ごす中秋節のお話。
中秋節 月明かりの下で 前篇
中秋節 月明かりの下で 中篇
中秋節 月明かりの下で 後篇

<14話>
<15話>
<16話>
<17話>
<18話>
<19話>
<20話>
<21話>
<22話>
<23話>
<24話>
※このひとつ前にも「お知らせ」の記事を書いています。

------------------------
9月26日から29日までが今年のチュソク(秋夕)だそうです。
旧暦のお盆ですね。

ドラマの15話で、毒に侵されたウンスが意識を失っているときに
チャン・ビンに促されてチェ・ヨンがウンスに話をします。

「馬に乗ること。短剣の扱いも教えて差し上げましたから、次は
 釣りを教えて差し上げます。だけど・・・医仙は好きじゃなさそうだから・・・
 中秋節(秋夕)に嘉俳遊びというものがあります」

「満月が登って沈むまでの間、人々は夜を徹して踊り明かします。
 酒も飲んで、歌も歌いながら・・・」

「それは本当にお気に召されるはずです。それに・・・」

<嘉俳遊び>
韓国語가배 놀이(カベ ノリ)
신라(新羅)第3代国王儒理(ユリ유리)のとき, 陰暦8月15日の仲秋に宮中で
行なわれた宮中遊び。
7月16日から全国の女性たちを2組に分け、 王女二人が各1組ずつ率いて
昼夜機織りをさせ、8月14日の夜にその結果を比べて負けたほうが翌日
勝ったほうにごちそうして、ともに歌舞などをして楽しんだ。
(Daumより)

信義のOSTには「Dancing In The Moonlight 」という曲があります。
3話のキ・チョルの屋敷での宴のシーンと4話の忠恵王の宴のシーンで使われています。
この音楽、タイトルからするとチュソクにも合うのではないかと思います。
(ダンシング・イン・ザ・ムーンライトなので・・・月明かりで踊るって訳かしらん?)


The Faith OST 20 Dancing In The Moonlight by... 投稿者 jeonjm22

以前、月に関する本を読んだとき、アジアでは月を温かいイメージとして捉えるが
ヨーロッパでは冷たいイメージとして捉える傾向があると書いてありました。

どうやら気候が関係するようです。
温暖で湿潤なアジアでは月の色が黄色みを帯びていて優しいイメージがあるのだとか。
反対にヨーロッパでは空気が乾燥しているためか、月の色は白く冴え冴えとしており、
冷たいイメージを持つ傾向にあるとか。

同じように丸いのに、色によって持つイメージが異なる。
なるほどねぇと感じた憶えがあります。
(そういえば龍(ドラゴン)に対するイメージもヨーロッパとアジアでは異なる気がします。
 これは色が関連しているわけでもなさそうですが)

私が何をしているのかといいますと・・・

秋夕ネタで何か書けないかなぁと思案していて、もしかしたらこの内容で
何か思いつかれる作家さんがいらっしゃるかもと思い、調べる手間を省くために
情報をそっと提供させて頂いているところです(笑)
(内容が間違ってても怒らないでくださいナ)

ではでは